黒い海

たまたまこの事件の報道を覚えていた。新聞にも詳しく記事になっていたから、積み荷が片寄って、船体が傾いていたのだと理解していたのだ。昨夜、いわき市の中根さんと話していて、ぜひ小名浜に行ってみたいな、と言ったものよ。由良港も漁師町だった。私が子供の頃はみな木製の船で漁をしていた。

漁師たちがたくさん舟に乗って、傾いた船の上で網を引いていた。だから特段、不思議な報道だとは思えなかった。ところが深読みしていくと、風力発電の低周波被害と同じパターンがいくつもの取材、会議で示されている。漁師連中は結束するからいいな、と思ったよ。それに比べて百姓のバラバラ、自己中、隷属主義のアホらしさよ。

この構図はどこでも同じらしい。役人の守秘義務と無責任主義、今では上級国民と言うんだろうか。田舎の役場職員でさえ、特権階級、高級サラリーマンだと思っているんだから、人災の根源にはそんな意識が渦巻いている。警察もな。この本に書いてあることは事実だろう。よく書けている。

ジャーナリスト特有の粘りの効いた資料に感心する。私はこれまでたくさんのジャーナリストに、「風力発電の被害」を調べて告発してくれないかと依頼してきた。すべて断られたものよ。無視。誰も返事すらくれなかった。送った私の資料はそのまま返してもくれない。

社会心理学の先生方に送った時には、学者というものはこれほどダメなのだと思い知ったよ。風力発電の低周波被害を否定する御用学者を直接見て知っているのに、今さらのように自分の甘さを見る。誰も味方はいないのだ。その点、第三者としての取材活動は、目的意識さえあればイケイケドンドンよな。

被害者ではなく、部外者ならではの機転が利く。才能の差もある。選ばれたものの特権みたいなものか。著者はまだ若い女性だからか、丁寧な取材記事の割に、目的が大きいからか、犠牲者の声が埋もれていく。たぶん当事者はとてつもない体験に人生に運命を抱いたことだろう。

乗組員の人たちは、なぜ死ななければならなかったか、と。それを業務上過失致死として終結する。なんだか違う。この違和感は何なんだということか。このパターンが、「風力発電の被害」と同じなんだよ。役人は、「低周波被害の法律はない」とせせら笑う。

有害な、卓越した被害成分が人の健康に影響していると観測してデータを見せても、笑うのだ。何がそんなに面白いんだ。同じ場面をこの著者は書く。だからこの本を読んでみたのだ。その先はない。正義はないんかい。安全保障なんかい、と締めくくる。日本の周囲には各国の潜水艦がウジャウジャしている。

由良港は潜水艦基地だからね。いつも鯨のように潮を噴き上げたりしている。子供の頃、友達連中が泳いで掴まりに行ったら、船上の自衛官にエラク怒られたと聞く。由良港ではお決まりの風景になっているのだ。どうやらこれが事件の主役になっていたという。

本当に日本の海上自衛隊の潜水艦じゃないのか? その答えはないし、事件隠ぺいのトリックばかりが覆い尽くしていた。風力発電の被害を書いてみないか。私は由良町で体験した悲惨な光景を訴えて来た。全国には、私以上にたくさんの風力被害を見た人がいる。東北や北海道では、そのすべてが隠蔽されている。

どれも酷いものさ。ウソのカラクリを知っている人もいるだろうにな。今がその最中だから、そんな悪党どもをきっちりと取材して断罪しようじゃないか。被害者の過失じゃない。精神疾患でも、障害者の症状でもない。日本だけ、何で「Stop wind turbines」(風力発電を止めろ)の言葉がないのか、それが証明している。

土砂崩れとかさ。真理操作ばかりでしょ。本当の被害を言葉という形にしようじゃないか。風力発電は詐欺やで。風力被害を訴えようぜい。