日本弁護士連合会が低周波音被害の疫学的調査の意見書を提出

日本弁護士連合会が、風力発電の低周波音被害について、環境省などに意見書を提出しました。由良町の被害についても取り上げられています。
水俣病の場合と同じです。意味のない基準値を設けて、さらにその測定値を誤魔化すやり方でした。
 
2013年(平成25年)12月20日  日本弁護士連合会
 
一部抜粋

最近の低周波音問題

風力発電施設(風車) 2006年頃より,風力発電施設(風車)の付近に住む住民から,不 眠,肩こり,耳鳴りなど,自律神経失調症を思わせる被害が報告される ようになった。

風力発電施設がある愛媛県伊方町,愛知県田原市,静岡 県賀茂郡東伊豆町,同郡南伊豆町,三重県青山高原,和歌山県海南市, 兵庫県南あわじ市など多くの地域で,低周波音被害が問題化した。伊方 町の2世帯(風車から210~240m離れている。)で31.5ヘルツ の低周波音が突出しており,田原市では低周波ではないが160~20 0ヘルツの突出が確認された(いずれもF特性)。

当連合会公害対策・環境保全委員会低周波騒音被害問題に関するプロ ジェクトチームは,低周波音による被害の実態を調査するため,201 1年12月10日に愛媛県西宇和郡伊方町(旧・三崎町),2012年4 月5日に和歌山県日高郡由良町を訪れ,風力発電用風車による低周波音 の被害を訴える住民から直接聞き取り調査を行った。

被害者はほぼ一様 に風力発電所の運転開始とともに健康被害が生じたと語り,運転が停止 している時は比較的症状が軽減されると説明した。被害の内容として, 不眠,だるさ,脳が揺すられる感じ,圧迫感,耳鳴り,体のだるさ,集 中力不足,首や頭が重いなどの症状がある。異口同音に,風車が止まる と体が楽になるという。

風車直近の被害者は,音ばかりではなく,風車 の影によっても気分が悪くなるという。被害者宅はいずれも風力発電施 設から200~500m程度の近距離にあり,自宅では1~3ヘルツの 超低周波音に60~70デシベル(F特性)のピークが認められたとい うことだった。

和歌山県由良町においても,2011年の終わり頃,風力発電施設の 運転開始と同時に健康被害が生じたと語っている。遠方に外出する時に は症状が軽減すること,不眠を訴えていることも各被害者に概ね共通す る。不眠やだるさ,圧迫感,耳鳴り,イライラ,肩こり等の症状もほぼ 共通に見られた。