風力発電の低周波被害を訴える。

h23年11月末に、谷口さんから風力被害の話があって、もう8年も経った。被害の苦しみを振り返りながら、たくさんの事件があったことを残念に思っている。

低周波公害を世に知らしめた汐見文隆医師が2016年に亡くなり、続いて前記の谷口さんも急死した。突然、つっかい棒を外された私は、何を手掛かりに風力被害を訴えていけばよいのかと難儀した。

というのも汐見医師は何冊もの著書を出版して、低周波被害とは何か、と社会問題、公害として被害メカニズムを明らかにしたカリスマ性のある偉大な人だった。

当時高価だった低周波測定器を自費で数台購入して、被害を及ぼす卓越した被害成分の有ることを発見した。

被害者と打ち合わせをして、比較的楽な時と、苦しい時の低周波分析図を比較したのだ。(1/3オクターブ分析)

図-1 我家での低周波測定図(楽な時と苦しい時の比較)

被害者宅で測定すると、音源に、決まった周波数成分が特異なピークをもって上下に振動していることが分かったのだ。たぶん世界的にも先駆者であったろうと思われる。

自然界にはない卓越した被害成分がある。人の耳には聞こえないし、感じることもない。被害者だけが敏感にその空気振動、気圧変動に反応して苦しんでいたのだ。

今では被害者の内耳の器官が、人工的な気圧変動により損傷している、とアメリカの医学者らによって研究報告がなされている(Alec N.Salt,Washington)。

聞こえる音ならば耳栓をしたりして気を付けるだろうが、人の耳には聞こえないからこそ、知らぬ内に耳の器官が傷つけられていたということだ。風車が出来たから、こんなに苦しむようになった、と被害者たちは訴えている。

それと、聞こえには、気導音と骨導音がある。人は耳だけで、聞こえる音だけで、聴覚が成り立っているわけではない。難聴で有名なエジソンやベートーベンは、晩年、歯で齧りついて音を確認したと聞いている。

「聞こえない」とされている周波数20Hz以下の超低周波音でも、聞き方によっては感じることができるのだ。

例えばLPレコードの音楽と、CDデジタル録音とを聞き比べてみると、何か違うと感じないか。

レコード針のアナログ音だ、というだけではなく、超低周波があるからコブシのある響きが、メロディをダイナミックに聞かせてくれる。

これに対してデジタル音は、あらかじめ超低周波音がカットされている。メロディは新鮮で済んでいるのだが、胸に迫る感動、迫力がないと感じないか。

もしかしたらこれは私のように低周波病になっているからかもしれない。プロの音楽家でも、アナログ音とデジタル音の違いが分からないという人は多い。

もっと言えば、ピアノでもバイオリンでも、その楽器特有の倍音を持っている。音源の指紋みたいなもので、名器といわれる楽器には、絶妙な組み合わせの倍音を発することが分かっている。機会があれば低周波測定器で測定分析図を描いてみればよい。

同じことは風力発電にもあって、アメリカの物理学誌JGRの論文には、風力発電が発する低周波は90㎞離れても、その独特な波形、倍音が確認されたことを調査報告している。(2019年3/11日付)

なお2019年3/3日付のページにはフィンランドの風力発電の被害調査記事を紹介した。なんと15㎞離れても風力発電由来の低周波で健康被害を受けているという。

人は、風車が見えないと、風車が原因の低周波で体調が悪くなるとは思いもよらないことだと報告している。

周波数1Hz周辺の卓越した被害成分は、人の耳には聞こえないし、感じることもない。その人が知らぬ間に、風車病に苦しんでいたということだ。

汐見医師の『左脳受容説』では、日本人は虫の声、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、など、ヨーロッパ人にはない日本人独特の感性があり、これが有害な低周波に敏感に反応するのだ、と解説しているけれど、そうとばかりは言えないな、と感じている。

もう一つ汐見説と議論したことは、風車は止まったら低周波を発しない、とした点だ。

実際に測ってみたら分かるが、風車は止まっていても独特なピーク群を持った低周波を発している。自由振動しているのだ。

風が吹く。内部の電子機器が動いている。原因はいろいろあるだろうが、風車は全体系で低周波発生装置となっている。中空の鉄パイプ(直径約5m、高さ100m)。橋梁の中空鋼橋桁の低周波発生メカニズムと同じようなものだろう。

