風車病、低周波病はアレルギーとは違う。

7年ほど前、イタリアのフィレンテェの女性が訪ねてくれたことがあった。両親がレストランをやっていて、26席のテーブルがある。いつも一つか二つ、空いているから、フィレンツェに来たらぜひ寄ってください。と言っていた。

我家にはたくさんの外人さんが来てくれたけれど、彼女の料理が一番洗練されていた。それは商品として、客に提供できるように盛り付けられていたのだ。味付けは、しょせん我家にある醤油やみりん、砂糖、塩、調味料でしかない。控えめな味付けだった。

彼女には一つだけ、問題があった。パスタなどの小麦粉がダメなのだ。常に医者の診断書を持っていて、小麦アレルギーでショックを受けるから、というアピールをしていた。

イタリア人がパスタやピザを食べられない? それもレストランで働いているのに。信じられないような話だった。

同じような話は日本人にもあって、ご飯が食べられない、というのだ。その人が言うには、米粒に付いた農薬がアレルギーの原因だと言っていた。だから無農薬のコメなら何とか食べられるのだが、少しでも農薬の気配があると、途端にショック症状が出ると言っていた。

去年あたりから、小麦の収穫時に除草剤(ラウンドアップ、グリホサート)を散布して、畑で乾燥させてから刈り取る収穫方法があると、メディアは伝えていた。日本で販売されているパンやパスタには、除草剤の成分が検出されるらしいのだ。

さすがに稲刈りの時に除草剤は使わないが、収穫の10日前にはかなりキツイ農薬散布がある。籾に浸みこむから、玄米で食べたらあまり良いことはないような気がする。精米して、硬い表皮を削り取ると、問題はないだろうと思っている。それでもアレルギーの人にとっては、呼吸困難などのショック症状が出るらしいのだ。

彼らの話を聞いていて、私にアレルギー症状がないので良かったよ、と思ったものだった。

イタリアの彼女と話していて、「由良さんはシャブは使わないのか」と聞いてきた。私が風力発電の低周波病で苦しんでいることを話して、どうしたらいいだろう、という苦労話をしてからよ。

「少しは楽になりますよ。ほかの人はやっているんじゃないですか」まじめな顔して言うのだ。

「いいえ、私は薬はやりません」と言いながら、どこかで聞いた話やな、と環境運動家たちが私に盛んに「薬を飲めば楽になる」と勧めていたことを思い出していた。

畑地区の谷口さんたちは、彼らの言いなりになって、医者に勧められるままに、精神安定剤と睡眠剤を常用していた。そして「私はもう薬漬けになっているんよ」と何度も苦しさを訴えていた。風車病の苦しさと、薬漬けの苦しさと、弾圧の厳しさと、精神的にも参っていたようだ。

だからイタリアの彼女の言葉にも、笑い話にできない悲しさを見たのだ。でも、ラテン人だから話していて楽しかった。「イタリアの南の人はすぐに人を殺す。シチリアの人なんかすぐよ。日本人は人を殺さないのか?」

「殺さないこともないけど、普通にはないよ」やはり日本は平和なのだ。

食物アレルギー、農薬アレルギー、私には詳しい原因は分からない。

毎月のように私が農薬にずぶ濡れになりながら農薬散布しているからね。

しかし彼らには、それぞれに命に係わる深刻な疾患だ。

また、シックハウス症候群という化学物質アレルギーがある。新築の部屋の壁紙、フロアの合板、ペンキの香り、などに反応するらしい。田舎の古家に住むしかないわな。私も築150年の、曽祖父が建てた百姓家に住んでいます。住めば都よ。

杉花粉症、昔はなかったのになぜだろう。現代病だよな。

電磁波過敏症。この辺からか、最近、市民権を得ているのは。とくにLED照明になってから症状が顕著になったと聞く。これも私には分からないのだが、電磁波過敏だといって、新幹線や電車に乗れないのか? そんなことはあるまい。都会のビジネス街、オフィスなんかは電磁波の渦やないか。

彼らは携帯電話は使わないのか。最近よく聞く5Gとかいう電波もだめだという。

世界には電気も電波も十分に普及している。それがないところ、なんて、どんな場所だろうか。

ただし、高圧電線の周囲にある電磁波は、がんの原因になると聞いている。日本では認められないが、高圧線の周囲は、土地の値段が安いでしょ。社会的には誰でも知っている危険地帯よ。それを否定しているのは電力会社くらいだろう。

さて、やっと低周波被害と、これらアレルギーの違いについて論じよう。

風車病、低周波病、は外因性の疾患である。風力発電ができたから、こんなに苦しむようになったのだ。風力発電のない地域に行くと、苦しい症状はウソのように消え去るのだから、被害者にとってこれほど確かなことはない。

