小林先生からの意見です。

年に4回ある定例議会で、一般質問を利用して風力発電の低周波被害を訴えてきました。

最初は議会の録画をホームページにアップしていました。しかし由良町議会から個人情報、秘密主義、裁判闘争に訴える、と脅されてアップしていた動画を消しました。

懲罰動議が何度もあって、ひどい状態でした。何度か許可申請を出しましたが、すべて拒否されてきました。
それほどまでに風力発電の被害を公に訴えられては困る事情があるということです。私は「低周波音被害の会」などに議会の録画を送って、意見交換をしてきました。

25回、6年間の一般質問の動画を見ると、由良町で引き起こされた風力発電の低周波被害の歴史がよく分かります。この間、たくさんの被害者が苦しみながら亡くなりました。
誰がウソをついているのか、誰が悪党なのかもよく分かりました。人災でした。

できれば、この動画を一般の人にも見てもらいたいものです。普通に見れば、誰が悪党で、誰が被害者か、一目瞭然です。明らかな悪政です。

以下、小林先生からの意見です。

由良様 送っていただいたDVDを一通り見ました。言葉がよく聞き取れない部分も一部ありましたが、だいたいはわかりました。

風力発電による低周波音問題で、町長には「気象協会の測定では問題なかった」と簡単にいいのがれられていますが、もう少し素人でもわかる論理で詰めないと、今後も同様に言い逃れられるでしょう。

山田論文の大事なところは、環境省の測定法(A特性)および分析法(1/3オクターブ分析)では、有害な超低周波音は把握できないこと、および参照値が正しくないといっていることです。
だから、環境省の手法に従って計測、分析している気象協会の結果も間違っているのです。

「A特性では駄目なんだ」ということは、私も何度か紹介しているように、英国の低周波音第一人者レヴェンタールも言っていることです。
彼の言をもう一度紹介すると、「従来の典型的なA特性による迷惑評価法は、低周波音ノイズには不十分であり、規制官署を誤った結論に導いた:ミスリードした」といっています。

環境省がこの論文を知らないはずはないのに、とぼけているのです:http://www.noiseandhealth.org/text.asp?2004/6/23/59/31663

Low frequency noise and annoyance HG Leventhall

それからもう1点:FFTのことですが、FFTとは正確にはFast Fourier Transform の略称で、中身はいわゆるフーリエ変換そのものです。ただコンピュータで計算する場合、データ数を2のべき乗個にしておくと計算が速いのでそうしているのをFFTといっているだけです。

内容的に、フーリエ変換とは、時間関数である計測値(0.0001,0.0002、・・・・秒おきなどの時間関数)をそっくりそのまま周波数空間に変換したもので、何ヘルツおきに値を求めるかの選択はありますが、原理的には、いくらでも細かい周波数間隔の値を求めることができるのです。

山田氏は、このように相当細かい周波数間隔で計算しないと、低周波成分(純音)は見逃されることを指摘しているのです(とくに単色の低周波は見逃されやすい)。環境省の推奨する1/3オクターブ分析だって、純音を1/3オクターブの間にまんべんなくばらまくのだからピーク値は低く見誤ります。(1オクターブとは倍:0.8,1.6、3.2など、1/3オクターブなら0.8、1、1.25、1.6など)次のサイトとを見てください:https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/souon_11.htm

山田氏は、FFTが一番いいけれど、もう少し負けてやるなら1/12オクタ-ブ分析でも、1/3オクターブよりはましだろうといっています。また石狩では、1/3オクターブでも環境省の参照値を超えているデータもあり、由良町でも、もう一度測ってみれば参照値を超えている可能性があるかもしれませんよ。

でも、もっと大事なことは「参照値」そのものが間違っており(少数者を切り捨てる)、参照値はポーランドやオランダの規制値を超えていることを指摘する必要があります(山田の図2、図8など)。理屈を言って理解させるよりも、図で見せた方が分かってもらえるのでは?

小林