この本を読んでみた。

ガチンコの原発信者の本だから、初めから、それは違うだろうと思いながら読んでみた。私も原発に関係していたからね。関係者たちの気持ちが分かるのさ。被爆とか、構内事故とか、作業員の誤解とか、これまで散々あった不祥事のことには何も触れない。仕事でやってるんだから、それは当り前の心構えなんだろう。私もそうだった。

福島で被爆した人や、各地に避難した人がこの本を読めばどう思うんだろうね。それを思えば「あほか」としか思えない技術屋論理であった。私がこの本を読んだ目的は、途中に書いてある再エネの実態論だ。私は健康被害があるから、そして被害者を虐待して喜ぶ行政や人々の残虐さを訴えている。

同じ被害に合いながら、海外とは真逆の対応をする日本人の姿を嘆いている。この本は、純粋に電源としての再エネは有効か? と判断したことだ。10年程前からこんなことは常識になっているから、特に珍しい記事ではない。風力や太陽光は、増やせば増やすほどCO₂の排出が多くなっている。

安定した偏西風に恵まれたヨーロッパでさえそうなのだから、日本ではなおさら破綻することは分かり切っていたはずだ。30年も前に全国調査して、日本には風車を回すだけの風なんかどこにもないことは周知の事実だったのだ。天気図にある風速の通りだよ。「蟻地獄の罠」そんな言葉で結論している。私も技術屋だから彼の指摘の正しさが分かる。

ではなんで全国に風力発電が建設されているのか。これだけの被害者を出して虐待してまで、何のために電力系統に有害な風力発電を加えるのか。北海道のブラックアウトでは、風力発電が引き金を引いたではないか。ゴミ電気では済まない事態に来ているのだ。

由良町のような田舎の町だけでなく、国政レベルで、政治も行政も風力発電を絶賛して推進している。被害者のことなどどこにもない。さらに風車が役に立っているとか、有効か、なんて議論もどこにもない。魔法にかかったように、再エネ、再エネの掛け声になっているのだ。

この本にあるように、CO₂の排出が増えているとか、発電能力に疑問があるとか、基本となる考えがスッポリと抜け落ちている。なぜな。やはり初めの時に戻って、「社会が破壊されるんやで」「あんたは引きはがされるんやで」と言ってくれたジャーナリストたちの言葉が身に浸みる。

原発には反対だ。風力発電はもっと悪い。その上でこの本を読んでみると、得るものは多々あると思ったのだ。再エネ信者の環境運動家たちよ、もう再エネは止めようやないか。日本が破壊されているんやで。