また、風車が回り出すとき、そして止まるときに、被害者はえもいわれぬ苦しさに襲われる。環境の変化に生身の体が耐えられないのだ。海外でもSteven Cooperの風車と被害者との相関を調査した文献がある。(2016年4/1日付)

谷口さんの話に戻ると、h23年11月末に谷口さんから風力被害を受けて苦しんでいるから「助けてほしい」と電話があって、私がこの問題に関わることになった。

既に谷口さんは風力被害の先進地の伊豆や伊方などの被害者たちと連絡を取り合っており、風力被害に反対する運動家から関係資料を手に入れていた。

とくに東伊豆町、南伊豆町での被害報告書は詳細に低周波被害の実態を取りまとめていて、私も何度か使わせてもらった。

ところが伊豆の反対運動は1年ほどで潰されてしまう。汐見医師と窪田泰さんがh19年に被害者宅に泊まり込みで計測調査に行って、しばらくしてからのことだったらしい。被害者たちは、ほとんど転居していなくなる。

そして後に残った被害者と称する人たちは「私たちは風力発電には反対ではありません」というようになっていた。

h30年に、谷口さんと親交のあった東伊豆町の元運動家の人に聞いてみると、「今はもう風力被害をいう人はいません」ということだった。

これは伊豆でも、その他の風力被害地でも同じ状態であった。重症の被害者たちはいなくなっていた。

風力発電が稼働して、低周波被害で人々が「ワァ!」と騒ぎだす。体調が悪くていられない人は他所に転居するし、引っ越せない人は苦しみながら亡くなった。非常に苦しみながらも、じっと我慢している人もいる。しかし私のように公に訴える人はいない。

私だって、もし、町会議員でなかったら、谷口さんが選挙参謀でなかったら、ここまでの反対運動はしなかったかもしれない。

2019年10/28日のページに谷口さんが証言しているように、たくさんの被害者が苦しみながら亡くなった。私は何人かの被害者と直接手を取り合って苦しみを共有した。そして彼らは次々と亡くなった。それを切々と谷口さんは訴えた。私は、これは殺人事件だと思っている。

しかしそれを聞いても反応を示す人はほとんどいない。それどころか由良町では「関係ない」「アホよら」と言って、被害者をバカにして排除する社会になっていた。誰もが私の訴える「風力発電を止めろ」という声に反発して嫌悪していた。私は孤立していた。

r1年2月の議員選挙では総スカンで落選したから、風力被害を訴えることが、どれほど地域社会から嫌悪されて排除されることになるのか、まざまざと見ることになった。

被害者たちでさえ、皆さん背を向けて私を拒否していた。以前、h19年に汐見医師が由良町に来て、勉強会を開いたことがあった。南隣の日高町との間に風力発電が出来るという計画で、地域の人たちを集めて、低周波被害の恐ろしさを訴えるものだったと聞いている。私には知らされなかったので行けなかった。

h24年に再び、日高町との間に2回目の風力計画があった時、私はチラシを作って地域の人々に配って署名運動をした。

その時彼らは「もう風車でも何でも関係ない」」「前にエライ目にあった」という拒否反応であった。汐見医師に対する拒絶の言葉をあちこちで聞いた。強力な地域対策が行われたようだった。

それでも由良町の南側の山々に風車が建つと、わが家としてもエライことになる。なんせ北側の山々には既に21基の風車が立ち並んでいて、ひどい風車病に苦しめられている。その上に、南側、わが家の真正面に風車が建つと、北側と南側、両方から挟み撃ちになって、私はどこか他所に転居しなければならなくなる。

私は親類の多い日高町の人々に、風力反対のチラシを配って、助けてもらいたいと運動した。谷口さんたちも、いろんなチャンネルを使って反対運動を支えた。

その結果として、住民投票で風車は建たないことになった。

しかし、3回目の風力計画がいつ来るか分からない。実際、御坊市の海岸には高さ200mの巨大な風車が170基も建設する計画になっている。元々原発建設計画のあった土地柄なので、自然エネルギーならば良いではないか、という声は多い。

