この本を読んでみた。

こんなに水俣の本を読むとは思わなかった。風車病は、何と水俣病に似ていることよ。被害が分かっているのに助けられることはない。もし、被害者が何か言おうものならボロクソに叩きのめされる。直接の暴力だ。福島でも同じ話を聞いたから、これは日本独特の支配技術だと分かる。被害者を否定する言葉の数々もまったく同じだ。

仮に、水俣病の歴史を75年とすると、風車病は、わずか15年、福島は10年か。ご苦労なことだよ。『MINAMATA』映画を見て、この本を読んで、youtube動画のアイリーンさんの講演を聞いて、やっと情報の発信の重要さを知る。敵は、情報の遮断、情報の隠ぺい、シャットアウトを繰り返す。そして被害者同士を対立させる。

そのやり方がまたひどすぎる。由良町の畑地区なんか小さな集落だからコテンパンだよ。ここに環境運動家や行政、新聞記者が押し寄せて、嘘八百を繰り返すのだ。この本にも何度となくそんな場面が詳細に書き込まれている。さすが本職のライターさんだ。私の稚拙な文ではここまで書けない。個人的な恨みや憎しみが湧いてくる。

ユージン・スミス、そしてアイリーン、特異な才能を持つフォトジャーナリストの周りにたくさんの人材が交錯する。こんなにもたくさんの人がタダで協力したのだ。いや、資金を注入した人もいただろう。それだけ評価が高かったのだ。写真のことは言うまい。この二人は神のごとく現れたのだ。

私が和歌山市の汐見文隆医師や窪田泰さんに会った時、やはり、この人らは神かと感動した覚えがある。時代には、要所、要所でそんな人が現れる。私は貴重な体験をさせてもらった。何が悪いのか。何が間違っているのか。いろんな意見はいらない。賛否両論なんて、ウソでしょ。被害を隠ぺいする国や企業の手口は明らかになった。

各地のエセ反対運動を見れば、「土砂崩れ」、「エコ」、「地産地消」など、いかに嘘っぱちなトリックか分かるだろう。詐欺なんだよ。残念ながら日本ではこの映画はヒットしなかった。被害者に対する差別と偏見が、どうしても本音としてある。

それが被害者対策だと分かっていても、自分が被害者であったとしても、国に対して逆らえないように仕組まれている。だからユージンスミスであり、アイリーンであったわけだ。日本人にはできんわな。アホにされているんやで。ただの親切心ではない。日本人が、自らの足で立って考えるべきことなのだ。

いや、ハッキリと健康被害を訴えて「止めろ」と言葉にすべきことなのだ。風力発電の低周波被害者たちよ、被害地域の人々よ、水俣の悲劇を見て、何が悪いのか分かるだろう。みんなが被害者なんやで。人間性を否定されているんやで。被害に苦しみ死んだ人を笑うなよ。キサマハ鬼や。