先生に地球温暖化のことを聞いてみました。

さて、『地球温暖化神話』渡辺正著を読んでいて、p.209に「懐疑派バスターズは同一人物だった」とあります。
また、p.131には研究所名をあげています。研究者なのか政治家なのか、行政マンなのか、私には想像がつきません。

誰のことを指しているのか教えてほしいのです。そして、何をやったのかも知りたいのです。

生研にも、こんな人がいたんですね。大手企業、大手商社、有名大学、多額の国費、人事権、利権の渦ばかりだと思っていました。
由良守生

【You Tubeで「渡辺正、地球温暖化」と検索すると、武田邦彦や丸山茂徳といった論客が、これでもか、と言うほど地球温暖化を否定しています。

再生可能エネルギーとは何なのか。自然エネルギーの利用とは、必要なものなのか。コテンパンに否定しています。

では、環境省の報告書で低周波音被害を否定し続ける異常さは何なのか。地方行政や議員たちが被害者を弾圧して被害を隠蔽する意味は何なのか。
環境省が作り上げた異常なファシズムではないか。

堂々と、ウソと誤魔化しの「再生可能エネルギー」のアホらしさを公言しようではないか。】


由良様 せっかくのお問い合わせですが、添付資料に関することは、即答できるほどよくわかっていないので回答できません。
ですから、文面からの推測を述べることしかできません。
1) 同一人物というのはわかりませんが、おそらく政治的ロビー活動の得意な人なのではないかと思います。表向きの顔は学者かもしれませんが・・・。
こういう人物の本質は、肩書でなく、やっていることの内容で判断するしかないでしょう。

生研って、東大生産技術研究所のことですか?東大生研とは、現役時代付き合ったことがあります。

ここには優秀な研究者も多いですが、当然このとですがいい加減な人だっています。看板だけでは何もいえません。
日本で初めて宇宙ロケットを飛ばした糸川教授も生研です。

2) 地球温暖化の批判者は専門家の間にもすくなくありません、しかも一流の気象・気候学者の間にも・・・。私もやや懐疑的でした。
というのは、地球の平均気温を実測することはほとんど不可能だからです。

地球には熱帯も温帯も寒帯もあるし、時間的には日変化も季節変化もあります。
示される実測データは、ハワイの一観測所の相当昔からの気温測定データだけです(他にはそんなに長期の観測データがないので)。

それなのにどうして地球の平均気温なんてわかるのか?
その後、友人の専門家に尋ねて知ったのは、ちゃんとした観測が行われるようになってからの、多くの観測所の気温が年々どのように変化しいてきたかはわかる。それを調べると、次第に上昇していることが確認できるとのことでした。そういう気温の偏差なら確実に言えるでしょう。あとは現象的に、極地の氷床の後退とか、海水準の上昇とかを合わせてみると、温暖化は間違いないでしょう。

3) ところが、添付の新聞記事のようなことを言う人がいます。つまり人間が発生するよりずっと以前から、地球は温暖化寒冷化をくりかえしてきたのです。

それから見れば、人間活動の影響なんて微々たるものなのじゃないか?でも、私は添付の年頭所感のように考えたのです(これは前に送ったかもしれません)。

確かに人間がCO2を出しても出さなくても、地球は別の原因で、温暖化も寒冷化もするだろう。だが、人間活動の影響が、地球環境に影響を与えるぐらい巨大になってきているというのは確かだろう。だから地球自体は勝手に温暖化や寒冷化はするだろうが、それにプラスアルファはしない方がいいのではないか?COP21はそういうことだと思うのです。
ピントのずれた返事だったかもしれません。要は、肩書や看板で判断せず、面倒くさいですが、中身で判定するしかないといいたかったのです。


