全国各地でやっている自称・風力反対運動はニセモノだ。h18年に東伊豆町などで低周波音の被害が明らかになると、環境省、行政は一斉に被害の否定を行う。その一連の調査報告書を見ると、スゴイ、の一言に尽きる。その時にはヨーロッパやアメリカでも風力被害が有名になっていて、ニーナビアポントが第一章で書いているように、被害者たちは一斉に声を上げ始めていた。
日本の環境省は毎年、「海外に知見はない」と書き記す。この嘘八百の態度に、参考にと水俣病を検索して見た。なんと環境省は水銀被害を否定していたのだ。水俣湾からはドッサリと水銀が浚渫されている。その事実を見ても、まだ水銀被害の経緯は明らかではない、と書いていた。同じ書き方は低周波音の被害にもあって、扇風機や冷蔵庫からも低周波音が出ていると書いている。
h24年、由良町では、役場や被害地、議員たちが一斉に同じフレーズを繰り返している。まるでオウム、人々は笑顔で「風力の低周波と、冷蔵庫の低周波とどう違うのか」と私に話しかけるのだった。この時点で地域対策が組織的に、着実に行われていることを感じ取っていた。前ページに書いたように、人は簡単に心理コントロールされることは分かっている。
大学の心理学の講座では、夕闇の薄暗がりで、小さなランプを見せて、その小さな光が指導者の言う通りに動くように見えるトリックを体験する。強制ではない。被験者は、それぞれ勝手に思い込むのだ。上位者に言われたとおりにな。私の場合、人々のあざ笑いに直面するのだが、なんで地域の人たちには被害者の苦しみに共感できなかったんだろうか。
水俣でも被害者に対する差別意識が強かった。もともとがそういう地域だったせいもある。由良町でもそれは同じで、「畑よら」とせせら笑う。畑地区の人はそれを知って喜んでいる。「風力はワシらのもんや。オマエラ関係ない」とな。被害に苦しむ者でもそうなんだから、アホに付ける薬はないわな。倒錯と云うんだろう、ワシらは役場に協力しているんや、風力には反対ではない、と言い切っている。
谷口愛子さんからは、初めから風力被害の連絡のやり取りが続いていた。谷口語録として書き留めている。疑心暗鬼になったらアカン、と言っていたはずが、ボロボロに破壊されていく現実を見る。低周波音被害は頭をやられるからね。それと悪党たちの弾圧が繰り返される。虐待されると、人は動物になる。人間性を無くしてしまう。それを人々は笑いものにして喜んでいた。
ターゲットにされたものはたまらない。「みんなと一緒に頑張っていく」そんなウソ言葉に収斂していた。このページを見る人の中には、低周波被害者がいるんでしょ。スパイ工作員もいて、悪意を燃え上がらせているのもいる。盗癖と同じで、悪党は悪党でしかない。遺伝、病気なのだ。ただそれが社会風土となると、なかなか人はその偏屈な間違いに気付くことはない。
日本ではニーナビアポントは知られていないし、何が書かれているのかも関心を持たれない。日本独特な社会風土だ。それが水俣病であれ、イタイイタイ病であれ、公害の被害者に対して、極端な差別意識を持つように決め付けられている。原爆症のケロイドなんか見たくないしね。放射能が感染したら嫌じゃないか。そういった強固な意志が日本人にある。理屈じゃない。
人間感覚として、これはアカンから避けておこう、という社会意識だ。どこか歪んだ、無責任体質でしょ。誰も責任を取らないんやで。その上で、被害者を弾圧して喜んでいるのだ。アホよら、とせせら笑う。時には大声で叫びに来る。知っていたけど、人は大っぴらに、こんなにして正体を現すのだった。私の家柄自慢はこんな暴力に対する防御手段だ。
由良守應の話を書くのも、こんな防御の気持ちなんだよ。あられもない被害者たちの泣き叫びを見てきたからね。私にはどうしてやることもできなかった。役場や人々の様に笑いものにするなんて、とてもじゃないができなかったんだよ。私も風力被害で苦しんでいるからね。気絶して、水槽の縁から転落して、ろっ骨を二本も折って苦しんだ時、人は笑って喜んだ。
谷口さんら被害者もそうやって殺された。私はそのことを見ている。日本では、誰一人として「風車を止めろ」という人はいなかった。面白かったんだよ。それが辛いかな。日本人には私の気持ちは分からない。どうしてもドイツやフランスでやっている風力反対運動が羨ましい。日本の「土砂崩れが心配です」というエセ言葉のスローガンには吐き気がする。
ヘンな御用学者を担いでお祭り騒ぎは狂気にしか見えない。だって被害者を否定して、みんなで喜んでいるんでしょ。その意識もないか。基本的に、由良町の被害も、東北や北海道の風力被害も変わらない。何が悪いのかも、人々には理解されることはない。風車が林立する町に、閉された社会に、人々はにこやかに暮らしている。エネルギーを確保するために風力発電が必要だと信じ込んでいる。
低周波被害はウソだと信じている。ただの心理操作なのにね。この伝手で原発も再開するんだろうか。地震大国の日本に原発は無理だ。福島の現実を見ろ。あんな所に住みたいか。そして風力発電が林立する地域に住めるか。どんな状況にあるのか、何が悪いのか、日本人の中にも、気がつく人がいても良いと考える。
由良守應は、なぜ牢屋に放り込まれたのか、作り話以外には残されてはいない。明治維新にどんな活躍をして清水御門前、飯田町一丁目一番地に4291坪の宅地を貰ったのかも伝えられていない。たぶん私のように初めから答えが分かっていたんだろう。吉田松陰などの志士は殺された。守應は生き残って明治維新を駆け抜けた。
君はどちらが良いと思うかい。みんなと一緒。関係ない、と言い続けるか。