6月議会について、小林先生のご意見です。

送っていただいたビデオ見ました。印象として、畑中町長は以前より弱腰になっているように感じました。低周波音被害がありうると認めています。ですが結局は、環境省の参照値に逃げ込むのですから、環境省の罪は重いです。

また保健所が出てきましたが、保健所や多くに医師も、この被害について知らないので原因が低周波音だといわないだけで、客観的には、知らない人たちの判断など何の根拠にもならないはずです。そこにしか町長は逃げ込む先はないわけです。

後半のメガソーラーの質問で、町長は「太陽光のエネルギーで発電するのだから、鏡みたいにまぶしいはずはない」というようなことを言っていましたが、これは大きな間違いだろうと思います。

発電する周波数帯域と、人の目が光として感ずる周波数帯域は違うのです。発電のためなにがしかのエネルギーが太陽光から失われたとしても、まぶしさは変わらないでしょう。

これは調べたわけではなく、「被害者」がまぶしいといっているのだから、そういうことなのだろうという私の推測です。

小林先生のご意見

今回の質問で「女ひとり孤独の叫び」を引用しておられましたが、著者の苦しみはわかるし、その深刻さには同情しますが。かなり間違いの多い文章なので、使うときは要注意だと思います。僕の読後評は下記です:
・まず一口に言うと、実に悲惨な体験で同情に耐えません。決して嘘ではないこういう体験を多くの人が知らない責任は、被害者を「苦情者」と呼び、まともに対策を考えようとしない環境省にあると思います。

・ただ本書には、用語や現象の解釈に不適切なところもあり、当事者以外の理解を妨げている面もあります。たとえば、科学と化学の混同(これは明確に別物です。

科学は、物理も化学も生物学も含むもので、化学だけ非難したりするのはお門違いです)。低周波音被害と思われるのに電磁波被害と思い込んでいること。生理的影響と心理的影響の混同等々。

・二三例を挙げると、p3最下行で「化学の研究者以外には・・・」は「科学の研究者以外には・・・」の誤りでしょう。

・p20 T市が設置したのは風力と太陽光のハイブリッドの発電機で、平家さんの要求で、市(松野さん)は、風力のプロペラを外したのに、依然として平家さんの苦しみが続いたのは、おそらく低周波音源は工事用の重機ではなかったかと推測されます。そう思わせる記述は随所にあります:p26、p29、p30、p33

そう仮定すると、その後もプロペラは外されたままなのに、他でも経験されるような低周波音被害を受け続けたこと、その間、工事は進行中でいつも何等かの重機が動いていたこととつじつまが合います。それを平家さんは発電していること、その電流から電磁波が出ているせいではないかとずっと思っておられたようです。

・ついでに、大型風力発電と、T市のようなハイブリッド(小型)発電から出る低周波音は、周波数がまるで違います。大型からは数Hzぐらいの超低周波音が出ますが、ハイブリッドからは、低周波音には違いないが 10~30Hzぐらいが多いでしょう。

・そして、ある段階からは、平家さんは(おそらく)重機が原因である低周波音に敏感になってしまい(低周波音被害者が訴える学習効果のためです)、実際にはそれほど強い低周波音がきていなくても似たようなものの刺激によって苦しくなってしまうのではないかと思われます。p18あたり。

・もう一つの低周波音被害者の特徴:可聴音があった方が楽だということが、p56あたりに述べられています:ラジオを大音量で鳴らした方が寝やすい。

・もともとわるくなかった歯に血がにじんだり、マウスピースがすり減ったりしたのは、苦しいからしょっちゅう歯を食いしばったから…というのは、実にお気の毒なことですがその通りなのでしょう。

・医者もほとんど当てにならないのは、この被害について医師もほとんど知らないからです。汐見先生は、症状は「不定愁訴」(患者自身の自律神経失調などによっておこる)だけれど、低周波症候群は「外因性」の不定愁訴であると確言されました。

そんな大事なことさえ普通の医師は知らないのです。平家さんが、年末年始にホテルに泊まったり、某医院に入院させてもらうと、治療なんかそっちのけで熟睡できたといことが「外因性」を証明しています。

汐見先生ほどではないにしても、低周波音被害者の会の方々は、私が上に述べた程度のことはたいてい知っているはずです。その人たちに相談して、正しい原因を突き止め、容易ではないかもしれませんが、ほんとうの原因を止める運動をするしかないでしょう。

小林