カナダとオーストラリアの低周波音の影響の研究紹介

ある科学者と話していて、風力発電の低周波音被害に関しては、海外にはたくさんの文献を見ることができる。
具体的に事実を調査して分析しているのだ。と語りました。

日本では、同じように低周波の被害がありながら誰も調査したり研究したりしていません。
御用学者を集めた騒音制御工学会では水俣病方式で、一切の事実を隠蔽しています。第一、研究も調査もしないのです。

ここに提示した論文の新鮮なことよ。我々は、日本は、何か重大な誤りをしています。
科学者からの紹介です。

皆様 前にご紹介した「世界の低周波音研究の紹介」のうち、めぼしい資料を2点読んでみました。
いずれも前記「紹介」の引用文献に掲げられているものです。両方とも、私には専門外の影響に関する研究で、細かい点は十分わかりませんでしたが、影響のメカニズムには立ち入らず、影響があることを主張しています。

そういう研究にケチをつける人は当然いるはずですが、2つ目の資料の評論者は、そういうたぐいの批判をはっきり拒否しています。

カナダとオーストラリアの研究

カナダとオーストラリアの研究紹介

「世界の低周波音研究紹介」の引用文献のうち、カナダとオーストラリアの研究の引用文献、18および19の概要をまとめた。

カナダの研究の原論文は次の「紹介サイト」にリンクされている:
https://uwspace.uwaterloo.ca/handle/10012/8268
題名:カナダ、オンタリオ州における工業用風力タービン近傍の健康についての自主申告の研究
Exploring the Association between Proximity to Industrial Wind Turbines and Self-Reported Health Outcomes in Ontario, Canada
著者:Clair Paller
概要:風力発電のノイズが住民の健康を害するかどうかについて、オンタリオ州内の10基以上の風力発電タービンのある8地域でアンケート調査を行った。
目的:風力タービン近傍で、自主申告による健康、生活の質(とくに身体的、精神的)、睡眠障害と風力タービン運転との間に関係があるかどうかを調べることである。暴露限度、すなわち風力タービンからの適切な離間距離を見出すためDose response服薬料-効果を調べた。
方法:8つの風力発電所を選んだ。Canada Post’s Unaddressed Admail Service(カナダ郵便のあて名なし宣伝郵便)を使って、上の8地域に居住する4876人にアンケートを送った。返信はウオータールー大学で受け取り、最も近い風力タービンまでの距離と主たる変数(いろいろな症状)との関係を、記述解析descriptive analysisと多重相関解析multiple regression analysisにより研究した。
結果:412便の返信があった(回答率8.45%)。うち16便は住所が記入されていなかったのでデータから除いた。結局、使用したデータ数は396である。住居から最も近い風力タービンまでの距離を住所により計算したところ、4523±4420mだった。Pittsburgh Sleep Quality Index ピッツバーグ眠りの質インデックスPSQIと距離との関係は、対象者の年齢、性別、国籍を制御すれば、統計的にP¬=0.01の危険度で有意で、PSQIは風力タービンから の距離に対して対数的に低下する。8つの風車シンドロームに関しては、目まいは距離の対数とP<0.001で統計的に有意、また耳鳴りは、年齢、性別、国を制御すれば、距離の対数とP=0.08で有意である。目まいも、耳鳴りも風力タービンに接近するほど重くなる。
結論:工業用風力タービンは健康に有害な可能性がある。オンタリオ州の一部の住民をサンプルとして、風力タービンの近くに住む住民の生活の質(身体的および精神的)と睡眠障害についてはまだ不明な点も多い。睡眠障害と内耳のトラブル等についてもさらに研究が必要である。

オーストラリアの研究 この論文の評論は次のURLで見ることが出来、原論文はこのサイトにインクされている:
http://docs.wind-watch.org/cooper-review.pdf#search=’steven+cooper+the+results+of+acoustic+testing
題名:ブリッジウオーター岬風力発電所における音響試験研究の結果
The Results of an Acoustic Testing Program, Cape Bridgewater Wind Farm
Prepared for Energy Pacific
著者:by Steve Cooper, The Acoustic Group

以下は  Paul D. Schomer, Ph.D., P.E.; Schomer and Associates, Inc.; Standards Director, Acoustical Society of America、George Hessler, Hessler Associates, Inc. 10 February 2015 によるレビューの要約である。

