「由良さん、これ、何なんや?」

「由良さん、これ、何なんや?」
谷口さんは最後まで私に同じ言葉をぶつけてきた。h.23年11月末に電話してきてからh.26年10月に亡くなるまで、理不尽な被害に抵抗して怒りまくっていた。私はすぐに排除されて、拒絶されていたのに、何が私を結び付けていたのか、今もたくさんの理由を探している。
窪田泰さんも谷口さんとエラク喧嘩していたことを知っている。しょせん田舎の百姓のオバチャンでしかなかったけれど、たくさんの人との交流を築いていた。ご自分でも思わぬ人脈に感心していたようだった。私から見れば、誤解、錯覚でしかないのに、と思うような人もたくさんいた。逆に、谷口さんが私を見て、そう思われることもあったと思う。

「私たちを利用している」「私たちをバカにしている」と。しかし最後まで私を「町会議員の由良さんとの線は残しておかないといけない」と主張していたことは何度も聞いていました。何も分からない中で苦しかったのだ。実は、谷口さんの問いは、私の疑問でもあった。たぶん、皆さんも同じ疑問を持っていると思う。

私は一つの手がかりとして、昭和50年代の香芝高架橋の低周波公害の裁判を考えています。当時、経済設計ということでできるだけ安く、早く鋼桁橋を建設することになっていました。田中角栄の日本列島改造論の時代です。ところが鋼桁というものは振動するんですね。鋼桁は伸び縮みするから可動式ジョイントになっています。鋼桁が振動すると空気振動が起こる。大体、波長16Hz辺りに大きなピークを持った低周波が沿線を襲う。

騒音対策もなく、これ以降、防音壁などの施工が急ピッチで進められた。鋼桁振動による部材の破断も問題となり、疲労破壊などもあって、設計指針が大きく変わっていった。堅固な橋梁を作るようになっていった。しかし一方、低周波対策の方は、どうしても限度がある。沿線に人が住んでいる限り、一定の確率で低周波被害者が出ることは分かっていた。

あの裁判では、
① 被害者たちの団結があった。
② 沿線住民の、地域の人たちも加わって抗議した。
③ 地域の弁護士たちが結束して参加した。
④ 地域の医師たちが被害症状の診断を行った。
⑤ 地域の大学の先生たちが低周波被害の実態を調査して被害の甚大さを訴えた。
⑥ 新聞やテレビが高速道路の低周波被害を新しい公害として報道した。
⑦ 高速道路を全国に早急に普及するという高度成長時代だった。

多少のリスクは覆い隠して、次に進まなくてはならなかった。たとえ家屋を買い上げ、賠償金を支払って和解したとしても。s.58年頃には、大規模な改修工事を繰り返していたことを覚えている。それでも窪田さんは、夜間を通じて大工事をするわけだから重機による低周波被害がさらに深まったのではないかと指摘している。この2次被害は、当時の記事にはない。後日談である。
さて、ここで汐見先生、小林先生が関わった香芝高架橋の案件①~⑦を振り返ってもらいたい。

① 被害者たちが家族と共に団結して被害を訴えた。
② 地域住民が、被害者とともに建設省、高速道路に被害を訴えた。
③ 大阪、奈良の地元の弁護士たちが大勢協力して裁判に加わった。
④ 地域の医師たちが被害者の診断に加わった。
⑤ 大阪、奈良の大学の学者たちが低周波公害という新たな公害に協力して裁判に加わった。
⑥ 新聞やテレビが低周波被害の実態と裁判の様子を伝えた。
⑦ 車の数が増えて、早急に高速道路の改良が必要だった。

低周波公害を規制する法律は作られなかった。参照値がつくられた。これを今回の風力発電の低周波公害と比較してみるとどうだろうか。
① h.20年頃、伊豆で風力発電の被害者たちが被害調査を行って抗議デモ、訴えを起こしたがすぐに崩壊した。
被害者たちは自宅を捨てて引っ越した。それ以降、自称被害者たちは「私たちは風力発電には反対ではありません」と主張している。
風力被害者の重傷者は2、3%でしかない。風力が建設される地域は人口の少ない田舎町なので被害者の数が少ない。田舎は行政が力を持っている。
全国で、風力被害者が連携して、協力して抗議したという話を聞いたことがない。
今、私一人が全国で風力発電被害を訴えている。

