真実から目を背ける。

風力発電の被害地では、人々は山々の風車から目を背けて見ないようにしている。それを目にすると頭が混乱して目まいがする。早よ早よ、家の中へ入って見ないようにするんや、という被害者は多い。しかし家の中ほど有害な低周波音は充満していて苦しくてならない。それで堪らなくなって表に停めた軽トラの座席に座ってジッと時間の過ぎるのを待つ。

h23年、24年と、被害者は冷たい冬の日もそうして苦しみ死んでいった。私が何か言おうものなら泣いて掴みかかってきたものさ。あるいは寒さに震えながら夜中に、畑地区から門前地区まで1~2㎞を歩いていたという。ちょうどそこには知り合いがいて、「アイちゃん、私の家に入って休みなよ」と声を掛けたという。暗がりに、言葉少なに立ち去ったり、車の中で苦しんでいた。

誰も助けないんやで。それどころか嫌悪の的よ。「ほっといたらええのや」、と言う。どちらも地域対策でネジを巻かれている。破壊工作だ。人間破壊がすごかったことは、多くの人が気が付いていることだろう。私の住んでいる門前地区にも、絶対に被害者がいたに違いないと思っている。私は割と鈍感な部分もあって、水道水に異臭騒ぎがあった時も分からなかった。

鈍感力はある方だろう。赤痢やコレラが由良町で流行った時も、特に何も思わなかったものだよ。風力発電の低周波被害を知ったのは、たまたま隣町の日高町のゴミ捨て場に「東伊豆町の被害情報」をコピーしたものかドツサリ捨てられているのを我家まで持ってきてくれた人がいたからだ。谷口さんから風力被害の話を聞いて、支援者の事も知っていた。

それでも本当に風力被害を理解するのは、それからまだまだ1年も2年も経ってからだ。有害な低周波音の測定、被害を否定する環境省の報告書、弾圧を行う役場各地の役員さんの奇怪な変身ぶり、被害者たちの裏切り、何もかも水俣病の本を読んでいるようなドラマチックに満ちていた。人々の罵声が私を襲う。それほど私が憎いか。

「もう言うな、後はワシらに任せとけ」と議員さんは言う。風力の手先であった。町長は谷口さんとは同い年の幼友達。何度も抗議して話したと言う。あれだけ選挙で協力したのにケンモホロロに拒否される。いつだったか谷口さんが町長室から電話してきて、「今、町長とコーヒーを飲んでいる」と自慢していたのに。あっさり裏切られていた。切り捨てられたのだ。

彼は一度も話したことはないと私に告げた。へーえ。東伊豆町に電話すると面白いで。由良町と比べて見な。判で押したように同じ言葉が聞ける。多くの人が電話したことを知っている。そりゃ、紋切り言葉になるわな。【被害はありません】とな。由良町をグルリと取り囲むようにして風車計画は進められていた。被害を分かった上での立案だ。

「早く風車を建設しないと損なんやで」と議会では意見が行われる。日高町側でも手ぐすね引いて待っている。原発反対の時の熱気、世論はどこにもなかった。これもたまたまの事になる。新しい人が住民投票で風力計画を中止にする。原谷の方が、由良谷よりも狭くて被害が出るからね。原発よりも自然エネルギーだからいいじゃないか、と人々は言っていたもんだよ。

地域対策の恐ろしさよ。祖母と曾祖母が日高町の生まれ、母が広川町だった。だから周辺地域の人の話は気軽に聞くことができた。「風車が止まっていると心配になって役場に電話するんや」という風車教の人がいた。私の事を共産党か、と怒っていたよ。まさか。政治はすべて風力推進になっている。カネになるんやろうね。どの政党も再エネ一色になっている。

被害は認めない。今も各地でやっている自称・風力反対では、政治家のスピーチに被害者のことはない。土砂崩れであり、自然環境、風景の破壊になっている。景観設計があるからね。金目当てなことが分かる。こんな汚い奴を担いで全国大会だと抜かす。どこまで腐り果てた連中か分かるだろう。お花畑。そう環境運動、環境ビジネスだ。地球温暖化だって。

カーボンニュートラルだって。嘘八百なんやで。風もないのに風力発電が回っている。デモンストレーション、演出だよ。観光風車なんやで。こんな真実は35年も前に各地で実証されているハズなんやけどな。その時の各地の担当官らはまだ生きているんでしょ。【低周波の法律はないんだよ】というばかりよ。これが頭が良いとされる公務員の姿だ。正義感も何もない。

悪意の塊、亡国の徒だ。誰か一人でも、これまでの風力被害に楯突いたか。やはりここでも海外の風力反対運動がまぶしく見える。日本はそれを逆手に取って、真逆の被害否定に利用してきたのだ。風力計画とセットになった各地の「考える会」のオゾマシサを見よ。それを人々は真に受けてレジヤーにして楽しんでいる。インターネットにはそんな記事を業者や行政、政治が書き連ねている。

鬼やな、と思う。日本人はそれが面白いのだ。何も知らないんじゃない。被害者の苦しみが分かるからこそ面白いと言って笑うんだよ。世界の笑われ者だよ。Googleの写真地図で由良町を見ると、すべての風車が消されている。全国どこでも同じでしょ。環境運動家は何も言葉にしない。タブーなのだ。情報の一元管理。全体主義、社会主義になってしまっている。

国策に反対する者は生かしてはおかない。弾圧の嵐よ。エライ役を貰ったよ。もともと私はこんなタイプじゃない。谷口さんから電話が来て協力していただけなのだ。やがて周辺の被害状況が理解出来てきた。被害者の隠ぺい作戦、弾圧の事もな。おかげで村八分、孤立、孤高、一人孤独な生活が続く。日本社会は何を目指しているのかと思わないか。