沿岸の漁師の人たちにチラシを配って反対する理由を説明したが、不思議に反応はない。海岸から1㎞の所に建てられるというのに、すでに思考できなくなっているらしいのだ。

私の住む由良港にも、その洋上風車群は建設される。由良町では何の反応もない。私一人が「風力発電に反対しましょう」と訴えている。地域からは村八分である。

私の書いた『風力発電の被害』には、こんなトンデモナイ惨劇をそのまま公開することになった。

2016年9月に書き終えて、谷口さんは書店で4冊購入して知人に送ったという。「私のことはもう書かないでください」それが最後の言葉であった。

先日、私を名誉棄損で訴えた人がいて、ある人の紹介で弁護士と話したところ、「あなたは谷口さんを利用している。谷口さんもさぞ迷惑だったことでしょう」「貴方だけでしょ。こんなこと言っているのは」といった発言があった。

これも私を黙らせるための作戦なのだと感じながら、どこまでも手の込んだ、何重にも被害者を取り囲んで、被害の隠ぺいをする仕組みがあることを見た。警察もその一環だった。同じ言葉を聞かされたからね。

谷口さんは小便を掛けられるなどの嫌がらせを受けて、私に怒りの言葉をぶつけてきた。私も同じように門前地区で散々な弾圧にあっているので谷口さんの悔しさがよく分かった。

以前、水俣病事件の時も、日吉フミコさんは小便を玄関にかけられ、石を投げられて怒っていた。泣いて怒ったという。どこでも被害者や、それを訴える人に対する弾圧は同じものらしい。

風力発電の低周波で、これでもかと苦しめられて、なお、その上に弾圧、迫害という人災を加える。私も由良町議会で29回の一般質問で風力被害を訴えたから、その凄まじい弾圧がよく分かる。

私は谷口さんから多くの被害情報を教えられていたが、並行して、親父の知人たちからも同じ話を聞かされていた。残念ながら、その人たちはほとんど亡くなっている。

私はいま60歳だが、同級生たちはまったく「知らない」「関係ない」と言っている。何があったんだろうか?

人が苦しい、助けてくれ、と訴えている。そして次々と亡くなっている。なんで逃げるようにしてタブーにするのか。

風車病の重症者の確率は、大体100人に一人か三人くらいだと言われている。畑地区だと特殊な狭い地形もあって5~6人だろう。

被害を感じている人は、畑地区だけでアンケート調査により50人余りいる。その人たちを集めて、集団で勉強会をして黙らせているのだ。(2019年2/7日付の録音)

その中で谷口さんはやはり被害を受けて死んでいる人がいる、と訴えている。集団心理でその被害はかき消されている。主催者は、すべてを知ったうえで隠蔽工作をしていることが分かる。もちろんスパイ、工作員がいて、それぞれの被害者を騙している。同調圧力がある。

たぶん、これは全国の被害地で同じような隠ぺい工作が行われているのだ。主催者自身がその中で語っている。

『Wind Turbine Syndrome』という風力被害を訴えた本がある。2009年の出版だから汐見医師と同じころだろう。私のブログに第一章の翻訳があるのでぜひ見てほしい。その中で、世界中の風力被害者が連絡を取り合って、苦しんでいることを書いてある。私にとっても他人ごとではない。