被害者は私に限らず皆、つらい経験をしてきたと思う。
海外では、被害者と地域の人たちが協力して厳しい抗議運動をあちこちで起こしている。

② 風力発電が建設される町は、大体が町役場が誘致していて、反対意見を抑えている。被害者はごく少数なので役場や業者による説得と弾圧により、あえて抵抗する人はいない。被害者は一人狂うことになる。

③ 弁護士たちの言動には驚いた。私は谷口さんから被害の様子を聞いて、すぐに和歌山市の弁護士に相談に行った。ところが共産党のその弁護士は「私たちは再エネを推進している。低周波被害のことは分からない。おそらく裁判にはならない」と言い放ったのだ。
後日、日弁連の環境部会(幸田雅弘ら4名)が由良町などを視察して環境省に意見書を出したが、中身を見てさらに驚いた。まるで被害者を助ける内容ではなかった。さらに日弁連は2度、3度と再エネ(風力)を大幅に増やすようにと経産省などに意見書を何度も提出している。
おまけに「気候ネット」というNGOを作って、多額の寄付金、補助金を得て、風力をアピールしている。

また、環境省では毎年のように風力の低周波被害を調査報告して被害を否定している。日本騒音制御学会という御用学会を作ってまで被害を隠ぺいし続けている。その論文、報告書の内容は、被害者のことを思うと悲しいまでにくだらない。ウソの上塗りでしかない。
しかし、これらは法律として運用されている。「風力被害はない」として風車の建設が進められている。
香芝高架橋裁判の弁護士に連絡すると、ケンモホロロに、取り付く島もなかった。すっかり対策されていた。彼らにも生活があるらしい。

④「キサマに医師の資格はない。医者なんか辞めてしまえ」とは汐見医師の言葉である。由良町周辺の医師たちは、資料を見せて説明しても一切、風力被害を認めない。何か理由がある。例えば、大量の睡眠薬や安定剤を被害者に販売してボロ儲けしている。そして行政と連携して風力被害を否定している。
保身と金儲けのためとしか考えられない。被害者に対する思いやりの気持ちはどこにもなかった。これは前項の弁護士と同じで、法律相談など、顧問弁護士料が生活の糧になっている。

⑤ 香芝高架橋裁判の時は、汐見先生や小林先生だけでなく、たくさんの学者が参加して問題解決に立ち向かった。動物実験も行った。
しかし風力被害では、騒音制御学会、環境省、環境運動家らによる被害の否定が強制的に行われてきた。あたかも被害者を心配して低周波のことを論じている論文、報告書には、要所要所に被害否定の罠が仕掛けられていた。20Hz以下は聞こえないから論じない。卓越した周波数成分は論じない。被害者には元々生来の疾患があった。海外に被害報告はない。などなど、ウソ八百の物語にして吹聴してきた。今もインターネットで検索するとあふれるほどにぎわしている。

これだけ風力発電の低周波被害が問題になっているのに、全国の大学では低周波測定すら行わない。計測器はあるが、観測したりしてはいけないのだそうだ。大真面目にそう言って、笑った似非学者がいた。
海外では、たくさんの学者が風力発電の低周波を観測して被害成分の把握をレポートしている。

⓺ 風力発電のコマーシャルがテレビや新聞で報じられるが、被害については一切報道しない。メディアの罪は大きく重い。
風力事業は多額の資金に任せて、被害の隠ぺいを公然と行っている。インターネットで「風力発電、低周波被害」と検索すればよく分かる。
海外でも、「Stop wind turbine」と検索すると同じような状況にあることが分かる。

⑦ 国は、再エネを早急に増やすという政策目標を掲げて風力建設を推進している。NHKには風力の映像がよく放送されている。
香芝高架橋の時は、国の動脈建設として、必要な政策であった。しかし、風力はどうか? H.30年末、風力の電気は全体の0.6%だという。しかも稼働には一般の電気を使っているし、風任せの不安定な電源は使えないだろう。必要な時に、必要なだけ電気を供給することが必要なのだから。

