土地を買ってくれる理由

全国で山などの土地を買ってくれる人がいるらしい。我家にも何度となく、山林を買いますからと、営業の電話をもらっている。たまたま私はカネに困っていないから、「売る気はない」と断っている。農業で生活していくのは大変な苦労があるから、若い人はサラリーマンになって都会に出ていくようになっている。今に始まったことではない。

私の親父も若い時から東京に行きたいと言い続けていた。叔父たちが東京で活躍したからね。大学にも行きたかったらしいのだ。高度経済成長、バブル経済を経て、都会でもワーキングプア、なんぼ働いても貧乏な時代になっている。手っ取り早くカネになるなら、親に貰った山や畑を売リ払ってスッキリしたいんだろう。そこには実家の歴史も文化もない。

地域のつながりなんて、もうどこにも残ってはいない。昔の親類さえもな。由良町では21基の風力発電が山々に林立している。もっとたくさん建設されるはずだったけど、反対する人がいて、かろうじて、この辺で踏みとどまっている。メガソーラーはまだない。しかしずいぶんと耕作放棄地が目立ってきた。かつては見事な八朔を出荷していた農家の人も今は誰もいない。

得体の知れない人たちが、険悪な目で私を睨みつけるだけよ。よっぽど私の悪行を勉強したらしい。関りになったらエライことになりそうだ。20年ほど前からだろうか。みかん畑なんかには抵当にもならない、つまり資産的な価値はない、と言われていたのは。こちらが売りたいと思っていても、誰も買い手がないのだ。

そりぁ、お金を出して買ってくれるんだったら、中国だろうが北朝鮮だろうが、かまうことはない。こんな神様のような人がいるんだと大喜びするだろう。太陽パネルは20年も経てば、有害物質を含む産業廃棄物となる。処理方法は今のところ何もない。各地の産廃処理場に持って行って、埋め立てるんやろ。当然カドミウムなどの汚染水が辺りに漏れ出す。

行政は知らん顔。いや、そんなこと言えば警察に逮捕される。20年後には、誰も知っている人はいないから、外国資本だろうが、グローバル企業だろうが、問題になることはないだろう。社会の荒廃? とうにそんな光景を見ているではないか。先日、日高川の流域で風力発電を建設された地域に住む人が、被害を言葉にできないで困っているという話を聞いた。

又聞きだから、フンフン、と言っておいたが、以前から被害者が燻ぶっていることは谷口さんからも聞いている。モノ言えば唇寒し。そんなとこ早く出ていくんやね。それを皆が期待している。地方創生、地域活性化、まるでナチスドイツのプロパガンダよ。由良町では、アウシュビッツ収容所の放送と同じく、「住みよい町作りをしましょう。挨拶をしましょう」と大音量で日に何度も町内放送が繰り返される。

囚人じゃあるまいに、奴隷化されていることに誰も抗議の声はない。とうに人間性の大切さをなくしている。「やかましい。止めろ」なんて言うのは私だけになっていた。言っとくが、再エネとかの資金はすべて私たちの税金だ。私たちが奴隷にされて、せっせと闇の世界にカネが消えていく。電気でもない、カネでもない、日本という国が溶けていくのだ。