レーザードップラー振動計

新しいタイプの低周波音測定器が開発されたようなので紹介します。これまでは気圧変化をセンサーで読み取り、フーリエ変換して周波数分析をしていました。私はこれで十分に被害成分の特定に役立ってきたと思います。

しかしスウェーデンの医学誌にあったように、0.2~0.3Hzの気圧変動に、人間の脳が極めてよく反応する、などの記事を見ると、やはりその部分の詳細な測定も必要なんだろう、とも思います。

今や風力発電の発する有害な低周波音は、関係者なら誰でも知っています。需要に応えての開発だろうと思います。解析プログラムも必要でしょう。

以下、小林先生の解説です。

初めて聞く話です。ですが、説明文を読むとおよそ見当がつきます。この種の振動計がこれまでもあったものか、またこの種の研究が低周波音分野でどれぐらい行われてきたのか知りませんが、発生源、例えば風車の翼に振動計を固定して、その運動(もちろん低周波の)を検知していたのだと思います。

しかし、そのような振動計を発生源(翼)に固定すると、発生源(この場合、風車の翼)自身の性質が(重量や剛性)が変化して変化してしまうため、もともとの翼の運動状況の把握が出来なくなります。そこで、このレーザードップラー振動計が登場します。

この場合も、発生源の運動を測るため、発生源に物を貼り付けますが、それは従来の振動計自身を固定するのに比べて、無視できるぐらい軽量なレーザー反射鏡を貼り付けるだけなので、発生源の性質に与える変化は極小にとどめられます。

どうやって発生源の運動を計測するかのか、詳細はわかりませんが、こちらから送り込んだレーザー光と、低周波発生源に貼り付けられた、レーザー反射鏡から戻ってきたレーザー光との反射波を干渉させて、その干渉の変化から、発生源の運動を検出するものと思われます。

ちなみに「レーザー光」とは、指向性、収束性に優れた電磁波で、波長を一定に保つことが出来るものですから、波の一種と考えられるので、投射波と反射波の干渉から,発射源と反射鏡点間の距離の変化がわかります。

どの程度の装置が必要か、具体的には知りませんが、必要なものは、レーザー光発生源、対象に貼り付けるレーザー光反射鏡、投射波と反射波の干渉を計測する装置が必要で、ハイテクですが、割と小型にできるのではないでしょうか?