ドラム缶に石油、何杯の節約をしたと書いてあるが、ウソとしか言いようがない。そのような実績はない。よくも見え透いた嘘の看板を掲げるものよ。地球温暖化ビジネス、自然エネルギーの耳障りのよいデマに簡単に騙されてきたのだ。
固定価格買い取り制度、再エネ促進賦課金。東電も関電もない。全国一律の直接搾取する集金システムになっている。

使ってもいない電気に対して、11%の課金は、実に塩梅の良い、慣れれば分からない配分なのか。何の役にも立たない風力発電に、なんでこんな金が集金できるのか。行政も政治家も分かっていないだろう。誰かがボロ儲けしているのだ。風力発電の低周波は、このように被害が明らかであるのに拒否されてタブー視されてきた。

被害はいくつものベールに覆われて隠されてきた。被害者は弾圧され、自宅を捨てて引っ越すか、逃げられずに死ぬしかなかった。人生を破壊されたまま、じっとして我慢している被害者が多くいる。「なんのために?」ここで初めに返って谷口さんの訴えになる。

みなさんも考えてほしい。風力発電が出来て苦しむ被害者がいる。その確率は3%程度だろう。畑地区だと、私が知る限り苦しみながら亡くなった人は8人だから、地区人口317人で割ると2.5%。またh.26年のアンケート調査では18.89%の人が被害症状があると答えている。
一方、私が住む門前地区(風車から1.2㎞)では、私一人が被害を訴えている。門前地区は400人ほどだから0.25%となる。たぶん他にも被害症状に気づきながら黙っている人がいると感じている。

2月の選挙で、風力被害を訴えることが、どれほど世間から嫌われることなのかよく分かった。
私は議員という立場があったから、声を大にして風力被害を訴えることが出来た。一方、一般の被害者たちは、地域社会で生きていくために自分の被害を否定して、何事もない顔をして暮らすことを選んだのだ。
誰も助けてくれる人はいなかった。亡くなって、初めて苦しみから解放されたのだ。

2/7日のページにある録音には、彼らの覚悟の言葉が残されていた。私にはとても真似のできることではない。だから私はあの日以来、議会で、ホームページで、学会で、声を大にして風力被害の訴えを続けてきました。
この被害の訴えは、H.19年頃の伊豆や伊方をはじめ、多くの地域で同じ抗議がありました。汐見文隆医師は何度も行政に訴えました。ですから行政が知らないはずはないのです。

汐見先生の所見は、それは一流の学術論文であると私は思っています。
H.24.2/25日の風力の事後説明会では、あれほどの被害の訴えに対して、業者や行政は被害を否定して、恥じることはありませんでした。彼らの自信は何を根拠にしているのでしょう。「国の方針だ」ということなんでしょう。

あの時には既に全国で被害に苦しむ人がいることは分かっていたはずなのです。
また私がH.23.12月議会からH.30.12月議会まで、風力被害を延々と訴えたことに対して、拒否してきた人たちは何だったのかと思うのです。

人が苦しんでいる。たくさんの人が役場に訴えた。そして苦しみながら亡くなっていった。みんな知っているはずなのです。それを「関係ない」と言い続ける根拠は何なのか。

公には被害を訴えることはできなくとも、アンケート説明会などに残されている被害者たちの声は、悲惨としか言いようのない哀れなものではないか。
私はその実態をはじめから見つめることが出来たので「大変だ」と思いながらここまで来てしまいました。

私のホームページも、落選と共に終了かと思いました。貴重な資料や証言が未整理のままアップしていて、全国の関係者が利用していることも知っていました。
「由良さん、これ、何なんや?」
これまで全国で多くの被害者を苦しめながら、それらの屍を踏みしめながら、風車を回す理由は何なのか?電気が目的でないことは既に分かっている。風車を建設することで自然エネルギーという名目を立てているのか。

そんなものと人の命とどちらが大事なのか分かるだろう。やはり電気代の11%を徴収するという再エネ促進賦課金と補助金か。年間3兆円とも4兆円ともいわれている。それでは議会や行政の弾圧は何なのか。
その金をスムーズに徴収し、風力事業を演出するトリックなのか。では地域の住民が、なぜ被害者を黙らせるのか。

