風車病を否定する奇妙な人たち

私が風力発電の被害に関わったh23年11月末から、初めから奇妙な空気に満ちていた。『風力発電の被害』にはそれらの経緯、何が行われたのかをその場の通りに書いてきた。

今もこのページを使って、風力事業の壮絶なキャンペーンを批判しているんだから、被害者にとっては話題に事欠かない珍事だと思っている。低周波被害を訴えて、何が被害の原因であるか論じた汐見文隆医師、窪田泰氏らは各地でボロクソに言われて排斥されていた。

汐見先生らと話すうちに、何が迫害の理由であるのか、についても時間を重ねるうちに明確になってきたものよ。私はこれまで海外の反対運動がたくさんあることを紹介してきた。

「ドイツに習え、ドイツでは上手く行っている」と言う政府のスローガンも、実際にドイツのDie Welt誌、 Spiegel誌の記事を見れば、全然違うことが分かっている。それでも各地の環境運動家たちはいまだに同じ言葉を呟いているんだからアホとしか言いようはなかった。

風力事業に携わる人々は、裏も表もカルトと化していたのだ。オーム教だよ。原発と同じで、権力を背景にして、工作員、エージェントとして、被害者を弾圧して隠ぺいしていたのだ。各地の風力反対運動の人からもたくさんの電話をもらった。いや、私から電話した方が多かったかな。

なんせ内気で小心者だから、人と話すのが苦手でね。それでよくバカにされたものさ。10年前と今とでは、風力発電の被害を取り巻く空気が大きく変わっている。汐見先生や窪田氏の退場によって、私一人が風力発電の被害を訴えるようになっていた。

彼らがいかに頑張っていたのか、知っていたけれど現実に私一人に収斂していたのだ。由良町では村八分でコテンパンにやられている。同じように各地の自称反対運動からも不審者として、ウソつきとして憎しみの対象にされている。なぁ~んや、風力発電に反対しているんやなかったんか。

知っていたけど面と向かって言われると私も言葉に詰まってしまう。これまで、どれだけの識者が風車病の酷さを訴えて来たことか。被害者が、まさに死に際に抗議の声を残していったことか。行政や政治だけでなく、各地の風力反対運動を見ると、地域対策のトリックになっている現実が明らかではないか。

各地で被害者が苦しい、助けてくれ、と言いながら死んだことを知っているのにさ。自宅を捨てて引っ越していった人を見ているのにさ。なんでその被害を否定するんだろうか。それが仕事だから成果を誇っているのか。悪の花園よな。ジャーナリストは初めから「社会が破壊されるんやで」と伝えていた。これは戦争だ。

STOP THESE THINGS

Spectator Feb. 15 2018の記事の抄訳

写真直下の記事は字が小さすぎて読めない。執筆記者がNatalie McGregor であることがかろうじてわかるだけ。記事の表題は下行の通り。抄訳は次ページ以下の記事によった。

病への道筋

オースオトラリア法廷は風力タービン・ノイズが病気に関係すると裁定

昨年12月、オーストラリア行政不服申し立て裁判所(Australia’s Administrative Appeales Tribunal 略称AAT)は、風力タービンから発生する低周波音や超低周波音を原因とする“ノイズ迷惑”が、“おそらく不眠や心理的ストレス/苦痛に仲介されて高血圧症、心臓血管病の発生の原因となっている”と裁定した。AATはさらに、風力タービン用ノイズの基準がこの判定の目的には不適切であることも批判した。

もしこの裁定が、風力タービン・ノイズを免罪するものだったとしたら、Fairfax Pressは一面をにぎやかし、風力カルトセンターABC放送(Australian Broadcasting Corporation略称ABC)は勝利のトランペットを吹き鳴らしたことだろう。一方、オーストラリアのグラハム・ロイドGraham Lloyd(環境問題のレポーター)は、これにちょっと触れただけで、あとは沈黙を守った。闇魔術dark artsの生徒たちは、行商の説話は出版などされなくても、その中味はよく伝わっていることを知っている。

風力産業は、始めからプレスを支配する力があった。夢想的でだまされやすい“ジャーナリスト”はグッドニュースであるかのように、風力産業のPRを撤回した。南オーストラリアとヴィクトリア州は風力電気でやって行けるといってしまった大失態をごまかすついでに、ジャーナリストらは、風力は30000世帯の電力は賄えることを付け加えた。確かに彼らは凧乗りでも船乗りでもないし、挽回するつもりでいるのだ。だが、いつ?毎日?いつか?そしていつ?

図説:2018年1月の風力エネルギー生産 

縦軸:出力(MWメガワット;横軸:曜日

下部の文字:意味不明。たぶん風力発電所ごと色分けしたものか?

