音カメラの不思議事件

3月19日(木)、たまたまBSの木曜スペシャルで「音カメラ」を特集していました。
人が話す、歌う声が、口元から零れるように水玉模様の色が付いて見える、というものでした。
さらに、音のハーモニー、響き合い、共鳴現象まで目視できる様子を報道していました。

私はさっそく開発した中部電力、熊谷組、信州大学工学部を調べてみました。
NEDO(独立行政法人 新エネルギー、産業技術、総合開発機構)の助成金事業でした。
その目的は、人の耳では聞こえない低周波音を測定し、可視化して、音の発生方向、音の大きさdb、音の高さHzを表示することでした。
開発業者のブログには、低周波音は、人に頭痛や目まい、圧迫感を与える。と被害のあることを明記しています。

また、風力発電から発する騒音を測定して、多数の水玉模様が出てくる測定結果も記載されています。
耳に聞こえない10~20Hzの超低周波音をカバーするとも書いています。
電機会社の技術屋に少し聞いてみました。フーリエ変換すると出来ることは分かっている。数学で習ったでしょう。
ただ、それぞれの波長を特定する技術的な蓄積は、ノウハウになるでしょう。ということでした。

ここに三重県の青山ウィンドファームの記事があります。
http://www.pref.mie.lg.jp/SINGI/200901012011.pdf
ここでは、風力発電を音カメラで測定したけれど、低周波音は出ていなかったよ。ということになっています。
これは由良町でも同じことでした。汐見先生のNA-18Aで測定すると、風力発電独特の波形を持った超低周波音が観測、測定されます。

しかし、日本気象協会などが測ると「ない」となる。A特性、G特性、せっかく測定した数値を低減して表示する。
水俣の有機水銀測定と同じやり方だ。もちろん由良町役場、議会は、疑う根拠はない、としている。被害を訴えると激しい圧力を加える。

音カメラの開発業者に電話した次の日に、音カメラを検索してみた。見事に消されている。
土木構造物などの劣化診断をするために開発されたことになっていた。すごいわ。
多額の税金を使って開発したものです。技術者倫理を習ったでしょう。
当初の目的のとおり、低周波音に苦しむ人たちのために、その原因を特定し、共鳴現象を明らかにして、世の中の役に立つんだという覚悟を持ちましょうよ。