低周波測定器で測定してみると、周波数1Hz、2Hzの周辺に卓越した被害成分のあることが分かる。ピアノやバイオリンと同じように、倍音があるのだ。音源が大きいから、凄まじい気圧変動が地域を覆っていることが分かる。この空気振動に耐えられない人が、低周波病に苦しむことになる。公害だよ。

たまに風車病に苦しむ人が、ノイローゼになった、うつ病になった、ということを聞く。低周波被害は頭をやられるからね。生活を破壊されて、人生をボロボロに打ち砕く。本人の知らぬ間に性格が変わっていく。

もともと聞こえない音(音波)だから防ぎようはない。自覚症状もなしにストレスが蓄積されるのだ。個人差が大きく、なんともない人には被害は見られない、ようだ。

〈聞こえない音に、被害はない〉環境省の報告書にある言葉は、こんなところを根拠にしているのかもしれない。全然違うけどね。

周波数20Hz以下の低周波は、聞こえる音(可聴音)よりもエネルギーを持っている。トタン屋根など振動させるでしょ。農家のビニールハウスの被害は有名で、風力発電が近くにできると、ハウスの中では仕事ができない。被害感覚のない一般の人でも、これなら分かると思うで。聞こえる音で、こんな現象はないでしょ。

つまり環境省の主張する「聞こえない音は人体に影響しない」というお説はウソなのだ。卓越した成分はない、というのも嘘だ。簡単な低周波音測定器で測定してみればすぐに分かることだ。環境省や県の環境科、各大学の環境科は絶対に低周波を測らない。測定したらマズイらしいのだ。私はあちこちの大学に依頼したけれど笑いものにされたよ。誰か、全国の風力被害地にある大学か高専で、風力発電の低周波を測定した人を知っているかい? 被害を否定するために測った人はいるだろう。御用学者さんたちよ。御用運動家がいて、連携して風力発電の被害を否定して喜んでいる。

今回の風力発電の被害には、事業者とともに、こんな被害否定のカラクリが仕組まれていたのだ。

昭和57年の西名阪自動車道、香芝高架橋の低周波公害と同じく、風力発電の被害とは、低周波公害なのだ。

それを被害者の持っている病気だの、精神疾患だのと、よくいうよ。

汐見文隆医師が診断したように、外因性の疾患だよ。決して内因性の病気ではない。その人のせいではない。風力発電ができたから、低周波被害で苦しむことになったのだ。アメリカのニーナビアポントのウィンドタービン・シンドロームにも詳しく書いてある。

「protest wind farm」(風力発電反対)と英語で検索すると、海外の風力反対運動がどっさりと出てくるで。

「stop wind turbine」(風力発電を止めろ)と抗議しないのは日本だけよ。日本は外部の情報を遮断して、情報操作している。それが環境省をはじめ、考える会や野鳥の会などの環境運動家よ。環境ビジネス、風力事業をバックアップしているのだ。風力被害者こそ、いい迷惑だよ。優生思想で、いらないと生命の選択をされているんだ。法律で、被害はない、と書かれると、どういうことになるのか。ドイツのナチス運動、ホロコーストがその顛末を示している。だからドイツでも大変なことになっているでしょ。ドイツ語で「kein windpark」(風力発電はいらない)と検索してみるとよい。

これまで「ドイツに習え」と言ってきた御用学者が、如何にウソつきなのかよくわかるで。

風力発電の低周波被害は、アレルギーなんかじゃない。心の病気でもない。ピッカピカの公害だ。

全国の風力被害者諸君、じっと我慢しないで声に出して怒ろう。

卑劣な工作員に騙されていたらあかんで。奴らは仕事でやっているんやで。優しい声で話しかけてくる環境運動家も嘘やで。彼らは利権があるから、さも心配そうに話を聞いてくるだけなんやで。

誰か一人でも「風力発電を止めろ」と言って協力してくれたか?

海外なら、当たり前に、地域のみんなが集まって抗議運動しているでしょ。なぜ日本にそれが一つもないのか。それが今回の風力発電の被害なのだよ。

風力発電には莫大な金が動いている。下は町会議員から、上は総理大臣まで、役場職員から総理府の官僚まで、誰も助けてはくれないでしょ。ただの一人も風力被害に目を向ける人はない。それだけ恐ろしいのだよ。ここまで日本の社会は破壊されていたのだ。

伊豆や伊方、由良町でたくさんの被害者が亡くなったことは知っていると思う。他にも、たくさんの被害者が闇に消されているだろう。なんせ、どこの被害地でも被害者を調査しないんだから、死んだら終わり、引っ越したら関係ない。抗議は受け付けない。「あんただけだよ」と撥ねつける。

もう大体の被害図は出来上がっているだろう。倫理や道徳をなくすと、その社会がどうなるかは歴史が証明している。堂々と風力発電に反対しよう。被害に抗議しよう。風力発電を撤去してくれ、と迫ろうではないか。私たちは人間やで。生贄にされて黙っていられるか。風力反対運動を始めよう。