カブール陥落

前ページでは、新疆ウイグルのドキュメンタリー『重要証人』を紹介した。おかげでこのニュースの予備知識が得られた。隣接する同じ地域なのだ。同じイスラムよ。「一帯一路」の経済構想だ。たくさんの事件が層を成しているから、部分的な戦争よりも、全体を俯瞰してみる必要があるだろう。記事はそのことに触れている。

国際政治の厳しさよな。私は昔あったサイゴン陥落を思い出していた。既視感というより、同じ風景のように思えないか。最近のことだがベトナム人と話したことがある。サイゴン土産だと言って、コーヒーパックをいくつか貰った。ベトナムではコーヒーが旨いんだという。もちろん私は美味しかったと礼を言った。

私が毎日飲んでいるネスカフェと少し違う。アジアの味だ。ネスカフェはイタリア、フィレンツェのメーカーだからね。我々の知らない所でイタリアに染められている。ベトナム人たちは「サイゴン」と言った。ホーチミンとは言わない。理由は分からない。そういう感覚があるんだろう。最近はベトナム人の犯罪が増えている。

ちょっと残念だね。日本でベトコンは勘弁してもらいたいものよ。長岡技大の三つほど下の後輩に、アフリカのイスラムに殺害された人がいた。首を切られて道端に転がされていたという。たまたま、その後、その地域の人が我が家を訪ねてくれたことがあった。ムスリムだという。たくさんの女子生徒を誘拐したり、歴史的な文化遺産を破壊して、暴れまわっていた時だ。

なんとその女性は「私はイスラムを信仰しています」というのだ。私は、彼らのやっていることは犯罪やで、と言った。しかしその人は無表情で、私の質問には答えることはなかった。イスラムの若い男性も来たことがあって、やはり同じすれ違いを経験した。話がかみ合わない。こんなのがアメリカやヨーロッパにあふれているのかと思うと、そりゃ、おかしなことになるわな、と笑ったものよ。

アフガニスタンには仏教寺院があったから、きっと中国とは相性が良いんだろう。大仏を爆破しようが、仏教を否定しようが、中国も同じ歴史を踏んでいる。シルクロードの再現やね。あのベトナムも、今はすっかり中国と仲良くしているように見えるのだ。日本人は、しばらく近づかないことだね。親切心は通じない。難民は受け入れないことだ。

それらはイスラムの世界の出来事だから。これでまた日本人の価値観、倫理が揺らいでいく。アメリカ軍はさっさと逃げていく。日本人だって、彼らと同じように、逃げるのならどこが良いだろうか、と考える人もいるだろう。実は、アメリカ人やヨーロッパ人と話していて、イギリス北部とか、東海岸とか、そんな話を何度もしたことがある。

日本人として、私は特殊なんだろうか。風力発電の被害を訴えて、散々な弾圧を加えられたけど、まだまだ適当に生きている。死んでいった被害者たちにはお気の毒に、とは思っている。しかし、こんな生ぬるい弾圧ではなく、前ページにアップした新疆ウイグル、東トルキスタンのような過酷な環境にされたら、さっさと見切りをつけるだろう。

なんせカブール陥落は、せいぜいが2000人程度の武装勢力が、100万人の政府軍をアッ、という間に制圧したのだ。日本なんか簡単よ。すでに社会は破壊されていることは、このページで書いてきたとおりだ。