2017年を迎えて 私の直観的・地球科学的・世界観
小林 芳正

新年早々、トルコ(イスタンブール)で無差別銃撃テロがあり、39人が亡くなった。同日、イラクでも自爆テロがあり、ここも同じく39人が死亡した。

トルコの事件は、その乱暴な強権的政治手法に批判的に傾いていた世論を鎮静させ、エルドアン大統領には有利に働いている。

このところ、世界に意外かつ不穏な事件が多い。6月にはイギリスのEU離脱派が勝利し、11月には、大方の予想を裏切って、トランプが米国次期大統領に当選した。
そういえば、フィリッピンのドゥテルテ大統領は、麻薬犯罪者は全部殺すといって、それを実行しつつあり、大国主義的な中国に批判的な南アジア諸国の中、唯一接近しようとするように見える。

ロシアのプーチン大統領も、旧西側諸国を全部相手に回して、シリアの独裁政権を支持し、ウクライナから帝政ロシア時代から夢だった不凍港キエフを奪った。
そのプーチンは、ロシア庶民の間で絶大な人気だという。

これらの根っこはすべて1つ。人々の格差の増大が世界で進行しているためだと僕は直感する。近年、ごく少数の超富裕層と大多数の貧困層に分化が進んでいる。
たとえばアメリカでは、1%の人が70%とも80%とも言われる大きな富を保有している格差社会だといわれている。

日本を含む諸国も、まだそこまではいっていないが、放置すればそれに急速に近づくだろう。だから、多くの人々は、真面目に働いても生きていくことさえ困難で、将来に夢なんて持てない。

そういう不満やいらだちがトランプやプーチンの支持、ドゥテルテやエルドアンの容認につながるのではないか?フランスやドイツで、新右翼が進出しているのもこのためではないか?無国籍のイスラム国は、人々のこの不満に付け込んでテロ行為を扇動しているのではないか?

非常に多くの人々が、この抜け出しようのない不満から、わけのわからない行動に暴発する。誰でもいいから殺したかったとか、障害者は生きている価値がないから殺した方がいいとかいう事件が日本でも起こっている。

ちょっとマインドコントロールされれば、自爆テロの実行候補者は日本も含めて、世界中にいくらでもいるだろう。

どうしてこうなったか?経済学は素人だが、有限な地球でまだ高度成長を求める資本主義がはびこっているからだと思う。

松井孝典(惑星物理学)の説(産業革命以降の人口増加率は異常で、このまま進めば2千数百年後に人口x体重は地球の重さと等しくなる計算で、そんなことは不可能だ)に納得している。

自分で対数表を引っ張り出して計算してみたが、彼の算数的見積もりは正しかった(現在の世界人口を66億人とし、100年ごとに4倍になる計算をした)。

どうして産業革命以降の人口激増が可能だったかというと、化石燃料を掘り出してきて使ったからである。

人類は食料が得やすくなって人口が急増したが、おかげで太陽惑星系のエネルギー収支のバランスが崩れた。いま日本では夏も涼しく、冬は暖かく暮らし、真冬でも、トマトやキュウリを普通と思って食べている。

これは過去の太陽輻射を使っているからできることで、そのためCO2は地球上の植物が吸収できる以上に生産され、地球温暖化が起こっている。もうこれ以上の生産、成長は、地球上の生物の安定な存続から見ても無理なのだ。

地球はもはや無限の平面ではなく、有限の球面に過ぎないのだ!

それでもまだ高度成長を求めるのが資本である。トマ・ピケティが格差解消を唱えて大ブレークした。マルクスとは違うらしいけれど、資本は自由に任せたらどんでもないことになるといっている点では同じに見える。

もう高度成長はやめよう。みんなほどほどの暮らしに満足し、つつましく暮らせば、現在の世界人口は維持できるだろう。もし高度成長を求めれば、誰かから奪ってくるしかない。それが格差社会を生んでいる。

プーチンも、習近平も、トランプも、みんなそのことが分かっていないか、あるいはわかっているのに、知らん顔して、自分たちだけいい目を見ようとしているのだ。

安部はそのどれかに追随しておこぼれを少しでも多くもらおうとしているに過ぎない。うまくいくはずがない。

世界の多くの人々がまだ高度成長の幻想に騙され、それに期待してプーチンやトランプを支持する側に回っている。みんなの目覚めてほしい。