Cooperの研究は、風力発電オペレーターの協力のもとに風力事業者外の研究者によって行われた初めての研究である。次の3項目が重要な点として指摘できる。
1.聴こえない、見えない風力タービンから放射される何かが一部の人に影響を与えている経路が少なくとも1つはある。
2.住民の日記に、規則的に時間ごとの症状を記録してもらった(この人たちには風力タービンの運転情報は予め知らせておかないで、症状の記録だけ定時にしてもらう)。
3.上の日記の記録と風力タービン運転出力の上がり下がりとの対応をのちに調べた。
結果は218ページの報告と22の付録からなり、すべてが公開されている(上記URLにリンクされている)。

6項目の調査について、3つの異なる家庭からの1カップルずつ研究に参加した。これらの人たちは、地域の代表者ではなく、風力タービンの放射にとくに敏感であるとして調査に参加した人たちである。彼らのうちの1カップルはすでに移転して、この地の家を放棄していた。Cooperは、6項目の反応は風力タービンの放射と相関関係があるが、音(可聴音)とも振動とも関係ないと考えている。

この研究の性格は、原因と結果の相関を見出そうとするものだが、相関は原因と結果を示すものではないという議論が当然あるだろう。今の場合、風力タービンの運転により何か未知の“力”が放射され、吐き気、めまい、頭痛などの症状が、タ-ビン出力のアップダウンに合わせて引き起こされると仮定しなければならない。これを、その相関は原因と結果を表していないというのは“人為的な”creatve な論理である。

この研究は、一般の人々のサンプルについての研究でもなく、風力発電所近傍の一般の人々のサンプルについての研究でもない。Cooperによるとこの研究は、Pacific Hydro’s Cape Bridgewater Wind Farm 近傍の住民の苦情問題に答えようと意図されたものである。対象の3家族は、最も近い風力タービンから距離が650~1600mに居住する。これは3軒の家の各1カップル=合計6人のケーススタディである。しかもこの6人は、かなり、あるいは非常に風力発電から出る超低周波音に敏感であると申し出た人々である。

この人々は、聴覚あるいは視覚以外の経路でタービンの稼働を感知するし、彼らの好ましくない反応は、風力タービンの出力と、出力の大きな変化にも相関している。

彼らの不快感の原因が超低周波音だと証明できていないではないかという議論もあるだろう。これまた見かけ倒しの議論で、ここで重要なことは、何かが風力タービンから伝わってきて人々に影響を与えており、その何かがタービン出力の上下とともに増減しているということである。超低周波音がその「何か」でないと否定しても何も達成されない。経路が何かということや、それが超低周波音のせいかどうか、また風車ブレードから出る何かが未知の光線や電磁波かどうかなどはどうでもよいことである。もしタービンが原因だったら、風力発電所に責任があり、直してもらわなければならないからである。もしこの研究結果を疑う人がいるなら、他の風力発電所、例えば米国ウイスコンシン州で調べて見ることが出来る。そこにも風力タービンからの音放射に敏感だという被調査志願者がいる。

たった6人の研究がそんなに重要かと問う人がいるだろう。それに対する答えは、今日まで風力タービン運転者はこう言っていた:これまで風力発電の近傍に住む人で、視覚や可聴音により刺激された人以外に、風力発電の放射による反応は知られていなかったので、影響はフリッカー(ちらちらした光)問題か、“騒音問題”ではないかと。ところがこの研究は、少数とはいえ、6人に及ぼしている影響は、それ以外の経路によることを証明した。風力タービン運転者は、(フリッカーや可聴音の騒音以外の)影響があることも、影響を受けている人がいることもわかっていないとはもういえないのである。一人でも影響を受ける人がいるということは、ゼロとは違う;たった1つでも反証が上がれば、真実は真でなくなるからである。風力発電所は“われわれは一部の人には影響を与えている”と言わなければならない。そして市民の健康を守る責任のある調整者(行政)は、有害な影響については知らないとは言えなくなるだろう。それどころか、彼らが風力発電所を支持するなら、彼らはすべての市民の健康と福祉を保護しないかもしれないことを知りつつそれをしていることになるのだ。

 

 

 

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