12月議会、一般質問要旨

12/13日、12月定例会で一般質問を行いました。山田大邦先生の「低周波測定と健康被害」の論文を示して、世界的にも風車被害は常識になっているし、科学的に解明されています、と訴えました。

畑中町長の答弁は、「理解できない」、「拒否」の繰り返しでした。

議員たちからは、相変わらずの弾圧が続きます。彼らは被害者がたくさんいて、苦しみぬいて死んでいった人のことをよく知っているのです。
こんな小さな町ですから何でも知っているのです。こんな非道が許されてよいはずがありません。

以下、一般質問原稿です。

今回は、「外国人観光客が増えたので案内書が必要です」という質問事項もありました。しかし上滑りした門前払いでした。
我家にはたくさんの海外からの訪問客があります。ブログの方に記載しています。それが気に入らなかったのです。

風力発電による低周波被害、健康被害について

私がH.23年12月議会において、初めて風力発電被害を訴えてから、6年の歳月が過ぎ去りました。

ちょうど、この時期、11月から北風、強い季節風が吹き始めまして、地域の人たちは「とてもたまらん」といった低周波被害を訴えました。
彼らには、何の情報もなく、何が原因かも分からなかった、と聞いています。「うるさくてならない」という話でした。

ところが、全国的には、伊豆や伊方といった先進被害地がありまして、その被害内容を伝えてくれる人がいました。
由良町の近くにも、下津町の大窪地区では、大変な健康被害にあって、長年、住み慣れてきた地域を追われる事態になっていました。

私は、何人かの被害者から依頼を受けて、あるいはその悲惨な有様を見て、抗議の声を上げてきたものでした。
泣きながら電話してきた人もいました。

たまたま、和歌山市には汐見文隆医師という低周波被害を専門に研究されてきた偉大な先生がおられました。
たくさんの著書を出して、風力発電の危険を訴える啓発を行っておられました。

由良町のことも、ずいぶん心配して、医学誌などにも書かれています。隣町の広川町での被害例を記録して、出版されていました。
平成19年のことで、『左脳受容説』として、日本人は低周波被害に遭いやすい、という仮説を立てておられます。

インターネットで調べてみてください。
風力発電が発する有害な低周波音、空気振動、気圧変動が被害の原因であり、医学的にも被害症状を診断されてきました。

アメリカでは、Nina Pierpont医師が『Wind Turbine Syndrome』として世界でベストセラーになるような、被害の実態と物理的な証明をして成果をあげています。

そして前回、9月議会において、紹介したように、35年前、西名阪自動車道、香芝高架橋の低周波被害訴訟で活躍された小林芳正先生の『低周波被害とは何か?』と題した論文がありました。

これを真摯に読めば、由良町で引き起こされた風力発電の低周波被害は、誰にでも理解ができると思います。

私がよく例としております九州の水俣病ですけれど、水俣市に長年、住んでいる人でさえ、水俣病のことを知らない人がたくさんいた、という話です。

そこで正義感を持った市会議員さんが一人、「水俣病で苦しんでいる人がいる」と訴えました。議会からは大変な弾圧を受けて、地域の人々からも心ない対応があったと聞いています。

たまたま、私が学生時代の時、八代高専から来ていた人がいまして、その時でさえ、「このことは言ってはならない」といった非情な地域事情があることを聞かされたものでした。

水俣病は、確認されてから公害病として認定されるまで13年もかかりました。最初から、原因は分かっていたのです。被害が確認された時、誠実に対応すればよかったのです。

それを因果関係だの、別の原因だの、測定方法だの強弁して、すさまじい被害を及ぼして、たくさんの被害者が亡くなることになりました。
被害者は、地域の人々からの弾圧、迫害があったそうです。一層被害者を苦しめたそうです。

皆さんも新聞などで知っておられるとおりです。
もし、この時、被害を訴える一人の議員さんがいなければ、水俣病は別の結果、経緯があったかもしれません。

私はこれで6年目ですから、水俣病の13年に比べると、まだ、あと少し、頑張らなければならないのか、と杞憂を感じることがあります。
「償ってもらわなければならない」という言葉を何度も聞きました。

被害者の恨みは、その人個人だけではなく、長く、社会に暗い影を落とします。怨念です。

さて今回、紹介する最近の知見、論文です。
札幌医科大学、物理学教室の山田大邦先生の「低周波測定と健康被害」という中身の濃い意見書です。

山田先生は長年、風力発電の低周波被害を気にかけて研究されてきたと聞いています。(この論文です)
わが国初の観測データに基づく意見書です。

有害な被害成分として卓越した周波数(30dbの突出)がある。つまりエネルギーで1.000倍の突出したピークを持つ気圧変動がある、と報告しています。
既にアメリカやヨーロッパでは、卓越した被害成分があって、それが健康被害を及ぼしている、という報告書が出されています。

環境省などは、「卓越した被害成分はない」と強弁していますが、無責任なウソは誰が見ても明らかです。
山田先生はここで、現状の稼働で危険領域に達していると警告しています。

また、風車から2.000m離れた地点においても、風車由来の被害成分が確認できたと報告しています。
由良町では、3.000m離れても、風車独特の被害成分の挙動があることが確認されています。(由良町では、1基2.000kwで大きいですからね)

