日本だけ、風力反対運動がない。

h24年の初めの頃、汐見先生や黒田街子さんに招かれて話を進めていた。蒲公英工房での対談では、動画(mrio yura)にあるように、それまでの風力計画のあらましを聞くことができた。水俣病のやり方と同じだと話すと、「コラボでやったらどうですか」と言われて腹を立てたことを覚えている。こんなに被害に苦しんでいるのに、他所のことまで手が回るかよ。

しかしその頃、水俣や福島の人と話す機会が何度もあった。わざわざ我家を訪ねて被ばく被害の酷さを伝えてくれた人までいた。あるいは、関連業者は地元住民よりも事故で儲け話になることばかりが気に障った。私もその世界で仕事をしてきたからね。福島の人たちはべつに困ってはいないよ、と言うのだった。

発電所のことが心配でしょ、とかさ、価値観の倒錯と言うのか、人によってこれほど中身が違うのかと驚いたよ。昨日のNHKドキュメンタリーでは、ブラジルの水俣病を特集していた。金の採掘に水銀を使っていて、それが原住民に深刻な被害が出ていると言うのだ。熊本の水俣病だよ。それがブラジルであっても水銀病とは言わない。「水俣病」は国際用語なのだ。

津波、とか、地震、とかさ、日本語は有名だよ。福島もそうだね。私は45年前に水俣病の記事を見て、原因はそれとして、なんだか風土病みたいやなと感じていた。悪かったら止めたらいいのに、なんだかんだ言って、被害者と称する人を見せびらかしていると思えたのだ。被害の否定。国が権力を嵩にきてそれをやる。手先となった医師や医療機関の酷さよ。

原田正純や日吉フミコのない今、あれはいったい何だったのかと思うのだ。やはり当初の思いは間違ってはいなかった。だから世界的にもそれを水俣病と言うんだろう。水俣の人にはそれが分からない。福島の人にもな。それと同じじゃないけれど、由良町では「風力の被害など聞いたこともない」と言っている。

あちこちで聞かされたから、言う方は私めがけて嘲りと、迫害の意味を込めていたことは確かだろう。谷口さんらの被害者の話をすると「関係ない」と怒りをむき出しにする。悪党そのものよな。たぶん、水俣や福島でも同じことだろう。ハリウッドの名俳優、ジョニーデップは目ざとくそれを見つけたのだ。「MINAMATA」の言葉は世界を駆け巡った。

水俣市はそれを拒否している。専制都市。道徳がない。今どきの民主国家で、こんな弾圧が許されるんや。何のために。秩序の維持かい。違うだろう、差別が必要だったのだ。士農工商非人と言う階層社会の連続よな。たまたま私は地方豪族の末裔なのでそれが見えたんだろう。地域の歴史もそれなりに聞いている。千年経っても身分差は明らかだ。

日本にはフィロゾフィPhilosophyはないのか、と思わないか。こんな私は学生時代に「哲学講座」を受講して54点、欠点にされている。担任の早川先生は私の成績表を見ながら、何かあったのかと笑っていた。クラスで私一人が欠点だった。課題も提出したしチャンと授業にも出ていたのに、その先生は私一人を見つけたのだろう。

当時は長岡技大が出来たばかりで、まだ先生が足りていなかった。他所の大学から来た出張の教官が教えていた。早川典生先生だって、6月に着任したばかりで、それまでは新潟大学の先生が水工防災を教えていたと言う。未だに何が悪かったのか分からない。これも長岡での思い出よ。とくにその先生に抗議しようとも思わなかった。相性が悪かったんだろう。

各大学でさ、哲学講座を覚えているかい。たまに知人に聞いたりしているけど、みんないい加減なことばかり言ってるで。それほどアホらしい授業だと言うことだ。当時は梅原猛の法隆寺論がベストセラーになっていた。何が梅原哲学なのか分からない。今ではそんな本を読む人はいないだろう。古田武彦の方が面白かったりしてね。

『自由からの逃走』はナチスの暴走がテーマでなんとなく今も引用している。アイヒマンの裁判ではアンナハーレントを読んだ。この辺でやっと哲学書と言うのが分かってきたように思っている。いや、哲学という言葉は誤解する。ヨーロッパ人が言うように、やはり「フィロゾフィ」と言う言葉がぴったりする。さて、日本だけ、風力発電の反対がない。

実際にはあるように見えるのだが、それは本当に反対する者を封じ込めるトリックになっている。初めから仕組まれた罠であることは、多くの人が伝えてきたとおりだ。日本だけ、なぜなんだろうと不思議でならなかったよ。日本独特の差別社会だったんやね。私が旧家のボンだったので分からなかっただけなのか。そうじゃないだろう。

添付したように世界中で当たり前のように反対運動、抗議デモが起こされている。それを日本人に見せても誰一人として反応しないのだ。「アホよら」と言って笑うだけよ。各地の環境運動家たちはみなそうして風力の手先であることに自信を深めている。「さらなる再エネの推進に向けて・」とか言ってさ、風車病に苦しむ人がいるなんて思いやりはどこにもない。

笑いものにされて終わりよ。今朝の産経記事にも再エネだと書いてある。産経は原発と再エネの広告新聞だから、どこまで行ってもカネ儲けでしかない。こんなに道徳のない新聞も珍しいわな。「Protest wind farm」と検索して見よう。世界中で風力発電が拒否されていることが分かるで。

ここは日本ですよ、と言って拒否するキミ、世界の田舎者には、これから生きていくのが大変よ。アホにされるんやで。奴隷とみなされたらもう人ではない。日本にもそんな制度があったやないか。どういうことなのか分からなければ、人間の資格はないと言うことやで。風力発電を撤去してくれ。苦しくてならないんや。