ある科学者と話していて、Cooperの論文はとても難しいので、もう少し、専門用語の説明もしてください、とお願いしました。
何度かやり取りがありました。
それで概要の部分の紹介と、次に本文の内容も踏まえた解説書を頂きました。それでもまだ分からないところがあるので質問をさせていただきました。
今までに見たこともない高度な研究成果でした。日本では見ることのできないものです。
興味深い分析なので、さらに続編を用意しています。
科学者はこう語りました。
Steven Cooperの研究紹介です。何故この論文を読んだかというと、オーストラリアの風力発電擁護派であるMike Bernardが、この論文はいい加減だと非難しているので、事実はどうか確かめて見るためでした。
非難の内容は「“風力タービンの近傍の超低周波音は人に危険である”というのが音響コンサルタント技術者のSteven Cooperの結論である。
だが、彼の集めたデータはこの結論を支持していない。彼は超低周波音を測定せず、dB(A)の測定値にて推定したのだ。
さらに彼の“危険だという結論”はSaltの論文に基づいているのだが、それがいい加減なものだということを知るまで印象的に見えるだけなのである。」というのだが、今回の紹介を見れば、この非難こそがいい加減なものであることがわかるだろう。
Cooperの研究が画期的なのは、風力発電所と被害者の合意のもとに、風力発電所内部と被害者宅の両方において計測が行われ、被害者の感覚の記録と風力発電の運転状況とが対比されたことである。
このような原因と結果の相関関係に迫る調査が、風力発電の許可官署の仲介により行われたことも画期的で、環境庁、自治体等も見習ってほしいものである。
この論文は、超低周波音公害の理解に重要なものなので、感触だけでも分かってほしいです。
Cooperが何をやったのかさえ分かれば、わが環境省や、ごく最近の日本気象協会による「岩船洋上プロジェクト」に際しての解説が、いかにレベルの低いものであるかがよく分かるでしょう。
あんな考え方が技術先進国、日本の官庁や気象学(準)公共研究機関によるものとは信じがたいことです。