私の本業は百姓でして、今は米7反ほど、柑橘2丁ほど作っています。ですから添付記事のような作り話を見ると、つい「ウソつけ」、と思います。我家でも40年ほど前にはハウス栽培をしていまして、メロン、ウスイ(豆)、など一生懸命でした。結局、10年ほどで撤退しました。
『現代農業』誌にも、以前の記事に、国から補助を受けてコンピューター制御の最新設備を整えたものの、採算が合わずにすぐに破産した報告がありました。全国的にも、この手のニュースはよく聞きました。私の母の実家でも、去年、大規模な施設栽培から撤退しました。金が合わないのです。
スーパーの百円売り場へ行けば、いくらでも新鮮な野菜があるでしょう。軟弱な水耕栽培なんか、野菜の味がしないではないですか。シイタケくらいならいけるかもしれませんが、これも秋の旬に、山々に囲まれた谷や、日のあまり射さない森で栽培したホダ木に付いたシイタケの方がどれだけ美味しいことか。
「日本の野菜は、野菜の味がする」外人さんは皆さんそう言っています。大体、これだけ耕作放棄地があって、作ろうと思えばいくらでもやれる環境にありながら、なんで施設栽培なんや。採算合えへんのはこれまでの実績で分かっているのにね。
新規就農、とかいって、何も分からん若者に夢を見させるなら、金のかからない、もっと負担の少ない援助、例えば中古のトラクターを貸し出すとか、デパートの食品売り場を紹介するとか、実際的な経営に協力する方がええで。おッと、大企業に仕事を提供するんが目的やったね。風力とおんなじや。