人間のフリ

コロナ前、我が家には海外からたくさんの学生が遊びに来てくれた。インバウンド、とかいう時代の要請でもあったんだろう。最初の学生はノルウェイからで、JR由良駅で初めて会った時、何語を話しているんだろうと不安に駆られたものだよ。厚木飛行場の米軍基地で1年間働いていたことがあった。

テキサスやスパニッシュ、アメリカにはいろんな英語がある。彼らはそれでも互いに楽しく会話していた。私が分かったのは、沖縄英語だったよ。米軍内では沖縄人がたくさんいて、「私は沖縄、日本人、OK.よ」と励ましてくれたものよ。40年前、ちょうどソ連の大韓航空機撃墜事件のあった時だ。

戦争にはならなかった。ホント言うと、今でもほとんど英語が分からない。適当にコミュニケーションできればと思ってきた。あの夏目漱石でさえ、どんなに頑張ってもイギリス人にはかなわないからなぁ、と英語に対する愚痴を書いている。そうなのだよ、無理する必要はない。

お互い楽しく過ごせればよいのだからと思ってきた。中には日本人以上に日本語が話せるインテリがいた。とくに日本の歴史に詳しくて、言葉に意味を持たせるような話だった。150年前の明治維新とか、1000年も前の平安時代、鎌倉の時代、など詳しいのなんのって。きっと日本人とそんな歴史の確認をしたかったんだろうね。

般若心経を取り出して、カネを叩きながら唱えたこともあった。「サトリ、とは何ですか?」そう聞かれた時は困ったものよ。私もその時は若かったんだろう。一生懸命に歓迎していたと思う。やがて警察からの取り締まり、弾圧に遭う。泣いて怒ってきた学生もいた。それほど御坊警察、公安の弾圧は卑劣だったのだ。

私も直接やられたから参ったよ。中には政府高官の息子や娘さんがいたのに。国際問題やで。医学部の学生もいたので「wind turbine syndrome」の話もした。反応はなかったな。今はれっきとした医者になっている。生きる術を持っていたということか。由良町では風力発電の被害はないと言っている。

誰でもそう言うんだから、私一人、アレレ、と戸惑うばかりだよ。そして私一人が、誰も被害はないのに、ヘンなこと言っている、と伝えてくれる人たちがいる。私は人との交際が苦手で、ほんの限られた人としか話はしない。近所では村八分だ。いや9分9厘だろう。すっかり変わり者にされて自由に一人暮らしている。

千年前、京都から都落ちしてきて、由良に住み着いた時も多分こんな感じだったんだろうと思っている。元々が人種が違うんだよ。h23年末、畑地区の人から風力被害の話があった時、親父は「放っとけ。関りになったらアカン」と注意してくれた。他の古い知人からも同じ話を聞かされた。古くから伝わる差別話であった。

ふ~ン、と聞きながら、私も被害に苦しむようになったのでのめり込んでいく。結果はすぐに露わになる。「私たちは畑地区でやっていく。由良さんは一人、門前地区でやったらよい」と追放されていた。同時にたくさんの汚い罵りにあったものよ。そりゃ差別されるわな。

由良町は人口6千人足らず、こんな小さな田舎町だから、何が起こっているのか誰もが知っている。山々を見れば巨大な風力発電が21本も林立して回っている。低周波音被害は理解が難しいけれど、何かある、と感じるのは当たり前だろう。特に役場の人たちは分かってやっていた。だからこそ被害の訴えを拒否して怒鳴りつけたのだ。

2018.1/20、1/22日のページにそんなやり取りをアップしている。大変な弾圧があった。そしてたくさんな被害者が苦しみながら死んでいった。これは事実だ。この事件を由良町の人は言葉にして話すことができない。考える、という当たり前な対応ができない。思考を奪われているのだ。

当時、谷口さんらが亡くなると、手を叩いて笑っていた人たち。クルクルッと回って、ジャンプして踊ってまでして見せた議員たち。何がそうまでして面白いんだろうと不思議な気持ちでいっぱいであった。今もさ、私が風力発電のせいで耳鳴りや目まいに苦しんでいる、と話すと、いきなり人は目を怒らせて怒鳴りつけてくる。

最初から分かっていたよ。手先なんだと。他の被害者も、大体がこんな形で虐待されて死んでいった。差別地帯は自業自得だろう。私は違うからね。それはこの際はっきりさせておこう。「風力はワシらのもんや。オマエラ関係ない」笑えるで。とても人間とは思えない。「被害があるからカネになるんやで」と媚を売り、知らん顔を決め込む。

人間のフリよな。畑地区だけで50人ほどの被害者がいる。アンケート調査では5人に一人が、何かの被害感覚があると答えている。その周辺、門前地区、三尾川地区にも被害者がある。風力発電の周囲には千人ほどが住んでいるから、地形を考えれば、もっとたくさんの被害者がいることが分かるだろう。

低周波音測定器で、空気振動を測ったらよく分かるで。トップページにアップしているから見てください。問題は、これらの風力被害を見て、各地のエセ反対運動では「土砂崩れが心配だ」と繰り返している。アホに付ける薬はない。日本だけ、「Stop wind turbines !」の言葉がない。日本人の精神性、人間性なのか。

やはりこれが残念な所だ。私は違うからね。

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教育哲学・社会学融合研究室