是非、この山田論文を真面目に読んでもらいたいのです。山田先生は、「風車を抱える自治体は健康調査を実施すべきである」と結論しています。
少なくともポーランド程度の規制基準を設けるべきだとも書いておられます。

私は、風車被害は低域の空気振動が原因であるので、人の住む地域に設置することが間違っていると考えています。
ちなみに、風力発電が引き起こす気圧変動ですが、数学的にはフーリエ変換、(フーリエ解析)によって確立された計算式で証明されています。

私たちが学校で習った数学講義です。微分積分学で習った、あのフーリエ級数です。
山田先生は、人間の聴覚になぞらえた、環境省の推奨するA-特性では、低周波音、超低周波音は測れない、平坦な特性のフーリエ解析をしないといけないと指摘しています。

こんなことは、環境省の技術者や、お抱えの技術者だって当然知っているはずです。
にもかかわらず、現在の環境省は「聴こえないものは有害であるはずがない」という虚構にしがみついて、低周波被害はないものとしているのです。

かつて、「水俣病の患者認定基準作成においては、「疑わしきは認定する」として、救済対象を広げた志のある環境庁長官、大石武一氏のような、志のある官僚の出現を熱望し、町当局もその方向で尽力くださることを期待します。

今、全国の風力発電計画地域、あるいは被害地域で、反対運動が盛んに行われています。由良町も随分と有名になったものです。
これ以上の弾圧は止めてもらいたいのです。たくさんの被害者が役場に助けを求めたと思います。私も、何度も被害者の話をお聞きしました。

是非、風車を止めて、いかに風車被害が過酷なものであるのか、調査してもらいたいのです。

質疑 ①

風力発電の発する有害な低周波ですが、その判断基準は、被害者にあります。
具体的な症状を訴えてきました。決して抽象的な思いを追及しているのではありません。単なる公害闘争をしているのではありません。

環境省の事務連絡、通達にも、10%の人が、参照値以下であっても、低周波音を許容できない可能性があると書いています。
個人差があることを考慮して判断することが極めて重要である、と書いています。

つまり、100人いれば、10人の人が、有害な低周波を感知して苦しんでいるのです。
2015年に、大学生が畑地区で行ったアンケート調査では、実に20%近くの人が被害症状があると答えています。

あの畑地区で270人からの回答です。
この事実は重いとは思いませんか?

由良町で引き起こされた風力発電の低周波音被害は、すでに全国の風車建設計画地域、被害地域で共有の情報となっています。
これだけの確率で被害に遭うんだと知らされています。

風車病は大変苦しい病気です。目まい、頭痛、吐き気、不眠、しんどさなどで苦しみます。誰が風力発電の低周波に当たるか分からないのです。確率は1/10です。
私に助けを求めた被害者たちは既に亡くなっています。

私は、どうも風力発電事業は、人間的道理に著しく違反していると考えるものですが、由良町として、これまで私が訴えた被害について、どう理解をしているのか答弁願います。

また、先日11/29日のニュースでは、由良町の風力発電を視察して、協議した村上市の大規模風力計画が休止になりました。

採算性が悪くて赤字になるそうですが、本当の理由は、低周波被害の暗雲、雲行きの危うさではないかと考えますが、畑中町長は、あれだけ盛大な事業計画が中止になった本当の理由をどう考えておられますか。

質疑 ②

村上市の大規模な風力計画だけではありません。下関市や石狩市といった大規模な風力計画地域では、そこに住む市民だけではなく、全国からの支援と情報が集まってきて、風力発電事業の非道な行政の対応、健康被害について、論議が起こっています。

何よりも由良町の低周波被害の内容が詳細に語られています。私の知らない所でも情報の連絡パイプが多数、あるようです。
畑中町長が、どのような答弁をしてきたのか、これは歴史に残る案件となって語られています。

彼らはなぜ、風力発電計画に反対しているのでしょうか。発電効率が悪いからでしょうか。健康被害があるからでしょうか。
由良町に住んでいる人なら、誰でもその答えを知っています。町長も知っているはずです。そうでしょう!

先に述べた山田大邦先生が、なぜ、風力発電の発する有害な低周波の被害成分を測定して、論文に取りまとめたのか。
途中で、何度も書き直したと聞いていますが、力を込めて書き上げられています。

風力発電の有害な低周波で苦しんでいる人がいる。それも全国の被害地にいる。アメリカやヨーロッパでは既に風車被害は常識になっている。
この事実を日本に知らしめるために書き上げられたものだと思います。

畑中町長、6年前には、初めから風車被害のあることは分かっていたはずです。6年経った今、ヨーロッパやアメリカはもちろんのこと、日本でも学術的に札幌医科大学の山田先生が証明しています。

9月議会では、京大名誉教授の小林先生の風力発電被害の論文を紹介しました。
風車被害のあるなしは、多数決ではありません。多数決で科学(サイエンス)が決定されることはありません。

多数決原理の民主主義は、この事実を保証する制度です。
民主主義とは何か。

よくこの原理を考えてもらいたいのです。
協定書に基づき、由良町の風力発電を止めてください。たくさんの被害者が苦しんでいます。