風力発電被害に違和感はないか。

日本の全国各地に風力発電が建設されているから、風力被害とは何か? 説明する必要もないぐらいに分かっていると思う。ところが私の住む由良町で見てきたとおり、人々は「風力の被害など聞いたこともない」と言っている。初めは、東伊豆町に電話した時に【被害を訴える人はいません】と言っていた。じゃぁ、あの被害報告書は何なんだ! と不思議な、言葉にできない魔法を感じたものだよ。それがいつしか由良町でも現実のものになっていた。

ジャーナリストたちが我家に来た時にも、各地の風力被害を視察してきて、なんかヘン❓ と伝えていた。h24年の事だ。その地域の自称反対運動の人たちから叩き出されたとか、低周波被害者の会の窪田泰氏も同じこと言っていた。「ウソつきばかりだ」とな。せっかく被害原因である卓越した低周波音を測っても、分析図にして示しても、誰も関心を向けないし、せせら笑っている。

死に至る病、風車病の恐怖に慄いているのかと思いきや、被害地の人でさえ拒否して怒りの感情をぶつけられていた。谷口愛子さんの手記を見ると、その経緯が見て取れる。死んでも笑いものにされていた。ウソをついていた、と言われている。私に対しても「アイちゃんに騙されていたんやで」という。コテンパンやな。人は、こんなにも思想統一されるし、一般論になって疑うこともない。

r6年の今でさえ、たくさんの風力被害者が由良町内で苦しんでいるだろうにな。被害者でさえ、その苦しみを言葉にすることはない。私一人だけになっている。h24年の最初からそうだったけどな。だからジャーナリストたちは、各地で見た風力被害の様子を、地域対策の現実を私に伝えたのだ。私も何度か、各地の風力被害者に電話したことがある。キサマを訴えてやる、とか、低周波を測っても意味はない、とか、無茶苦茶な罵り言葉を聞かされた。

狂ってるなぁ、と窪田泰さんと話したものだよ。東伊豆町は有名だから、その事を知っている人は多いでしょ。山口とか愛知とか、全国に風力被害者と、それを取り巻く社会がある。秋田や山形は動物園みたいだよ。もはや人感覚じゃない。カエルにションベン、屁の河童。アッ、それ、由良町の事でした。水俣とか福島でもそうだからね。あれだけの大災害を経験しても、公害の意味が分からない。

被害を訴える人がいないのか、タダのガス抜きなのか、もし、まだ人間としての意志が残っていたなら、「苦しいから止めてくれ」と言うだろうにな。弾圧に対してだよ。社会的な弾圧の酷さはこれまで見たとおりだ。私は、何度も被害者が泣き叫ぶのを見たし、死に際の断末魔を見てきた。由良町の人は特別なのか。水俣や福島は特別なことで有名だ。

とても人の住むとこじゃない。秋田や山形の人々の喜びようを見ても、同じ人間だとは思えない。見ざる、聞かざる、言わざる、これが生きていく術なのか。我家のミカン畑にある庚申塚にはしっかりとその像が刻まれている。基部に三匹のサルが見えるだろう。室町時代のものだという。熊野街道沿いでな、そばには道標の石塔がある。60年前迄は岩の上に祭られていた。

車道の拡張でここに移された。佛さんの家屋は私が寄進した。15万円。元の古い祠の方が、白木を使って高価なものだった。祠の中には賽銭が一升桝に一杯あった。今は庚申講は無くなっている。近所の人が集まって観音経を唱えることもない。石像の意味すら分からないだろう。全国にこれと同じ石像が祭られている。地域支配、思想統一のシンボルやね。地域の人がみんなで、という社会政策だったことが分かる。今の社会に必要はない。

各地の寺だって、次々に消えていく。小さな道祖神みたいな祠なんて、人々の感覚から消えている。素朴な信仰心なんて、遠い昔の物語か。心の問題なんてないんだよ。憎しみだけ。アホよら、という。私はもともと小心者で、自分を主張するのが苦手な性格だった。風力の被害に関しては、青天の霹靂、天災、戦争みたいなもんだと思っている。やるだけはやった。随分と叩かれたからね、やられっぱなしではイカンやろ。

その反抗心は、誰にでもあって、人間らしさが見える瞬間だよ。世界中の風力反対デモを見て見なよ。日本人はこんなにも違うんやで。「protest wind farm」「kein windpark」「non aux éoliennes」、スペイン語でもポルトガル語でもよい。世界の各地で同じ抗議デモが引き起こされている。同じ被害なんだよ。日本だけ、なんで土砂崩れなんだい? 被害を否定する学者を担いで、ワッセイ、ワッセイとやっている。

お花畑の集まりに、ファンタジーの自然エネルギーだ。被害者はいない。なんて素敵な日本でしょ。日本だけ「Stop wind turbines」の言葉がない。素晴らしいじゃないか。カネ儲けのダシ、鴨葱、アホばっかし。被害者でも、その家族でもただ笑うだけ。気持ち悪いわな。私は風力発電の低周波被害に苦しんでいる。それでもな、精神の自由さを謳歌しているつもりだ。

人々の、なんと家畜化された風景よ。吹き込まれた言葉に、考え方、薄っぺらな会話に奴隷根性を見る。やはり、どう考えてみてもアメリカやヨーロッパの風力反対デモが正解やで。ヒューマニズムがある。アフリカや南米の土人ですら、風力の被害に抗議のデモ行進をしている。日本だけ鎖国主義や。封建主義やで。安政の大獄やで。江戸時代のままよ。