国家犯罪

汐見文隆先生と話していて、最後の頃、「これは国家犯罪なんだ」と怒りを露わにする瞬間があった。風力発電の被害だけでなく、低周波被害に苦しむ被害者がいて、それを国が隠蔽する姑息なやり方に我慢がならなかったのだ。それで低周波被害に関する冊子や本に取りまとめた書籍を何冊も出版して配っていた。今でもアマゾンなどで大量に流通している。

アメリカのNina Pierpontも同じ医師で、被害者に寄り添い力強い支援を続けている。今日の産経記事には北朝鮮の拉致の様子が、当事者の体験談としてある。恐ろしい話よ。s56~s58年、私は長岡技大にいて、柏崎や出雲崎の海岸で遊んだものだ。付近の人はとうに事件のあることを知っていて、私たちよそ者に注意してくれた。学生だからね。

その時、和歌山に帰省した時、和歌山の海岸にも「不審者を見かけたら連絡を」という看板があちこちに設置されていた。行政は全国レベルで知っていたのだ。それぞれの地域には協力者がいることも。今、国会議員だけでなく、インターネットでも、拉致被害者を誹謗弾圧するニュースが飛び交っている。個人的な思い付きで言っているのではない。宣伝工作なのだ。

日本社会は簡単に踊らされる。分断工作なのだ。同じことを日本も国内の被害者に向けて断行している。それが汐見先生の抗議の結論だった。「被害を訴えるものは精神疾患のものである」と。行政や地域の人々は徹底的に被害者を弾圧した。そして被害者が死ぬと手を叩いて笑った。彼らは笑いあって喜んだのだ。今も私にそのような話を向ける人たちがいる。

私に対する優越感からだろう。バカめ、と言いたいのだ。この人間性の心理は、なんだろう。いったいどんな魔法がかけられたら、人が死んで偉ぶるように仕立てられるのか。水俣病でも同じだろう。被害者に対するすさまじい差別があったという。由良町でもそうだ。当初の東伊豆町や南伊豆町、伊方町では、あれほどの抗議運動をしていたにもかかわらず、きれいに被害者が消し去られて誰も風力被害を言葉にしなくなっている。

その上で新しい更に巨大な風車を建て替えるのだという。反省とか、後悔とかの風はない。メガソーラーとセットになった再エネの楽園よ。環境運動家たちの成果だ。あたかも被害を心配する風を装っての破壊工作だった。「考える会」とかさ。何を考えるんだろう。由良町役場では、あれはエネルギーかなんかを考えているらしい、という話になっていた。そういう政策だったのだ。

拉致被害と風力被害を見比べると、やはり同じ国家組織による犯罪だということが分かるだろう。何のために? という目的すら薄ら寒い現実を見る。各地の偽物のエセ風力運動会よ。お決まりの御用学者や環境運動家を講師にして、今も平然と楽ちんな環境論をぶっている。そこには風車病に苦しむ被害者はない。あっても猿回しのサルにされた笑いものよ。

そんな酷いイベントをどれだけ見てきたことか。取り返しのつかない犯罪をしていることに気が付いてほしい。ホロコーストと同じ心理なんやで。