水俣病と風車病と

私が風車病と関わりあってから、平成23年11月から、もう6年の歳月が過ぎました。
先日の9月議会では、年に4回の定例議会で、24回も連続して、風力発電の低周波被害を訴えてきたことを伝えました。

当初は共産党などの政治や環境運動に取り組む人たち、日弁連、野鳥の会、すでに各地で風車被害を受けた人たちから様々な情報や影響を受けました。
特に汐見先生や窪田泰さんから教えられた風車被害の実態、被害の仕組みについては、私だけでは到底及ばない知識を得ることになりました。

それでなくては低周波被害者の性格の変化、過激な暴言に耐えることはできなかったと思います。
小林芳正先生も、被害地域を取材した学生の修士論文や、有志の被害報告書を見るまでは、被害者の特別な言葉使い、感情に驚いていたと思います。

平成23年には、環境省から『移動発生源の低周波音等に関する検討調査業務 報告書』が出ていて、その異様な内容にただ驚いていました。
これらの報告書は、関連した報告書も含めて、毎年のように多額の費用をかけて低周波被害を否定していました。

検討会の委員には、由良町の事前説明、事後報告説明に熱弁をふるった日本気象協会の魚崎耕平の名もあります。
神聖な学識経験者らしく書かれていますが、なんのことはない、地位と利権にどっぷりと漬かった走り使い、御用学者たちの姿でした。

添付の本は、宇井純さんのもので、水俣病の話には必ず出てきます。彼自身、化学メーカーに勤めていて、有機水銀を洗い流していたことを告白しています。
私は土木科出身ですが、実は親類には化学屋が多く、私も化学の成績がとてもよかったことが自慢でした。

通学していた学校で、ビーカーいっぱいの金属水銀が紛失した事件がありました。そのまま流しに捨てられたのかもしれません。
昭和56年のことで水俣病を知っていたので顔をしかめたものでした。

水俣病がS.29に伝えられて、S.43年に公害病と認定されるまで、13年もかかっています。その間、見るに堪えない、聞くに堪えないドラマが展開されました。
水俣市をはじめ、行政や企業は、これでもかと被害者を弾圧しました。

前ページで紹介した市議の日吉フミコさんでさえ、水俣市に住みながら、水俣病のことを知らなかったというから驚きです。
それほどタブーとして、隠ぺいされていたのでしょう。

私は水俣病の本を数冊読みながら、なんと風車病と同じことが書かれていることよ、と感心しています。言葉使いまで同じです。
まさかその時の市長や職員、工場職員が弾圧の言葉ややり方を由良町に教えたわけでもあるまいにと思ったものです。

たぶん同じ系統の人がタクトを振っていることでしょう。
このことを思えば、6年の歳月は、私にとってはとてつもなく長くとも、まだまだ先は長いと、新たに覚悟しています。

6年前のH.23には、水俣病と検索しても、被害をそのまま認めない、研究の余地がある、といった環境省や厚生省の酷悪なページが多数アップされていました。
有機水銀を測定評価しない公定法が正規であるとのことでした。実際は、赤木法で世界的に普及が進んでいるのに、頬かむりしていました。

部外者の私でさえ、ヘンだ、と感じる内容でした。

添付のグラフは、大学教授たちが我が家に来て、微気圧計で測定した記録です。風車から1.2km離れていても、自然界にはない特殊な空気振動が観測されます。
田舎の静かな環境だからこそ、このような特異な被害成分が純音として、きれいに被害者の内耳に到達して被害を及ぼすのです。風力発電は、巨大な音源です。

由良町や和歌山県は、この事実を否定して、低周波音被害を認めることはありません。被害者が泣いて縋って訴えても、アホか! と嘲笑って拒否するのです。私は、
これらの人は、まるで水俣市の市長や職員、議員たちと同じやなと感じています。人として、大切なものを無くしている。

もう元には戻らないけれど、人が目の前で苦しんでいても、自分さえよければ関係ないと確信している。こんな公務員は公僕ではないし、いらんよな。

風車病は、100人に2~3人の確率で発症します。風車由来の低周波を感じる人は100人に10人程度だと思います。
畑地区のアンケートでは、18%の人が被害を感じると答えています。水俣病と同じで、被害の程度に差があるのも事実です。

また被害に苦しみながら、風車は関係ない、と主張する人もいて、情けない、かける言葉もない人がいることもありました。

風力発電の被害者は、田舎のことですから少数です。行政や地域社会、環境運動家などに抑え込まれて被害を訴えることができませんでした。
私はインターネットを使いますから、各地の人と交流していますが、被害者となる田舎の割と高齢な方は、情報がありません。

何が正しいのか、誰を信じればよいのか、判断の手がかりがないのです。新聞やテレビでは、絶対に風車被害のニュースは伝えないことになっています。
日本社会主義です。忖度です。道義を大切にする市民社会には、まだまだ距離があります。

畑地区では、あらかた被害者は亡くなりました。まだ黙って我慢しているアホもいますが、手の着けようはない。
環境省の主張する「納得してもらう」とは、こういう弾圧でした。風車に囲まれた町は、不思議な妖気に包まれています。

妖気≒風車の低周波、だけではありません。原発と同じく利権がからんで社会は引き裂かれます。伝統も文化も、これほど脆いものだったとは。
日弁連でも再生可能エネルギーとして推進して、とても裁判できるものではない。全国の田舎で、風力発電建設による殺人劇、逃亡劇が始まっています。

一握りの人たちが儲けるために、自然の山々、地域社会を破壊して、荒廃させて、何が地球温暖化よ、何が環境問題よ。