季節の変わり目に、低周波音の被害が鮮明になる。

秋が深まり空気が澄んでくる。気温が下がり乾燥しているのが分かる。柿の葉が赤く紅葉してきた。串柿用の柿も色付いてきた。早く取り込んで皮をむいて吊るさないとな。季節は駆け足で過ぎていく。あと一月余か。年とともに日が過ぎていくのが早くなった。一週間なんてあっと言う間だ。その割に作業が進まない。年取るとジレッタクなりますなぁ。世間から取り残されるはずだよ。

もうすぐ季節風が吹く。突風のような激しい風が吹き荒れる。h23年11月末に、夜の7時過ぎ、谷口さんから電話があって、「風が強くて苦しくてならない。あなたは大丈夫か」と声を詰まらせながら言ってきた。それが物語の始まりだったよ。毎年、この時期になるとその場面を思い出す。地域対策の激しい弾圧に被害者たちは消されていく。風力被害を訴える私に対する怪奇大作戦よ。

議員や役場、県や環境省、国会議員、いろんな人にぶつかっていった。我ながらよくやったと思っている。谷口さんらも抗議運動をしていたけれど、それはスパイ工作員に取り囲まれていた。仕組まれた罠に閉じ込められていたのだ。他の被害者はせいぜい役場に電話することぐらいで終わっている。そのことさえ役場は否定している。何でそんなことができるんだと私は思ったよ。人々は笑って見ているだけだった。

いや、風力発電の低周波音被害のことを書いた伊豆の資料などを見せると、人々は顔をこわばらせて逃げるようになっていた。あからさまな嫌悪の表情に顔を歪めていた。「関係ない」と。地域社会は完全にコントロールされていたのだ。私は毎日農作業をしているから、隣の百姓たちと水のやり取り、農薬のことなど情報交換している。だからいつものように世間話が通じるものだと思っていたのだ。

それが突然のように「拒否」の態度に凝り固まっていた。「アホよら」というのだ。取り付く島のないその冷酷な態度に、何があったんだろうかと思いめぐらす。田舎の百姓だから普段は語彙も少なく、限られた言葉で話している。中にはサラリーマンしていた人もいるし大学を出たのもいる。でも百姓仕事にそんな知識は役には立たない。カミキリムシが湧いたら手に取って潰して殺すしかない。

ミカンは一つ一つ手に取ってハサミで収穫するしかない。それが新しい言葉に入れ替わっていた。役場や議会で聞いた言葉が繰り返される。受け売りの言葉。「ワシらは何でも知っている」、というのだった。まるでスローガンのように、あちこちで同じ言葉を同じ順序で聞くことになる。「オーストラリアのように人の住んでいない所なら被害はないわな」とかさ。実際に検索して見たら、オーストラリアでは酷い風力被害に苦しむ人が大勢いた。

Youtube動画にも出ているから見た人もいるだろう。じゃぁ、何で周囲の百姓たちはそんな言葉を私に告げて嘲笑ったんだろうか。オーストラリアの風力被害を知って言っていたとは思えない。彼らは英語が分からない。ここで私は大きな思い違いをしていたことに気付くべきであった。我家は旧家で、昔から由良町で多大な貢献をしてきたと思っている。由良守應の業績など有名だ。だから当たり前のように信用があると誤解していたのだ。

真逆であった。彼らにとって私は憎むべきウソつきで、国の政策に反抗する犯罪者と決めつけていたのだ。私や両親が親切にしていた人もいたよ。それが何でこんなにも反旗を翻すようにして私を拒否するのか、その理由が分からなかったのだ。私の住む門前地区にも被害者がいた。すぐに「関係ない」と言うようになっていた。身代わりの速いことよ。私が問い詰めると、「それは分からんことや」と笑っていた。症状が軽かったんだろう。

今も元気に生きている。その人の卑しさだけが後に残った。畑地区の被害者のことを十分に知っていたのだから。たくさんの被害否定の言葉を聞いてきた。狭い田舎町のことだから、隅々まで情報が行き渡るのにそんなに手間はかからない。いったい誰がそのスローガンを伝えて回ったんだろうね。なぜその言葉を信じたんだろうね。ハーメルンの角笛か。催眠術の様にして人々の心は閉ざされていた。私はあちこちで「出て行けっ」と叫ばれたよ。

さすがに傷ついたものだった。あの谷口さんですら何度も私にそう言って顔を真っ赤にしていたものよ。誰にネジを巻かれたんや。被害地域の様子は、どれだけ書いても伝えきれない。被害者の数だけ物語が膨らんでいく。風力被害は頭をやられるからヘンな人になってしまう。それでも人として何か思うことがあるだろう。言葉にならない呻き声をあげて私に掴みかかってきた奴もいる。アホな奴よ。人々はそれらの死が面白くてならない。

なぜな。なんで人々はこの状態に疑問を持たないのか。「アッそれは受け付けないから」そう言って拒否した医者がいましたなあ。「キサマニ医師の資格はない。医者なんか辞めてしまえ」と汐見文隆医師は怒った。全国各地の「考える会」のパンフレットには、きれいなイラスト入りで「自然環境を守りましょう」と書いてある。風力反対と言いながら、絶対に低周波音被害者、風車病の文字はない。強力なプロパガンダよな。

言論統制。思想統一。北朝鮮かソ連か文化大革命か。参加者は皆さん「土砂崩れが心配です」と連呼する。カルトじゃないか。オウムだよそれ。恥ずかしいということを知らんのや。権力の手先になってスローガンを叫ぶようになると、人はこんなにも転落するんやね。英語やドイツ語で、他の言葉でもいいけど、「Stop wind turbines」、「Protest wind farm」、「Kein windpark」と検索して見よう。本当のことが書いてあるで。

もちろん被害を否定するページで溢れているけど、何が悪いのか理解するためには、情報のジャングルを駆け抜けるしかない。そこには、いかに日本が騙されて、金儲けのダシにされているのかが見えてくる。政治は、あの戦争の時と同じで役には立っていない。由良町の風力発電と同じで、風もないのに回っている。誰かが演出しているのだ。デモンストレーションだよ。関西電力はそのことを公開せよ。

風力発電は、回っている時と、止まっている時では40dbも差異がある。対数表示だから10000倍のエネルギー変化だ。それが2㎐の所で30dbの差異で激しく振動している。これが被害の原因だ。人の耳には聞こえない。聞こえないからこそ、被害に遭って苦しむのだ。被害感のない人でも被害に遭っていることを理解したらどうだろう。人も社会も、破壊されるんやで。