由良町の風力被害について

早く二冊目の本を書かなければ、と思いながら、考えがまとまらない。風力被害とは何だったのか、地域対策に人々はどう変わっていったのか、今、人々はどんな状態にあるのか、どうするつもりなのかが見えてはこない。私への悪口だけが度々に伝えられてくる。メッセンジャーだから、これも彼らの反応だと見る。「誰も風力の被害なんて言う人はいなかった」というのだ。

すべては私の思い違いで、みんなは本当のことを知っているんだという。10年前にも同じ言葉を聞いていた。被害者がいて苦しみ死んでいく中で、よく言うな、と感心したものであった。非情な協力者がいた。嵩にかかって私に叫びに来る人がいた。「ワシらは面白うてならんのや」という。彼らの幸せそうなことよ。それほど地域の人たちは風力被害に喜んでいたのだ。

何もなかったらさ、こんなにも舞い上がって、感情を言葉にして笑いには来ないわな。何があったんだろう、と驚くしかなかったんだよ。どうしたら人はこんなにも狂うことができるのか。仮に谷口愛子さんを例にしよう。友達や知人が多くいて、いろんな世間話を聞かされたものだ。由良駅前で居酒屋「アイ」を繁盛させただけはある。風力被害をいち早くキャッチして、畑地区の被害者を訪ねて歩く。

全国の同じ被害者と連絡を取って、各地で何が行われているのかを伝えてきた。私の最初の一般質問は、だから谷口さんの言葉で埋め尽くされた。それが次第に分断されていく。何重にもスパイ工作員に取り囲まれて、簡単な崩壊だったよ。私は梯子を外されたまま、屋根の上で一人泣くしかなくなっていた。議会、役場の弾圧はこれまで書いてきたとおりだ。1年も経たないうちに、人々は風力被害を言葉にしなくなっていた。

急に、癌になって死んでも、脳梗塞になっても、風力被害だとは結び付かない。オーストラリアの裁判所で、「風力発電は病気になる」(Pathway to disease)と判決があったと聞いても、まったく受け付けないロボットになっていた。人は、こんなにも海外の情報をシャットアウトするんやね。村だけの掟。村社会。それを指示している奴がいるだけなのに。役場や議員は冷酷にその経緯を見ている。

私は29回も一般質問で世界の風力被害を訴え続けた。由良町も同じことだからね。人々は関係ない、と言った。これが結論として今ある。由良町だけでなく、全国のどこにでもある風力運動でも同じ展開であった。日本で最初に風力被害を伝えた東伊豆町や伊方町がそうだった。h24年に私が電話して聞いたときには、由良町と同じ返事が来た。今は被害を言う人はいませんとさ。

あれだけたくさんの環境運動家が押し寄せながら、被害者を消し去ると蜘蛛の子を散らすようにして誰もいなくなっていた。これも全国で繰り返される珍現象だ。いつもの御用学者にいつもの環境運動家、そしてジャーナリストが付きまとう。スパイとしてだよ。各地の風力発電にはたくさんな賛辞を盛り込んだ記事が溢れていたじゃないか。みんなプロの物書きが地域対策としてやっているんやで。

被害者にとっては吐き気のする弾圧でしかなかったよ。これが国の方針だった。自民党、公明党政権は低周波被害は認めないという記事を雑誌に載せて吹聴する。誰も抗議しないし問題にすることもない。環境運動家たちには関心も興味もなかったのだ。彼らは風力被害者を見つけては虐待して黙らせるだけのものであった。これは事実として書いておく。エコとか自然破壊とかは健康被害には関係がない。

彼らは一切被害者を助けようなんてことはなかったのだ。タダのオチョクリよ。彼らが全国大会だと言っているのはそういう意味だ。何を言っているのか部外者には全く分からない。オウムとしてのプロパガンダだよ。自公政権の手先でしかない。被害者の否定が根底にある。結果があるから当たり前に分かるでしょ。何が許せない問題なのか。日本だけ、風力発電の低周波被害がない、なんてことは絶対にないわな。

むしろ山々に囲まれて複雑な地形に有害な低周波が木霊する。人口密度は外国よりも高くて、小鳥のサエズリ、小川のせせらぎを心地よいと感じる感性豊かな日本人なのだ。汐見文隆医師はそれを『左脳受容説』として本にまとめて配布した。日本人こそ低周波被害に敏感なのだ。この事実は日本人にもっと知られてよい。だから風力被害は、日本人ならとてつもなく苦しい音環境に置かれて苦しむのだ。

地域の人は私をあざ笑い拒絶を強めている。人のうわさも75日と言うけれど、あれからもう11年も経つ。こんな感情の維持、言葉の繰り返しも珍しい。私を見るとさ、ビクッとして凍り付く人、嫌悪に顔を歪める人、ヘッと吐き捨てる人、笑顔にあふれて喜ぶ人、様々な反応を見る。私は嫌だけど、こんな狭い小さな町でしょ。どこでも彼らに会ってしまうんだよ。私は彼らの恥部なのか。

いやいや、彼らはこれまで見てきた風力被害に喜んでいる。なんも聞こえんし、何も感じやん、と言いながら私に対する憎しみで一杯だ。私というターゲットがあって良かったじゃないか。家族や知人が苦しみながら死んだんでしょ。今も苦しみの音環境に悶えて、耳や頭に響き渡っているんでしょ。みんな分かっているんだよ。地域の支配。水俣や福島と同じやり方よ。

だから最初の頃、コラボでやりませんかと言われたんやね。第三者の方がよく見渡せたんだろう。私はすっかり当事者になっていた。日本では、なんで誰も風力被害に抗議しないんだろう。たくさんの弾圧を加えられたとしても、人間って奴はとてつもなく強い底力を発揮するもんなんだがな。ついに日本人にはそれがなかった。新しい支配者が来たら、さあどうぞ、と言って日本を明け渡すんだろう。

もうすっかりその段取りが整っている。恐ろしい地域支配を見る。