わずかな協力金が地域に落ちることが嬉しいのか。それほど地域社会はみすぼらしかったのか。H.24年、当初、畑地区を歩くと「風力はワシらのものや、お前らに関係はない」と怒られたことがあった。とても土俵が違っていた。

地域活性化、町の発展とはこういうことだったのか。では、被害者はなぜ汐見先生や私を拒否して追放したのか。初めは低周波が苦しいから何とか助けてくださいと、泣いて頼んだのではなかったのか。

被害者たちは互いに協力して抗議するのではなく、自ら進んで行政や業者にひれ伏して魂を売り渡したのだ。被害者たちは何を得たのだろう。私が訪ねていくと、「出ていけ!」と大声で怒鳴るだけの理由があったはずである。
それでも谷口さんは私に「由良さん、これ、何なん?」と言い続けた。他にも似たような被害者は何人もいた。その答えを聞かないまま、あの世へと行ってしまった。

地域の人たち、議員たち、役場の人たちは今も「被害はない」と言っている。伊豆や伊方と同じことになっている。野鳥の会や考える会などが行政の手先となって被害者を取り囲んで隠ぺいしたことは分かっている。これまで全国で一度も反対運動を起こしたことはなかった。
「風力発電を止めろ!」と言っているのは私一人である。こんなところにも風力被害を取り巻く怪奇現象の一面が見える。日本では、風力反対運動でさえ、行政の手先に操られているのだ。

ヨーロッパやアメリカなどでは、普通に「Stop wind turbine !」とプラカードを掲げてやっていることが、日本では一度もない。不思議ではないか。誰も不思議だと思わないことが不思議なのだ。
私たちは情報がないのではない。十分に風力被害の話は伝わっている。それでも反対運動、抗議運動がない。出来ない。先日来より、私が落選したのは風力がどうのというより、人間性に問題があったのではないか、と言われている。人物破壊やね。

先日、いわき市の方と話していて、原発に反対した知事さんが失脚して葬むられてしまった話と、話がダブって聞こえる。原発も風力も同じことだと最初から聞いていた。
福島では、原発事故があっても失脚した知事が復活することはない。徹底した破壊工作が行われるらしい。大きなお金が動くからね。専門家集団があるんやろ。

私にもこれから弾圧が襲い掛かるんやろうね。なんせ貧しい田舎社会です。親父はよく「東京へ行こう」と本音を漏らして母親に怒られていた。由良町から出たことのない田舎者丸出しの親父だったが、いかにも田舎社会は窮屈で、自由な世界に飛び出したかったようだ。親父の兄弟2人は東京でわりと成功している。私も子供の頃に浅草の寿司屋で当時珍しかった軍艦巻きをほおばった記憶がある。

また、由良守應も追放処分を受けながらも晩年になって由良に帰ってきて余生を過ごした。陸奥宗光と刑務所暮らしを体験しているから打たれ強い性格だったんだろう。私は相変わらず内気で小心なタイプのままでいる。

とりあえず、被害者の皆さんから依頼された風力発電被害の解決のために、私にできることは何でもしてきた自負がある。総スカンの落選は、谷口さんたちへのはなむけにはちょうど良かったと見るべきか。誰一人として私には入れなかったのだから。そんな地域社会でしかなかったということだ。こんなことを証明するために選挙をしたとは思いもよらなかった。全国的には既にこのようになっている。

伊豆や伊方を見ながら気づいてもいた。しかし選挙中、私に対する敵意の凄さには驚いたものだった。お金を払っても、こんな感動体験をすることはないだろう。私自身、大した影響力のある人間だとは思っていないけれど、私が風力被害を訴えることで、これほど人々から憎まれることになろうとは、まだまだ私の知らない「なぜな」の部分があるようだ。

彼らだって谷口さんと同じで、何のことか分かってはいないはずである。彼らの怒りには真実はない。ウソの上塗り、というか、高等な人たちなんやろ。私はくだらない一般質問を29回も繰り返して議員生活を終えた。

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