日本弁護士会連合会意見書

ある科学者と話していて、新聞やテレビで、風力発電の被害を知らせるように出来ないものかと議論しました。
由良町では、地元2紙がまったくダメで、むしろ被害者を非難して風力発電を礼賛しています。
被害者は唾棄すべきものとしています。民度が低い。

それでは、ということで、日弁連の意見書はよくできている、と話が弾みました。しかしこの意見書は厚生省には提出されていないとか。低周波音被害者の会の代表は、「たくさんの被害者が傷害を負って病気にされている。なぜ厚生省に伝えないのか」と主張しています。

単に経済産業省、環境省だけでなく、医療に関する厚生省とも協議すべきだ、と話しました。医師が、正義感を持って、誠実に疾病(風車病)に立ち向かうべきだとも。医師は風車病をネタに薬を売って金儲けすべきではないと。

以下、授業内容です。

日本弁護士会の意見書は当然ご存知と思います: http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_131220_3.pdf
これは立派な意見書で、もっと広く知らせる価値があると思うのでブログ等で使ってはどうですか。そんなに古い時期の文書でもありません。2013年(平成25年)12月20日発表です。

一般の皆さんにこれを全部読めといっても無理かもしれないので、思いつきで1か所だけあげると、p21のまとめだけならそれほど長くないし、弁護士会の意を尽くしているよい文章だと思います:

8 まとめ
現代人は便利さを求めて機械を使いこなし,機械の中で生活することに慣れ
てきた。しかし,低周波音被害者はこの機械の音に潜んでいる低周波音に苦し
められてきた。

低周波音の被害者となる人は一部であり,社会的に孤立化して
いる。最近は,家庭電化品の弱音化で高音圧の低周波音を出すエコキュートが
増え,「環境にやさしい」という理由で風力発電施設の低周波音を出す風車が人
家の近くに設置されている。

また,家電製品の静穏化がかえって低周波音被害
を出すようになったことにも留意する必要がある。

今こそ,機械の便利さの陰で泣く低周波音被害者の声をよく聞き,低周波音
問題の実相を正確に理解し,かつ多くの被害者にとって,低周波音被害が生存
権を脅かしかねない状況になっているという事実を直視し,被害実態を的確に
把握する調査を行うべきである。

その結果を踏まえて,「手引書」と「参照値」
を撤回し,被害を十分に防止しうる新しい規制基準の策定,当面の対策をはじ
め,必要な施策をとるべきである。