三月議会で、私が発言した内容です。

風力発電の低周波騒音被害

私が、この風力発電による低周波被害を問題として、取り上げて、これで六回目となります。最近では、町民の方が私を見かけると、風力発電の問題を取り上げてくれているんだね、と声を掛けてくれることが多くなりました。しかし、同時に、風力発電の話ばかりではないか。もっと、地域の問題を掘り下げて、しっかり議員活動をしてもらいたい、との声も聞くようになりました。

私は、寝たきりの親父と二人暮らしですから、年寄りの介護や福祉に関心がないはずがありません。ヘルパーさん、訪問看護師さん、ケアマネージャーさん、いろんな関係者の人々が連携して、年寄りが生かされ、生活しています。

一昔前のように、家族がみんなで協力して、年寄りや子供の世話をする、という時代ではなくなりつつあります。

都会でも、田舎でも、同じような社会現象に見舞われています。

さて、1月22日のサンケイ新聞に、洋上風力発電の記事が記載されていました。

三菱商事、三菱重工業、東京大学(たぶん生研)などが実証試験を計画しているそうです。

この記事には、洋上風力発電に至る理由として、陸上風力では、低周波騒音の問題などがある、と説明されています。だから洋上に、海上に、期待を持っているという記事でした。

もう一つ、今年の1月20日、発行の堺屋太一著の「維新」する覚悟、という本に、風力発電の低周波のことが書かれてあります。

堺屋太一氏は、経済企画庁長官の経歴があります。また、通産省で太陽光や風力、地熱など再生可能なエネルギーの技術を開発するプロジェクト「サンシャイン計画」の担当技術開発官を5年間、務めたと書かれてあります。

そして、彼は、自然エネルギーには関心があり、今も多くの知人や後輩から、情報を得ているんだ、ということです。

たしか今、日本維新の会の顧問をされていると思います。

堺屋太一氏の結論は、風力発電には低周波騒音という問題がある。風の強弱や天候に左右され、発電量が変わる。要するに、日本では、風力発電は、かなり使い難い技術なのだ、と記されています。

これまで、由良町の説明では、低周波はないんだ、だから被害もない、としてきました。

一般大衆紙において、東大の研究室や一流企業、大臣を務めた人が、風力発電は低周波などがあるから、別の選択に向かうのだ、と明言しています。

私は平成23年の12月議会から、一貫して、風力発電の低周波により、被害者がたくさんおられて、非常な苦しみに苛まれている事を訴えてきました。

他所のことではありません。この由良町に住む住民の人々が、今も低周波により、耳が痛い、頭が痛い、気分が悪い、辛んどい、低周波を含んだ低周波騒音がうるさくてたまらない、といった被害に苦しんでいます。

風力発電の建設に際しては、由良町と風力事業者、地区との三者で協定書が交わされています。

第2条には、低周波、電磁波等により、地区住民に苦痛を与えないこと、と明記されています。

普通に読めば、誰でも、苦痛を与えられることなど、もっての外です。

由良町に住む一般の住民には、低周波のことなど、ほとんど分らないでしょう。あえて、低周波により苦痛を与えない、としているのは、今となっては、随分と、意味のある一項であると思えてなりません。

先日、3月7日、和歌山県議会の一般質問において、藤本眞利子議員、と雑賀光夫議員の2名が、風力発電の低周波被害について質疑を行いました。

県の保健部の方では、低周波による健康被害の相談を由良町や下津町の人に実施しているそうです。

また、環境部の方では、健康異常と低周波の関係を検証できるような合理的な方法を専門家と話し合って実施すべきと答弁しています。

仁坂知事においては、風力発電について、不都合な事実、あるいはリスクがあるかもしれない、と答えています。

これから由良町でも、県が加わって、測定などの調査について検討がされるそうです。由良町として、これまでの経緯を踏まえ、被害に苦しんでいる人々の救済のために、どのような協力、対応がなされるのでしょうか。

由良町は既に、全国的に注目される風力発電低周波被害地域となっています。大変なことになっています。

是非、お答えください。

次に、インターネットなどで公開されている環境省請負業務 「平成22年度 移動発生源の低周波音等に関する検討調査業務」 報告書について、お聞きしたいと思います。

日本騒音制御工学会による報告書です。この報告書の184ページには、低周波音暴露による健康影響が出やすい人の特徴を3点あげています。

  1. 精神的疾患を有する人あるいは精神疾患の気質を有する人。
  2. 身体疾患を有する人。
  3. 強いストレスを受けている人。

私は、この報告書を見たとき、本当に驚きました。

その下の文には、プラシーボ。つまり嘘を言っているんだ。とまで書かれてあります。

私は大学の土木科を出て建設会社で働いてきました。道路や橋、河川、およそ土木構造物の設計や施工は、当時、建設省の基準ではなく、土木学会が示方書、設計指針などを出版して、業務のほとんどすべての基準としていたからです。