風力電気についてのありのままの発表を入手できたのはよかった。おかげでHamilton Spectatorの次の記事がまとめられたからである。 

記者ナタリー・マックグレゴアNatalie McGregorは、彼女の多くの同僚たちが決して触れようとしなかったことを書く勇気と無鉄砲さのおかげでウォークリー賞を獲得した。Hamiltonハミルトンは、ヴィクトリア州の西部の田園風の肥沃な、生産性の高い地であるが、そこに多くの風車が設けられ、狂った労働党政府のおかげで、さらに何百も増設されようとしている。この記事がHamiltonの1面に出るということは、この腐敗した、補助金まみれの業界に逆風が吹き始めたこと意味している。

病気への道筋:オーストラリア法廷は風車ノイズと病気とに関係がありうると裁定した

Hamilton Spectator, Natalie McGregor, 2018年2月15日

オーストラリア行政不服申し立て裁判所(AAT)は、世界で初めて、“風力発電で発生する低周波および超低周波ノイズ迷惑が病気への信ずべき道筋になっている”と裁定した。

アデレードのAATの審問において連邦裁判所主席判事により、風力発電所ノイズの加害力について、今日までオーストラリアにおいて最も徹底的な情報および科学的調査に基づく考察が行われた。

法廷の見解は、”高血圧症、心臓血管病を含む一部の病気が、ノイズ迷惑による睡眠阻害、心理的ストレス・苦痛に仲介され関係づけられている“というものである。

そのまとめにおいてAATは、関連専門家の全会一致の賛同を得て、風力発電ノイズが40dB(A)(この値は睡眠を阻害する閾値として認められている)を超えている記録が多数あることを確認した。

まとめには”低周波音や超低周波音は聴こえないけれども、聴覚を介さない、まだ十分わかっていない他の影響に媒介されて、人体に悪影響を与えている可能性がある“と述べられている。

“それらの影響には、乗り物酔い様症候群、めまい、耳鳴り様症候群も含まれる。”

風力発電ノイズの計測に現在用いられている方法dB(A)は、風力タービンから発生する音の顕著な部分が低周波音域であるため、それらの発生、周波数、山や谷を正確に識別できず、適切な方法ではないと確言できる。それどころか、dB(A)は音響レベルを平均することにより、健康に害のありうる事象を覆い隠してしまう問題もある。

ところがdB(A)は、世界中で稼働中の風力発電ノイズのガイドラインになっているのである。

関連する専門家の多数と一致して、裁判所は、特定の場所の音のレベルと型を正確に把握するには、その場所で計測することがよいと考える。

結論的に、AATは、世界保健機構WHOの立場“大規模な疫学的研究により、人々を環境ノイズに暴露することは健康に悪影響をおよぼす”に同意する。

マッカーサー風力発電所に隣接するモイネシャイヤーの一住民(女性)は、風力発電所が出来てから彼女が経験した健康へ加害力を次のように語った。

“耳へのひどい圧力と痛み、それは実は内耳なのだけれど;頭への圧力と痛み;私の心臓は怒っているし、全身が燃えるみたいで気分が悪いです”と。

“そして(この症状は)低周波音の出ているところではどこでもすぐに起こり、生易しいものではなくて消耗します。”

オーストラリア総合エネルギー社AGLは、計画中のウィラトゥック風力発電所周辺地域で協議を開始し、この地域でタービンを増やすことについて住民の注意を喚起した。

地域のメンバーたちは、心配事を話すため、南西岸議員ローマ・ブリットネル(女性)Roma Britnellに週末に会った。“(そのミーティングは)彼らが、そのうちのある人たちが、風力発電所に取り囲まれているということが中心話題でした”とブリットネルはいう。“この人たちは、これは群がり効果cluster effectで、電力線がある地域を通っているために、裏庭に背の高さ220mもの構造物のお荷物を背負わされるのはフェアではないと感じているんです。“

ブリットネル議員は風力発電に賛成とも反対ともいっておらず、ただ“正しくあるべき”といっているだけだ。だが、“牛の乳しぼりや、シャワーを使いたいとき、もし風が吹いていなかったら電気がちゃんと使えるんでしょうか?”とブリットネルはいう。“風が基底負荷base loadに足りないというのが、私が地域の人たちから聞いている最大の問題なのに、政府はそれについて何も語っていません。”

ウォーターファウンデイションWater foundation(風力発電その他の工業目的の施設付近の住民から提起される健康問題について、学際的な研究をする支援グループ)代表のトニー・エドニ―Tony EsneyはSpectatorスペクテイターに対して、すべての風力発電所が問題を起こしているわけではないと語った。

