みんな骨導音として聞いている。

「聞こえない音は影響しない」というウソは、いったい誰が言い始めたのか。風力発電の事業説明では、「音は、そんなにしないでしょ」という騒音として問題かどうか、こちらが答える仕組みにされている。低周波は聞こえないから、これは誤魔化しのトリックやね。

ところが低周波測定器で測定して、分析図にしてみると、卓越した被害成分のあることが分かる。上下に激しく振動しているのだ。この気圧変動、空気振動に耐えられない人が低周波病、風車病になって苦しむことになる。なかには被害症状がないのに、性格が変わっていったり、ガンなどの基礎疾患のある人が急に悪くなることがあった。

神経がやられると言って、首が回らなくなったり、耳が聞こえなくなったり、声が出なくなったりする人の話も聞いた。腕が動かなくなった人もいた。風力発電が見えない地域なら気が付きにくいだろうけれど、由良町ではどこからでも巨大な風力発電が21基も並んでいるのが見える。被害者には、原因は初めから分かっていた。悪事、千里を走る、というからね。

以前、ワシントン大のソルト論文を紹介した。人は、低周波は聞こえないけれど感知している。内耳の器官がダメージを受けて、風車病に苦しむのだと結論している。そして汐見説だ。私はどちらも正しいと考えている。左脳受容説を直接説明してもらった時の感動は今も忘れられない。人は研究テーマを持つと、ここまで偉大になるのだと教えられた。

以下、窪田泰さんの解説です。

こんばんは、低周波空気振動被害者の会 窪田泰(Yasushi Kubota)です。

聞こえの検査を受けると音叉検査があります。難聴の有無、その度合いを判断する検査です。その場合、気導音(鼓膜経由)と骨導音(鼓膜を経由しない)があります。気導音は音叉を鳴らし、耳介付近でにこれを置いて聞こえを判定します。一方、骨導音は音叉を鳴らし、これを額か耳介後(鼓室付近)の膨らんだ部位にあてがい聞こえを判定します。

汐見医師は骨導音について以下のように記しています。

聴覚には、 A 伝音糸(外耳、中耳)
B 感音糸、内耳、聴神経、大脳・聴覚野)
Bがやられると全く聞こえません。しかし、Aだけがやられた時は、気導音はだめですが、骨導音は聞こえます。

*骨導音をどこに隠したのか?
聴覚には、気導音と骨導音と、2種類のルートがあります。

耳介で集められた音(空気振動)は外耳→中耳→内耳と伝えられます。これが気導音です。それに対し、外耳、中耳を通らず、空気振動が頭蓋骨から直接内耳に到達するのが骨導音です。この両者の区別は聴力障害の診断に必要ですから、それを区別するための検査は昔から耳鼻科で採用されています。 録音して聞く自分の声は本来の自分の声と違うという人が結構います。

それは録音して聞く自分の声は気導音ですが、本来の自分の声は、それに声帯の振動が頭蓋骨に伝わって発生する骨導音がブラスされているためと考えられます。 周波数が低いばど隔壁を貫通する性質が強く、低周波音被害は骨導音が主体とみられ、他方普通音(50ヘルツ以上)はこれをマスクする側に回ります。

ところが音響学関係でこの国に通用しているのは気導音オンリーで、骨導音は行方不明です。感覚閾値とは気導音による聞こえる、聞こえないの実験値です。2004年6月、環境省環境管理局大気生活環境室が作成した「低周波音問題対応の手引書」で、「低周波音による心身に係る苦情」に登場する“参照値”はこの感覚閾値に類する気導音の実験値ですから、骨導音とは無関係です。

手引書には、「低周波音による物的苦情」-建物・建具などのガタツキ-に対する“参照値”も取り上げられています。家屋が振動すれば、当然その中の人に影響が出ます。頭蓋骨が振動すればその中の脳に影響します。しかも低周波音は貫通力が優れているというのに、低周波音による物的苦情」は隔壁止まりであって、中の人間の骨導音には無関係になっています。これが日本の物理学です。

こんな「心身に係る苦情」の参照値では、実際の低周波音被害者の環境の測定値が合格になるはずはありません。皆殺し同然になっているのが現状です

Wikipediaによると骨伝導(こつでんどう)とは、生体内部を伝播する音を聞くこと、またはその方法。声などの生体内部から発生する音を生体表面で計測する方法を指すこともある。

概  要

骨伝導は、空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ聴覚神経(内耳)に伝わる(気導音)に対して、声帯などの振動が頭蓋骨を伝わり直接聴覚神経に伝わる(骨導音)ものである。この骨伝導は意図的に起こさずとも日常で常に起こっており、例えば自分が聞く自分の声は気導音と骨導音が合わさったものである。録音した自分の声を初めて聞くと強い違和感を覚えるのは、録音機器のマイクは空気伝導によって伝わる音のみを録音するからである。

18世紀ドイツの作曲家ベートーヴェンは20代後半に難聴を患い、ほとんど何も聞こえないほどの状態になったが、この時彼は指揮棒を歯で噛みピアノに押し付けて骨伝導で音を聞き取ることで、作曲を続けることができたと言われている。また一部の生物は体表面に耳殻を持たず、そのような生物は骨伝導によって外部の音を検知している。

例えばクジラは、水圧の影響を避けるために聴覚器官が全て体内にあるが、下顎の骨で水の震動をとらえて耳骨に伝えることで音を感じ取っている。 )

Salt論文解説版改