建築物なら建築学会。

機械設備なら機会学会。ということになっています。

環境省請負業務と銘打つからには、環境省が出資して、委託したものでしょう。

和歌山市在住の汐見文隆医師は、低周波被害と、精神病との相関はない、と断言しています。

由良町としての考え方は、どうでしょうか。

環境省委託の報告書が記すように、由良町で、風力発電の低周波で頭が痛い、耳が痛い、辛んどい、などと被害を訴える人々を精神病だとみなしますか。

あるいは、環境省委託の報告書に書いてあるから、そのような人は、保健所に指導をお願いしますか。

これまで、私たち風力発電の被害者は、他人には証明のできない苦しみに苛まれてきました。

精神的にも、イライラ感や、逃げ場のない苦しみに泣いてきたものです。本当に被害者の人たちは泣いているんですよ。

私も、その一人です。

被害のない人には、分りにくい風車病です。ついつい、ヒステリックになるのも、辛い症状の一つです。

これを見て、精神疾患だと言えますか。

風力発電の周辺地域では、たくさんの被害者が泣いています。住民を泣かせて、ナニが行政か。ナニが政治か、と私は思います。

行政とは、そこに暮らす人々が、楽しくて、豊かに生活できるようにあるものです。

お金のためとか、電気のためとか、お国のためとか、およそ見当違いであることは、誰でも知っています。

これまでの5回の一般質問では、事業者が計測したから低周波はない。関連が分からないから被害者はない、とされてきました。

しかし、下津町では、これまで8回、県の職員が低周波を測定して、測定結果が報告されています。その報告書には、風車の稼働状況との関連が見られる周波数を確認した、と測定データと共に明記されています。

畑地区では、保育所の建設計画がありますが、大人でさえ、これだけの被害をこうむって苦しんでいるのに、育ち盛りの子供に影響があるとは思いませんか。

アメリカのニーナピアポント医師は、「ウィンドタービンシンドローム」という本で、子供に深刻な影響があると警告しています。

和歌山県の環境衛生研究センターは、下津町において、風車による低周波を測定して報告しています。

由良町では、これらの事実を前にして、保育所の建設を考え直すことはありませんか。心配する方もおられると思います。

是非、お答えください。

行政は、住民を守る責任があると思います。

2013年2月7日のカナダのCBCのニュース番組で、風力発電の低周波被害のことが放送されました。

現実問題として、風力発電は低周波騒音を出す。そして被害者は、精神的な変化と睡眠の質の悪化をもたらす。現実には安全な距離などない。騒音のボリュームだけではなく、そのリズムに影響される。

健康維持には、睡眠が重要である。低周波により、耳鳴り、目まい、平衡感覚の喪失が起こる。という内容でした。

これ以上、住民を苦しめるような行政は改めてもらいたいと考えます。

質疑2

もう一つ報告したいことがあります。

去年のことですが、地域の人と世間話をしていて、「私も天井から変な音が聞こえるようになった。由良さんが議会などで言っているように、私も頭が痛くなったり、変なことになるんでしょうか」と言われたことがありました。

その人が言うには、ある日、トイレに入ったところ、ブーンとか、ウォーンとか、聞こえるようになったそうです。

私はその後、汐見先生のNA-18Aを持って、その人の居間で低周波を測定しました。

やはり、我家同様に1Hz,2Hz周辺で、50~60dbの低周波が振動しながら測定されました。

とくにまだ、頭痛とかはないそうです。不安なことだと言葉にしていました。

次は、今年になって、我家のみかん畑に、季節アルバイトとして、手伝いに来ていただいている人の話です。

「ワシは、風車の影響はないと思っていた。頭も耳も痛くはない。由良さんが何を言っているのか分らなかった。」

「しかし、最近、家に帰ると変に当たりたくなる。精神的な不安定、というのか、変にいられなくなる。腹が立つような、抑えられない気分になる」

と言うんです。

私が風車病の特徴として、イライラ感があって、いられなくなる、たまらない気分になる、ということを伝えると、

「そうや。そんな感じや」と辛い気持ちを言葉にしました。

由良町では、何人かの人が、私に、食って掛かるような言葉で、態度で、、辛くてたまらん。と訴えました。

低周波被害の苦しみに耐えて、暮らしている人々です。

由良町では、被害者は、「安心して」暮らせないものでしょうか。

耐えて、我慢して、いかねばならないものでしょうか。