ドイツのDie Welt誌(2015.3/2)にはドイツ内で数多くの風力反対運動が起こっていることを報告している。

今、ドイツ語で「Kein windpark」と検索すると、どっさりと風力被害を訴える抗議運動があることが分かる。

日本では「ドイツに習え」「ドイツでは上手くいっている」などと宣伝しているが、実際は風力被害にあえいでいたのだ。

風力被害だけではなく、経済的にも風力発電は破綻していることをDER SPIEGEL誌(2019.5/4)では伝えている。

それどころか風力発電は何の役にも立っていない、と大規模な抗議運動がある(2019.10/5日付)。

どうも日本の行政の主張していることとは違うようだ。

海外には風力被害に関する知見はない、という主張も、それは真逆で、どっさりと風力被害の調査報告書が公開されている。Salt論文など医学論文もある。

そしてドイツでもフランスでもアメリカでも、Stop wind turbines ! と言って抗議しているのだ。

日本には風力反対運動らしきものはあっても、誰も「風力発電を止めろ」という人はいない。私一人が、被害者たちから依頼を受けて抗議してきた。

ここにも何かトリックがある。日本の環境運動の闇だ。

金曜誌2013.3.22(936号)の記事にも、最後に環境運動家の記事があって、「原発と比べて問題の大きさを間違えてはいけない」と断言している。

先ほどの紹介された弁護士も同じように「原発事故を思えば、風力被害など取るに足りないでしょう」とあざ笑っていた。

今、日本の新聞記事などによると、日本の国策として、原発と再エネを推進する方向を目指している。どちらも電源の20~30%にしたいのだとか。

これまで反原発だと言っていた人が、再エネに期待しているんだろうか。

地球温暖化防止、CO₂削減というスローガンがあって、彼らと話していると、何度となく同じ言葉が繰り返される。

このままでは灼熱地獄になって、人の住めない地球になると。国連でもそんな話があった。

インドネシアやブラジルでは、大量にジャングルを焼き払って、牧場やトウモロコシ畑にしているのに。

日本のCO₂排出量は世界の3%もないというのに。

つまり狐に憑かれたように再エネ、風力発電の必要を繰り返していたのだ。

そしてドイツと同じように、日本でも、風力発電は電源として役に立っているのか? という疑問がある。

石油や石炭の使用量が減ったのか、ということだ。

ドイツなら周辺国と電気のやり取りができる。安い石炭を大量に使うこともできる。日本にはそんな環境はない。まったく風任せ、なのだ。

電気というものは、必要な時に、必要なだけ送電する、という原則がある。今、風がないから送れない、では通用する話ではない。

風があって、過剰に発電したから溜めておくことも現実には無理だろう。

意地の悪い見方だが、安い一般の電気で風車を回して、固定価格買い取り制度の高い電気で売電しているという人もいる。何のための再エネなんだろうか。

環境省の報告書を見ると、毎年、延々と風力発電の低周波被害を否定している。

h23年3月の報告書ではp.184に「苦情者は精神疾患の人だ」という記述がある。

最近では、内耳の器官に先天的に疾患がある人だ、と書いている学者がいる。

つまり風車病を訴える人は、もともと自分の病気で苦しんでいるのであって、その人の責任だ、というのだ。ヒドイ対応よ。

風力発電が出来たから、低周波被害で苦しむことになりました。日本でもヨーロッパでも、アメリカでも同じです。日本の環境運動家が言うように更年期障害でもありません。

風力被害者を黙らせる仕組みにされていたのだ。

全国の「考える会」という組織も被害の隠ぺいに関わる役割をしてきた。海外なら率直に「Stop!」止めろ、でしょう。

日本語で「考える」という意味を思い浮かべてみてほしい。

「何もしない」「時間をくれますか」という逃げ口上があるでしょう。ここに思索という意味合いはない。

人が被害を受けて苦しんでいる。何を「考える」んですか?

「止めろ!」以外の言葉はないはずです。

また「考える会」では御用学者を招いて風力発電の低周波被害を解説している。あたかも風力被害を心配する風を装いながら、あくまで「風車騒音」であり、低周波被害ではない。問題のすり替えをして、騒音基準という枠の中で議論しているのだ。

ここでは周波数20Hz以下の聞こえない音は人には影響しないと言っている。A特性、G特性といって聞こえる感度に応じた低減補正をしている。あるいはH理論だと言って、同じような低減補正を名を変えて誤魔化す人もいる。

彼らのグラフには20Hz以下の記述はない。

本当は20Hz以下に、いくつもの特異なピークを持った被害成分があって、この挙動こそが低周波病の原因なのだ。

海外の論文にも、この卓越した被害成分を見落としてはならないと主張している。(2016.3/4日付へニング・ミュラー)

図-2に、任意に細かく周波数を刻んだ高速フーリエ変換による分析図を示す。倍音、高調波が見られる。単に山あり谷あり、のグラフではなく、2Hzの所で音圧30dbもの差異で上下に振動している。対数表示なので1000倍のエネルギー変化が繰り返されている。

この気圧変動に耐えられない人が風車病になって苦しむことになると考えている。

図-2 周波数を細かく刻んだ高速フーリエ変換による分析図

騒音被害ではなく、低周波被害であることを知っていただきたい。

いつの間にか「風車騒音」という言葉のすり替えが行われている。

また風車病の原因は気圧変動なので、もしバックグラウンドノイズ、暗騒音が低ければ、風車の発する有害な低周波が卓越することになる。田舎は静かですから、音圧5dbくらいでしょう。ここに風車の30dbの気圧変動が加わったら、間違いなく1000倍のエネルギー変化、気圧変動が繰り返される。

