「6月議会便り」です。

既に地域には、風力発電被害を訴える者は、私以外には誰一人としていません。
もし仮にいたとしても、「由良さんとは関係ない」、「由良さんとは違う」、「私は風力には反対ではない」、「言ってはならないと言われている」

たくさんの言い訳の言葉を聞くことになる。
最初の頃は、共産党や考える会などの取りまとめが功を奏していると思っていた。
役場の指導が行き届いていると感じた。

しかし、最近は、どうもそうではないかも、な、と考えている。
ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』には、アウシュビッツで囚人となった体験談を事細かく書き示している。
逃れることのない苦しみを24時間、毎日、受け続けていると、人は、人としての自尊心をなくしてロボットのようになる。

看守たちも毎日、せっせと殺して焼いて、何とも感じることは無くなっていた。
連合軍が強制的に中止させるまで。誰が途中で「異」を唱えただろうか。
最初に発見した連合軍の将兵たちは驚愕した、と伝えている。

由良町では、行政も地域住民も感覚がマヒしている。とくに低周波音は頭をやられるのだ。
既に、私以外に、風力発電で耳鳴りがする、頭が痛い、などという者は誰もいない。
風力発電を止めてくれ。という者など、更にない。

たまたま当選した町会議員ですが、えらい役をもらいました。
あの日、泣きながら掴みかかってきて、「言えるわけないやろ。こんなになるとは思わなんだ」
と叫んだ男は、すぐに死んでしまった。

「もう我慢できん。何でも協力する。これまでよう辛抱した」と両手を取り合った男も、呆けたように死んだ。
あれは断末魔だったのだ。最後の人としての精いっぱいの言葉だったのだ。

町長答弁は毎回同じで、区長や保健師、御坊保健所に相談してください。という。
では、その人たちがどう対応したのか答えてもらいたい。「無視」であった。「隠蔽」であった。
こんな小さな田舎町に住んでいて、事情が分からぬはずがない。

「人でなし」と人は言う。私にできることは、人としての所以を問うことか。
こんなアホ役が一人いても良いだろう。

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