アセスで解決しようとする環境運動家たちへ

長岡技大で担任だった早川先生は環境アセスのスペシャリストでした。実務でやっていたから、汚い世界やな、と学生時代から思いましたよ。h24年から風力被害で、環境運動家たちと関わるようになって、彼らが一様に「アセスをちゃんとやってください」と言っているのを不思議に見ていました。アセスは事業者がやるものでしょ。コンサルや御用学者が書きますけれど、お金を出す人の命令で中身が決まります。

日本の野鳥の会などの自然保護団体も、行政の傘下ですから同じことです。利権、というよりお仕事ですな。つまり、アセスは事業をスムースに進めるための手続きです。風力発電の場合、あらかじめ候補地は決められている。地元行政と摺り合わせをしているから、住民が被害があると言っても跳ね除けられる。風車を1本か2本、少しズラしましょうか、という程度の調整になる。

私は風力発電の低周波被害を訴えているので、ここでは低周波被害に関しては、アセスは全く意味をなさない、ことを示したい。ところが巷の環境運動家たちは、アセスがまるで万能の解決法であるかのように、「アセスをしましょう」と繰り返す。私が何度説明しても分からないのだからアホとしか言いようがない。いや、彼らは風力発電信者なのだと分かっているのだが、ウソも100回言えば、何も知らない人々までがアセスに信頼しかねない。

アセスは風車建設のためのトリックになっている。国連気候サミットのグレタさんのスピーチと同じことよ。信じるか、信じないかの判断よりも、自然エネルギーを訴えたいらしいのだ。全てウソの塊だけどね。図-1は由良町の説明会で配布された、風力発電の発する低周波分布図だ。何かおかしいと感じないか。風力発電の低周波被害で問題となるのは卓越した被害成分だ。

由良町の場合、それは周波数2Hzの所にあるのは分かっている。2Hzの波長は170mある。人の耳には聞こえない超低周波音である。超低周波音の特徴は、あまり減衰せずに、どこまでも遠くまで伝播する。山や谷間に回り込む。お寺の鐘の音みたいなものよ。

聞こえる音、可聴音とは、物理的な性質が違う。ドアを閉めれば聞こえなくなる騒音と違って、防ぎようのない気圧変動なのだ。低周波と言っても100Hz位なら聞こえるから、こんな図になるのかもしれない。しかし低周波被害は50Hz以下で起こることだから、意味がなくなるわな。

図-1 配布された低周波予測図

さらに低周波被害の原因は、空気振動であり、気圧変動だ。田舎は静かだから、たとえ音圧30dbであっても、被害成分が卓越すれば風車病になる人が出てくる。大風や台風の時、低周波を測定すると80dbとか、高い数値になるけれど、低周波被害はないでしょ。それは風車のように空気振動が繰り返し起こらないからよ。もし、お寺の鐘を一週間連続して聞いていたら、吐き気や頭痛を起こすかもしれないね。

それと風車から1.2㎞離れた我家では、70dbもあったけど、図-1では50dbにされている。対数表示だから100倍のエネルギー差を割り引いている。図-2は、我家で測定した低周波測定図だ。ピークがあるが、それぞれに10回測定して平均をとって表示した。

それぞれのピークは波長が違うから、到達時間もズレていて、大きく変化する波、小刻みに伝播する波、状況により、絶えず変化していた。このピークは、単に尖っているのではなく、上下に激しく変化しているのです。横軸の2Hzの所で、30dbの落差、変化があるでしょ。

図-2 FFT、高速フーリエ変換による分析図

汐見文隆医師が使っていたのはリオン社製NA-18A である。

図-3 低周波測定器NA-18Aの測定グラフ表示

私のyoutube動画(morio yura)に測定風景をアップしています。やはり2Hzの所で30dbの変化があることが分かります。この測定器をもって、あちこちと測定しているうちに、「あっ、風力発電の低周波だ」ということが分かるようになります。風車独特の倍音があって、パターンが見られます。

1/3オクターブ分析ですが、これで十分、何が被害を及ぼしているのか確認することができます。1/12オクターブ分析を勧める人もいますが、特異なピークが見られるなどの利点かな。

図-4 1/3オクターブ分析図

汐見文隆医師が始めたことですけれど、基本は、やはり、苦しい時と、比較的楽な時の状態を比較してみれば、どういうことか、明らかになると考えます。被害の基準は被害者にあります。海外では、風力発電の被害を訴えて、地域の人々が「Stop wind turbines !」と言ってデモ行進しています。ところが日本ではどうでしょう。誰一人として「風力発電を止めろ」という人はいません。

これまで私一人が、由良町の惨劇を見て訴えてきただけでした。畑地区の谷口さんの録音もアップしていますから、たくさんの被害者が苦しみながら死んでいったことを知っている人もいるでしょう。なにも由良町だけではない、伊豆や伊方、下津町大窪地区など、たくさんの被害地で同じ風力被害が繰り返されています。日本だけですよ。

何も抗議せずに、しかも被害者がそれぞれに「私たちは風力発電には反対ではありません」と言っているのは。各地の風力反対運動?は、なんだかヘン?だと思いませんか。低周波被害で、人が苦しんでいるのに、「土砂崩れが心配だ」とか、発電効率はどうか」とか、「エコなのか」とか、言葉をすり替えて、被害者を隠蔽して喜んでいるのです。合意形成の場、とまで書く人がいます。海外の風力反対運動とは、決定的に違う場面です。

「Protest wind farm」(風力発電に抗議)で検索するとドッサリと世界中の風力反対運動が出てきます。ドイツ語で検索しても同じです。環境運動家たちは「ドイツに習え」、「ドイツでは上手くいっている」と繰り返していますが、現実は全く違っていました。彼らは、ウソをついていたのです。

「Kein windpark」(風力発電はいらない)、「Nein」(ノーサンキュー)と言っています。この人たちが日本の反対運動を見たら笑うでしょう。あほか、と。私は、由良町の風力被害を見て、被害者を弾圧する人たちの恐ろしさを、これでもかと見せつけられました。風力発電の低周波被害は強烈ですから人格を破壊します。非情な苦しみに悶える被害者を苛め殺したのです。笑いものにして楽しんでいたのです。

薬を飲めば楽になる、と言って勧めた環境運動家たちも、さぞ面白かったと思います。録音の中で谷口さんは亡くなった被害者たちの名を挙げて何を訴えようとしたのか。事業者は笑っていただろう。誰もこの殺人事件を気にも留めないし、罪の意識を持つこともないのが恐ろしい。社会は、間違いなく崩壊していた。私を名誉棄損で訴えた人は、谷口さんと家族ぐるみの付き合いで、風力発電の被害など聞いたこともないと証言している。

御坊警察も検察も「あなただけでしょ」と断じている。たまに知人と話しているから、由良町では笑い話になっているだろう。私は、見てはならないものを見てしまった。トテモ、トテモ  それでもtwitterなどでは「アセスが必要だ」とかヘンな投書が繰り返される。風力発電のコマーシャルも繰り返される。環境省は風力被害を認めていないからね。基準も規制値もないのだ。

風力発電由来の低周波は観測できなかったとさえ書いている。国家犯罪よ。アセスをすると風力被害はなくなるのか? 無責任な投稿が溢れている。被害者のことなど、あるわけないわな。由良町の風力発電を撤去してくれ。たくさんの被害者が苦しみながら死んだ。笑って喜ぶのもやめてくれ。そんな人とは口もききたくないのだよ。