都会ですと、常に60dbくらいの騒音がありますから、空気がかき混ぜられて感覚として分からなくなっているだけです。都会の雑踏では、被害成分は卓越しない。

最近、エコキュート、エネファームといった給湯器によって低周波病になったという話を聞いている。風車に比べると音源がとても小さく、音圧も大したことないと思うのですが、都会ですら、夜、明け方、静かになった時間帯に被害成分が卓越して低周波病に苦しむことになるようだ。

図-3には風車、エネファーム、重機などによる低周波被害の分布図を示す。

図-3原因別の低周波被害の分布図

参照値のラインは、遥か右上の方にありますから感覚閾値とともに、いかに低周波病とはかけ離れた目安であるか分かるでしょう。それは基準値でも規制値でもなく、単なる被害者を黙らせるための悪魔のラインでした。だいたい、20Hz以下はありませんからね。

低周波被害と、参照値、感覚閾値はまったく関係なかったのです。

人には聞こえない音で、内耳の器官が損傷して有害な特異なピークをもった人工の低周波音に反応して苦しむことになった。これが低周波病です。

ですから感じるか感じないか、と健康な人を集めて室内実験をして得たデータとは、意味が違うのです。

自宅にいてリラックスしている時、副交感神経優位の時と、実験している時の緊張した状態では、条件が全く違っているのです。地域社会には年寄りもいるし病気の人もいる。体の弱い人が被害を受けた。

かといって大半の人は被害感覚なしに生活していますから、少数の被害者は割を食うことになります。

汐見先生や海外の文献では、被害感覚のない人でも20~30%の割合で、何らかの影響を受けているだろうと記している。

実際、私が由良町で見ていると、まったく被害などないと言っている人が、過激に感情をあらわにしたり、脳溢血で倒れたりすることがあった。

循環器系、脳溢血や心筋梗塞とか、知らぬ間にストレスにさらされていると思う。谷口さんのようにガンにやられていて苦しむ人もいました。

伊豆の報告書にもありましたが、「性格の変化」という本人も知らないうちに精神的に苦しむこともあります。

何人かのジャーナリストや運動家が由良町に来た時、「すっかり出来上がっているな」「それぞれに、なんか緊張感というか警戒している」と風力被害地独特の空気になっていることを話してくれました。

低周波被害者の会の窪田泰さんは、「地震や雷の時、危険を知らせる低周波が発せられて、怖い思いをしたことがあるだろう、あれと同じ現象だ」と説明した。

つまり特異なピークを持った超低周波の空気振動は人に緊張感を抱かせる。

地震や雷は一瞬の出来事だが、風力発電は継続して有害な空気振動が繰り返される。その結果としてストレスが蓄積されることになる。

オーストラリア行政訴訟裁判所AATは風車が発する低周波音は病気への道(Pathway to disease)と宣言した。(2018.3/18、3/26日付)

スイッチを切れば苦しみがなくなるわけではない。

実際はボタン一つで風車は止められるのだが、日本では誰もその言葉を言わない(ように仕組まれている)。

海外では普通に、当たり前に「風力発電を止めろ」と地域の人たちが一緒になって抗議しているのに。

この辺に風力発電を擁護して、風力被害者を黙らせる仕掛けがあるのだ。

日弁連は再エネを大幅に増やせと経産省などに意見書を提出している。気候ネットというNGOを作って、企業献金を受けて文科省とともに再エネを推進している。弁護士が風力被害者を否定する理由だ。

