風力発電が建設される地域

原発と再エネ、風力がセットになってアピールされているので、少し勉強してみた。25ページから、この地域のことが書いてあって、40年前の出来事が蘇ってくる。私は土木科の学生で、大手企業への就職ができて、待遇も良いらしいという誘いを受けていた。日高町には親父や祖父の姉妹がいて、たくさんの親類がある。みなさん難しい顔をしていたものよ。

私は鈍感なので、地域の人々が対立するようになっていたことなど分からなかった。まだ何も被害がなかったからね。日高町の原発反対の裏舞台を聞かされるのは、8年前の風力被害に関わってからよ。親父の友人の元教諭から、いかに後日の手柄話が誤解と歪曲に満ちているのかを怒りを込めて聞かされた。

「みんなウソばっかりよ。原発に反対したという人たちの話は、半分以上は作り話やね」と言う。その上で、今回の風力反対?という、実際の被害を受けての行動にも疑問点を付けていた。「みんな欲ばかりや」というのだ。原発反対運動をしたのは本当に少ない人たちで、アカと言われて差別され続けた。共産党など最後まで何もしなかった。

最後の結果の手柄だけ自慢にしている。畑地区にもそういう人がいた。だから見えるんよ、という。そのとおりだった。谷口さんをはじめ、畑地区からは追放されていたからね。人間関係を破壊されて、私も途方に暮れていたのだ。ジャーナリストたちは、初めから引き剥がされるんやで、と教えてくれてはいた。私は、かなり激しい感情を込めた憎しみを投げかけられていた。

低周波被害というヒステリックになる独特な作用もあるだろう。しかしこんなに感情を爆発させることがあるものかと驚いていた。汐見先生があちこちでヒドイ言葉で拒否されて追放されていたことを、実際に聞いていなければ、もっとショックを受けていたことだろう。想定内、と言いたくはないが、あらかじめたくさんの人から注意され、予防接種されていたのだ。

それでも、とうとう風力発電の被害に抗議する人は誰もいなくなった。全国的にもそうなのだから、ここまでよく来たものだと感心して思う。風力発電の建設地域では、いとも簡単に社会が壊されていた。当初反対していた人たちは、すぐに亡くなってしまう。今では谷口さんの悪口をあちこちで聞くし、私なんかはどこへ行っても総スカンよ。

畑地区の人口300人の内、50人は被害があるとアンケートで答えているのに、まるで手のひらを返したように黙りこくっている。私の住む門前地区400人についても、私一人ではないだろう、かなりな人が被害を感じていると推測している。さらに風車から2㎞離れた里地区、JR由良駅より西側の地域の人も、被害の不安に恐れを抱いていることだろう。

8年前、里地区の南側の山々に風力発電が出来るという説明会の時、里地区の人々はヒステリックになって叫び声を上げていたのだから。いつの間にか風力被害者は、犠牲者としてタブーにしてしまう、無かったことにするトリックに嵌まってしまう。同調圧力という言論統制よ。ファシズムやね。この本は2011年に書かれている。

最後の方には風力発電などの再エネに対しても疑問があると書いてある。ところが、2012年に書かれた『原発のウソ』には風力や太陽光を絶賛して賛美している。何だコリャ、と呆れたものよ。完璧な人はいない、とは言うものの、こうまでして方向転換するには何か理由があるんだろう。

やはりエコ利権か。2012年、h24年と言えば、私が風力発電の被害を訴え始めた時だ。h23年には環境省の報告書に、被害を訴える者は精神疾患のもの、と書き記された時だ。晩節を汚したということだ。