前ページで『金曜日』の記事を紹介した。選挙のため、ジャーナリストが悪い、共産党や、いろんな見方があったと思う。twitterでも同じ記事を流した。結果は同じで、誰も考えることはできなくなっていた。反応がないのだ。全国で、風力発電の低周波音に苦しめられている人がいるだろうに。
あるいは目に見えぬ低周波被害に不安を持つ人はいるだろう。最近ではエコキュート、エネファームの低周波被害に泣いている人が多いと聞く。なぜ誰も声を上げないんだろうか。和歌山では、有力な国会議員がいたから被害者たちは助けを求めて押し掛けたのだ。谷口さんらのような重症の人はすでに亡くなっている。
私も資料を揃えて陳情した。彼らは知らないのではない。被害者が、必死の思いで訴えた。まったく無視されたのだ。低周波音被害、風車病は、測定器を使って計ると、自然界にはない卓越した被害成分が、激しい空気振動をしていることが分かっている。被害確率は1%程度だ。ほとんどの人には何のことだか分からない。
だから「ウソつくなっ」と怒鳴られれば、ともに味方になって戦う人なんかどこにもない。しかし海外ではどうだろう。世界中で、地域の人たちが協力して「Stop wind turbines」と抗議運動を起こしている。被害感はなくとも、癌や脳梗塞の健康被害があるからだが、現実の被害をしっかりと理解しているのだ。
日本と何が違うのか。この「割れ目」は何を意味するのか、それがこのページを書いてきた理由だ。今年の夏は暑い。私は2.5haのミカン農家だから暑さに参っている。風力発電を扇風機と言い換えるプロパガンダの恐ろしさよ。彼らはすべて分かってやっているのだ。被害者がいて苦しんでいることをな。
ナチズムと同じよ。被害者は絶滅されなければならない。彼らは本気でそう思っている。この10年余、誰かが被害者を助けようなんてことがあったか? 谷口さんらの時と同じで、皆さん手を叩いて笑って喜んだのだ。「アホよら」と。これほどまでに転落した人たちに、これ以上何を訴えればよいのだろう。
ヘロドトスの『歴史』に書いてある奴隷の町と同じやで。やがて滅び消えていく。人間性が抹殺されていた。いや、彼らは自ら進んでヒツジとなって、正義など思考することもなかったのだ。政権政党が、堂々と低周波被害を否定する。低周波被害に苦しむ者を否定する。精神疾患のものだと言う。
「あの人はウソを搗いている」と宣伝する。「選択」を拒否する人たちがバカ正直に投票する。被害者ですら、加害者でも、負けたのは君たちなんだよ。勝ったのは誰なんだろうか。ずっと前、谷口愛子さんから私の追放が告げられた時、「あんたらの勝ちやな」と私は告げた。「何に勝ったんよ?」と私に聞く。
「由良守生に勝ったんや。アンタらの天下やな」被害者たちが次々と死んでいく中で、彼らには判断も選択も思考もなかった。人ではなかった。もう既に死んでいた。今、その事実を言葉にするのは私だけになっている。伊豆でも伊方でもそうでしょ。その他の被害地でもな。我家は南朝方の残党でね。
しつこく今まで生き延びてきた。やっと自分が何者なのか分かったよ。