医師も風力被害を受け付けることはない。生前、汐見医師は「キサマに医師の資格はない。医者なんか辞めてしまえ」と怒っていた。

町の定期検診で、風車病の苦しさを問診で訴えても無視されている。私は数年定期健診で訴えたが、今はもう行かないようにしている。組織的な被害の隠ぺい工作だった。

谷口さんは睡眠剤で薬漬けになっているんよ、と苦しさを訴えた。

環境運動家たちは、私にも何度となく薬を飲めば少しは楽になるから飲んでみたらどうか、としつこく言ってきた。これも黙らせるための作戦だった。

由良町内では21基の風力発電のふもとに、たくさんの風力被害者がいて、被害症状を医院で訴えている。そして薬漬けにされているのだ。カネ儲けのネタにされていた。

被害者は夜、ワンワンッと鳴り響く自宅にいられなくなるから、表に停めた軽トラで朝までの時間を過ごすという。寝るのではない。体を休めるのだ。家の周囲を当てもなく散歩するという。谷口さんは畑地区から門前地区まで歩いたと言った。あるいはJR由良駅の近くの友人宅の横に車を止めて、朝まで過ごした。冬場なら、霜の降りる冷たい夜はさぞ辛かったと思う。

被害者たちは、それぞれに地獄を覗き見る思いで死んでいったのだ。中には私に泣いて掴みかかってきた人がいた。それを地域の人や環境運動家たちは、大げさな物言いをする、とあざ笑った。

議会や役場職員による拒絶もすさまじかった。2018.1/20、1/22日付に事後説明会で被害を訴える声があるので聞いてほしい。

彼らは被害者がいて苦しんでいるという事実を拒否しているのだ。それどころか汚い言葉で弾圧を繰り返した。人が、なんでここまで残酷になれるのか、恐ろしいではないか。

海外では、地域の人たちが協力して「Stop wind turbines!」と訴えている。学者も参加して風力発電の健康被害を調査報告している。

日本にはそれが全くない。h24年の当初から風力被害を訴えるのは私一人で、まったく孤立することになっていた。

谷口さんらもそれぞれ社会から引き裂かれて、いいように操られていたと思う。地域社会は崩壊していた。いや、被害を隠ぺいして、被害者を否定するという強力な地域対策で、被害者は取り囲まれて黙らされていた。

h24年2月の当初、事後説明会であれだけ怒りをあらわにしていた谷口さんだが、すぐに「私たちは風力発電には反対ではありません」と言うようになっていた。ところが2016年に亡くなる1週間前には、風力被害の恐ろしさを切々と語っている。

それも風車は一度建つと止められない、と騙された言葉を言わされている。

全国の「考える会」とは被害者を黙らせる仕組みでした。私たち被害者は、発電効率が悪いから抗議しているわけではない。

海岸や洋上に風車を建設してくれ、と言っているのでもない。

低周波病、風車病で苦しんでいるから「止めてくれ」「建設しないでくれ」と必死になって抗議しているのだ。

文字通り、深刻な被害者たちは死んでいった。

行政や議員たち、人々は「因果関係はない。あれはガンだった。心筋梗塞だった」と笑いながら風力被害を否定する。

体が弱っているからこそ、被害者たちは、さらに低周波被害を受けて苦しむことになったのだ。誰が好き好んで、朝まで軽トラの座席でジッと苦しい時間を過ごすと思っているのか。そんなに被害者の苦しみを笑いものにしたいのかと思う。

由良町は人口6千人もいない小さな谷あいの町です。誰もが顔見知りのような、世間の狭い田舎社会です。だから本人が被害を隠しても、目ざとい隣人は「あの人は悪いらしい」と噂にされてしまう。「考える会」という隠ぺい組織を作って、被害者を閉じ込めてしまう。協力金の分配もあったらしい。

私は風車から1.2㎞離れた所に暮らしている。わが家のミカン畑2haはもっと風車の近くにある。低周波がきつくて仕事にならない。

かつて畑地区の被害者も同じ苦しさを言って「行けない畑がある、あそこへ行って鼻血が出た、怖ろしくなって帰ってきた」と話した。

百姓同士だから何でも分かりあえたと私は考えていた。地域対策という業務として、徹底してやられると、そんな人間関係など「アッ」という間に壊れていた。

前述の谷口さんでさえ、私が訪ねていくと「出ていけっ」と叫ぶようになっていた。人間関係ほど脆くて不安定なものはなかった。付け入るスキは、誰にでも、どこにでもあるんだろう。

谷口さんの場合、11人の人が次から次へと私の悪口を告げに来たという。それも古くからの友人ばかりだと言う。私が谷口さんのことを「キチガイになっている」とあちこちで言いふらしている、というものだった。

