小林先生のご意見です。

今では風力発電の低周波被害を大所、高所から見られる方は小林先生だけではないでしょうか。昭和50年代に起こった香芝高架橋の低周波訴訟が、今、こんな形で被害者を苦しめることになろうとは、だれも予測できないことでした。

いや、環境省などは、セッセト被害否定の準備をしていたのです。(町長も7番議員も、被害者から何度も被害の訴えを聞いています。その上でシラを切っているのです。そのしらじらさを晒しているのです。その被害者たちはとうに亡くなっていますけどね)

以下、小林先生のご意見です。

送っていただいたDVDの貴質問および答弁を見ました。次の議員7番の質疑は始めの由良批判だけ見て、以後は関係なさそうなので飛ばしました。一通り見た限りの感想を述べます:多分由良さんと町当局(今回は畑中町長)との間では同じような質疑が繰り返されてきたのだろうと思います。

このやり取りは、町民にどの程度伝わっているのでしょうか?映像でちらと見えた限りでは、傍聴者はほとんどいないようだし、質疑の速記録などとられているのでとられているのでしょうか?議会のやり取りの広報も多分ないのでしょう(仮にあっても、ほとんどの人は讀まないかもしれないけれど)。

議長が「不適切発言があった」」というようなことを言っていますが、何をさして言っているのかわかりませんでした。風評とか伝聞とかで質問するなと言ったのでしょうか?

7番議員が後を受けて「弾圧だとか、ねつ造だ」とかいう由良さんの発言を非難し、「被害者は他にいない」ということもいっていましたが、ためにする非難だとは思うけれど、そういうことを言わせないためには、由良さんが言わんとすることの根拠(動かぬ証拠)を示していないからではないでしょうか?

由良さんは、示しているつもりかもしれないけれど、少なくとも相手(7番議員)には伝わっていないから、そういうことを臆面もなくいえるのだと思います。町長も同様で、由良さんの主張は、由良ひとりが言っていることではなく、世に広く語られていることであることを認めさせなければいけません。

そうすれば、彼らは仮にそれに賛成ではないとしても、すくなくとも、かなり多くの人がそういうことを言っているんだなという立場で答弁しなくてなならなくなります。それには上に述べたように、新聞のコピーだとか、インターネットに関連記事とかを掲げながら質問していましたが、そういうものを証拠書類として相手に渡していないのじゃないですか?

ちゃんと渡したらどうですか?許されるかどうかわからないけれど、スライドで見せてもいいでしょう。ともかく、由良が勝手にでっち上げているんじゃないということを認めさせる必要があります。町長は医学的根拠がない、ということも言っていたようですが、この言い分も世界中の「低周波音被害否定者ら」が言っていることです。

その原因は、低周波音被害者が全人口から見て少数者であって、何も感じない人の方が圧倒的に多いからです。私の書き物でもそのことに触れています(低周波音被害のわかりにくさ)。でも、いまやオーストラリアの凡例だってあるではありませんか!循環器系に害があるという医学的見解も語られています。

私も低周波音を自分自身は感じませんが、「被害は実在する」と確信しています。でもなかなか多数の理解が得られないのは、誰でも実感できる現象ではないからです(医師も、音響学者も感じないから興味も持てないし、学会でも重要なテーマにならないのです。普通人も興味を持つのは少数者です)。

しかし誰でもが悩まされないとしても、「少数者なら無視してよい」という理屈は、日本国憲法、第13条「すべての国民は、個人として尊重される」に照らしても間違っています。仮に町長が低周波音なんて全然感じないとしても、これが辛い、苦しいという町民が一人でもいることを認めるなら、現在のような答弁は出来ないはずです。

「被害の実在を認めさせる」ことを中心に攻め込んでいったらどうですか?ビデオを見ていると、あなた自身、どうせまた同じような答弁をするのだろうと半ばあきらめながら、毎回同じような質問をしているように感じました。

妄言多謝。小林