“場所、地形、レイアウト(配置)、諸要素設備の設計、これらが気象条件と組み合わさって、ある受けとり者に潜在的に有害であるような音響伝播像が構成されるのです”とエドニ―氏はいう。“それに、誰もが風力発電ノイズから悪影響を受けているわけではありません。それは船酔いで誰もが不快感を覚えるわけではないように、個々人の感受性と性癖によるのです。”

エドニ―氏はいう。風力産業にとって、この技術が“もはやクリ-ンでグリーンで全く無害だとはいえない”と。“田舎に住む人々は、あなたがたの地方に風力発電所設置が問題になっているのだということをよく知る必要があります。”

AATの見解は、風力発電所とは限らず、一般の低周波音に暴露を扱った多くの科学的研究に基づいている。

脈打つ、低周波風力タービン・ノイズは普通の騒音とはまた別種の環境ノイズで、心臓血管病を引き起こすことがあるとAATは判断した。この問題は、下記のアメリカ心臓学大学雑誌 Journal of the American College of Cardiology の論文でとりあげられている。

ナタリー・マックグレゴアの意向に従って、ここではAATが信頼を置いている別の例を紹介する。

図説 上辺の説明 ノイズにより引き起こされる循環代謝病疾患の病態生理学的メカニズム案

左辺の見出し 上から下に順番に 交通騒音 ストレス応答 血管機能不全 病気発現

下辺は出典 ミュンツェルT.他:J.Am Coll Cadiol, 2018;71(6);688-97.

ノイズにより引き起こされる循環代謝病疾患の病態生理学メカニズム説

ノイズは、視床下部―下垂体―副腎系の活性化により特徴づけられる迷惑とストレスの原因となる。詳細は“ノイズにより誘発される心臓血管病の原因となる潜在的(分子的)メカニズム”の節を見よ。

ミュンツェル他(73)、Münzelet al. 出版社オックスフォード大学出版の許可2017を得た。以下は図中の短縮語の意味:AngII=アンジオテンシンとはポリペプチドの1種、血圧上昇(昇圧) 作用を持つ生理活性物質; ATI= アンジオテンシンの受容型1;ATM=毛細血管拡張性小脳失調症の変異;

eNOS=血管内皮型一酸化窒素合成酵素; Fas=細胞死を表す分子(CD95); FOXO=転写因子O; HPA=視床下部-下垂体-副腎系; iNOS=一酸化窒素合成酵素; NADPH=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸。脱水素酵素の補酵素として一般的に機能する。Nox=各種の酸化窒素; NO=一酸化窒素; O2=酸素; TGF=トランスフォーミング増殖因子 

環境ノイズと心臓血管系 J.Amer.College of Crdiology 71(6)688-697 Thomas Münzel, Frank P. Schmidt, Sebastian Steven, Johannes Herzog and Mette Sørensen, Feb.2018

概要

ノイズは、迷惑、ストレス、睡眠妨害、認知能力低下に関係することが分かった。さらに、疫学的研究により、環境ノイズは動脈高血圧症、心筋梗塞、心不全、心臓発作を増加させることが分かった。観察研究および「橋渡し研究translational study(基礎研究の成果に基づいた臨床試験施行と、その解析による新しい基礎研究というサイクル的な研究)」によれば、とくに夜間のノイズ増大はストレスホルモンと血管性酸化ストレスのレベルを高める。目新しい実験研究によれば、航空機騒音は、血管内皮型一酸化窒素合成酵素の消費と炎症性細胞浸潤を通じて、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸を活性化させ、酸化ストレスによる血管損傷を引き起こす。「橋渡し研究」では、航空機騒音に暴露された動物の大動脈膜の血管機能制御、血管再構成、細胞死に関係する遺伝子が変化することがわかった。このレビューは、ノイズに由来する心臓血管病のメカニズムと疫学に焦点を合わせ、この問題に新しい洞察を提供するものである。

梗概と結論

提供された証拠は、交通騒音は、冠動脈疾患、動脈性高血圧症、心臓発作、心不全などの心臓血管の危険の増大をもたらすという本来の見解を強めるものである。

病態生理学メカニズムの理解に関して、酸化ストレス、血管機能不全、自律神経失調症、代謝異常などをともなうノイズは、動脈性高血圧症、糖尿病などの血管リスクファクターへの悪影響だけでなく、アテローム性動脈硬化症心臓血管病の可能性も高める。

このように、この新しいリスク因子と循環代謝病疾患に対する総合的加害力との関係についてより多くの筋の通った研究がある。ノイズと大気汚染が共存するとき、影響の大きさと時間経過など研究すべき問題は多い;血圧と代謝リスクのような代替手段の相乗効果;影響の継続時間と繰り返し回数;低レベルの大気汚染に暴露される影響、およびその逆;循環リズムへのノイズの加害力;最後にライフスタイルへの影響(例えばダイエット、ストレス、運動など)。

20180317