同時に、私にも谷口さんの悪い話を告げにくる人がいた。共通の知人だった。谷口さんとはとても仲の良い友人だと思っていたのに。

誰かがストーリィを作って人々を操っていると思っている。それが一人や二人ではなく、地域の人がそれぞれに役割を演じている。厳しく罵倒する者もいれば、優しく受け止めてくれる人もいる。

「私にはいつも親切にしてくれる人がいるんや。由良さんには関係のない事や」と谷口さんは漏らしたことがあった。それが誰なのか、最後まで教えてくれることはなかった。

谷口さんはインターネットをしなかった。ところが私のブログはいつも内容を見ていて、「あれは失礼だから消してくれ」と怒ってくることもあった。先に書いた私を名誉棄損で訴えた人もそうでしょう。彼らを操っている人がいた。

それは畑地区だけではなく、私の住む門前地区でも同じことだった。いや、由良町全体で、被害を訴える私を排除するように人々の判断はコントロールされていた。総スカンの中で選挙運動することは大変なことだった。そして現実に、畑地区でも門前地区でも、私に入れてくれた人はほとんどいなかった。

被害者さえも、なんで被害を訴える私を拒否するのかと驚いた。世間体で、表面上はそう見せていても、選挙ではどうだろうと期待していた部分もあったが、全くダメだった。洗脳とか圧力とかではなく、彼ら被害者ははっきりと「関係ない」と宣言した。

裏切りかどうか、さすがに私は感動した。

風力発電の低周波被害で苦しみながら亡くなる、その現実を彼らは見て語り合っている。それでも彼らは、まさか自分が死ぬことになるとは決して思わないのだ。そのような話をすることはあったけれど、最後まで他人事として、それよりも地域の一員として、社会人として、仲間として平穏に暮らす方を採ったのだ。

私のように被害症状を訴えて「風力発電を止めましょう」というような反社会的な異分子などもっての外だったのだ。

谷口さんがあれほど被害を訴えて亡くなっても、誰も抗議一つしない。家族の方も何も言わない。実は私の家族も同じことになっている。私は一人暮らしなので、姉妹や親類になるわけだが、私の抗議運動が全く理解できないのだ。谷口さんもそのように言って、ひどいケンカになったことを何度か話してくれた。

日本の新聞やテレビはまったく風力被害を伝えない。情報を遮断して、自然エネルギーだと、いいように国民を操っている。海外では、抗議運動、反対運動をメディアが取り上げている。新聞記事になっている。

日本は180度、正反対の言論統制だ。かつてあの戦争の時も「お国のために」と言って若い人を兵隊にして戦場に送って死なせてきた。特攻と言って、美談にしてまで自爆攻撃を続けていた。あのプロパガンダと同じことが行われている。

自然エネルギーだ、風力発電だと言って、それが地球温暖化防止、

CO₂削減に役に立っているのか? 誰にも分からない。

多額の費用を投入して、これまで17年間に80兆円の再エネ資金を費やしたとされている。何か成果があったのか? 誰も検証する者はいない。大本営発表のいつものホラ話になっている。けれども誰も反論して、逆らう人がいない。

風力発電の低周波被害を受けて、苦しんで亡くなった谷口さんたちの話はウソではない。ウソをついているのは環境省や行政の人たちだ。

また全国に風力発電の建設に反対する、というようなグループが多くあるが、彼らでさえ、決して「風力発電を止めろ」とは言わない。どこかで行政の政策と繋がっている。

問題意識のすり替えが常に行われている。エネルギー問題、景観の破壊、騒音とか。本当は低周波被害、健康被害が問題の核心だ。そのことをはぐらかしている。

風車病になって苦しんでいる人が全国にいる。その人たちにも人権があって、普通に健康に生きていく権利があるはずだ。

それを「被害はない」と決めつけて、弾圧して黙らせるやり方は、とても民主主義ではない。

たぶん電源として何の役にも立っていない風力発電には、多額の補助金があるので、エコ利権だけが、カネ儲けだけが目的となっている。全国の風力被害地は、カネ儲けのダシにされている。

地域活性化、町の発展と言いながら、とんでもない悪政に人々を苦しめている現実を理解してほしい。宣伝によって分からなくされているのだ。人々の心が荒廃している。

本当の意味での風力発電反対運動、抗議運動を日本でも始めようではないか。EPAW(European Platform Against Windfarms)など、海外ではとうに激しい抗議運動になっている。