奇妙な低周波音の高い地域

リオン社製の低周波測定器NA-18Aを持って由良町内を歩いていた時のことだ。海岸部の阿戸地区で測ってみると70dbもの高い低周波があった。周囲には、何も物音はしないからピカピカの超低周波音だ。倍音とかの卓越した被害成分はなく、全体的に低周波音領域が高くなっている。もしこれが風力発電のものなら、強風があるときとか、に限られる。風車独特の倍音は見られなかった。風車からの距離は4㎞。

音源は何だろうかと探してみる。下水処理場があったけど、そんなに高音を発してはいない。目の前にある三井造船由良工場か。それも分からない。だって周囲の横浜地区には何も変化はなかった。阿戸地区には低周波音の被害を言う人はいない。彼らはh19年に汐見文隆医師が来て、風力発電の低周波被害を伝えていたから、多少とも知識はあるだろう。工博とか、高学歴のものもある。この地の環境運動家にも聞いたけど、情報はなかった。

同じことは隣町の日高町志賀地区でも測ってみると、同じように70dbもの数値を示していた。言っとくが「70db」と言う音圧は騒音なんやで。米軍の爆撃機が80~90㏈ある。一般の家庭ではせいぜい30~40dbだろう。対数表示だから大変なエネルギー差がある。ある日、京大の小林先生と共に低周波音の測定をしているO先生から、「付近で、風力発電の影響のない地点で測りたい」と言われて、この地域を測定してもらった。

最新鋭の機器で、任意に細かく周波数を刻んで測定できる。FFT分析だ。その結果がまた、私がリオン社の低周波測定器で測ったものと同じ結果だったのだ。「何かがあるんだろうね」と先生は言っていた。人の耳には聞こえないから、何の音なのかは分からない。遠くに巨大な風車群が見える。4㎞で、こんな結果になるんだろうか。志賀地区でも低周波被害の声は聞かない。この辺は親類が多いから自由に聞いている。

それで畑地区の谷口愛子さんと話していて、「ヘンやろ」と事情を考えてみた。早速、行って来たらしくて、「やっぱりおかしい。低周波がある」、「風車のものかどうかは分からない」、「そこにいると気分が悪くなってすぐに帰ってきた。自宅も悪いけどな」と言って笑う。最期の命の声。小林先生の言葉を借りると、「特殊な音の場が出来ている」ということか。音源が大きいと、音のエネルギーはとてつもない現象を見せる、と言うのだ。

風車の数が多いと増幅効果がある。上空に反射層、反転層が出来て特異な低周波音は閉じ込められて伝播する。アメリカ物理学会JGRでは、風力発電の得意な低周波音はどこまで伝播するのか観測調査を行っている。私のページで2019.2/22日~3/26日までに、小林先生の翻訳も添付してアップしている。フィンランド記事では15㎞離れても被害が確認されたとある。これが今も世界基準になっている。

なんせ風車から100㎞離れても、風車独特の低周波音が観測されたという。風車音には指紋があるんだよ。それでもな、結果としてその地域には被害者は確認できなかった。私にとっては知り合いばかりで嘘はない。ただ谷口さんが言ったように、そこにいると気持ち悪くなる何かがある。私にもその空気の異変が分かる。被害確率は1%だという。それは風車の麓の事か。それなら畑地区では5%も6%もある。

阿戸地区や志賀地区で、何か情報があってもいいんだけどな。どこにでも環境運動家がいて、これは両刃の剣だ。風車側か、被害者側か、どちらに付くのか分からない。いやいや、大概は役場の言うとおりになってクリニックで薬を貰ってボーッとしているか。最近はエネファーム、エコキュート、いろんな低周波音の被害があるらしい。被害が認められることはない。風力被害と同じで、被害者はとうに頭をやられている。

役場で怒鳴りつけられて、優しい言葉でクスリ漬けになる。どうせ終わった人だ。社会のゴミなんだよ。風力被害者はもっと大きく社会的な弾圧に遭う。だから本当の事に気が付く人がいてもよさそうなもんだが、とこうして書いてきた。4㎞も遠くに離れた風車を見ながら、低周波被害です、とは言い辛いわな。フィンランドの風力被害の調査報告書は、だから世界標準となったんやね。日本だけ、それがない。被害は否定される。

人間としても精神疾患、ゴミ屑として弾圧される。笑いものになるのだ。誰も谷口さんら被害者を助けなかったでしょ。アホよら、関係ない、あの人はウソをついている、ボロクソだったやないか。私なんかさらにひどかったけど、まだ生きている。住みにくい世の中になったもの。スケープゴート、生贄だよ。水俣や福島と同じ事が全国版で広がっている。お花畑は、そのカラクリだ。追記、米軍厚木基地の低周波被害を思い出した。

遠く離れた住宅地で、寝ていたら鼻時が出るというものだ。低周波被害は、どこの地域に発生するか分からない。地形、気候、風向き、町並みなど、誰にも分かるかいな。