平成24年12月定例会一般質問 風力発電の低周波被害について

風力発電の低周波被害についての質間

(由良守生)

 風力発電の騒音被害、低周波被害について質間をいたします。
 私がこの間題を取り上げて、丁度1年になります。去年の12月議会で初めて風力発電により、頭が痛い、家にいられない、夜眠れない。つらくてたまらないなどの被害があることを報告しました。
 当初は、私も何が起こっているのかさえ分らず闇雲に手探りしながらの間題提起でありました。
 これまで定例議会で4回、今回を含めますと5回、このひどい公害について早急な対応を求めたものです。この10月に三尾川に別荘を建てて田舎暮らしを楽しんでいる人から連絡がありました。夜寝ているとなんだかゴーストが住んでいるような変な感じがすると言うんですよ。よく眠れないし、変な感じがしていられなくなると言うんです。
 その人は、近所の人にそのことを聞いてみたそうです。そしたら農家のその人は、以前に私が定例議会で風力発電を取り上げて被害者がいることを訴えた記事を見せて事情を話したそうです。

 これまで三尾川では、風車の被害はないとされてきました。私も直接三尾川の人から三尾川に被害はない。うるさいという人など誰もないと数人の人から言われてきたものです。ところが10月の末ですね。南風のある日に三尾川へ低周波の測定に行ってみると集落センターでは、ゴーゴーという騒音が絶え間なく響いてきます。
 うるさくないなんてうそでした。そして、この時にはもう三尾川のほかの人からもうるさくてかなわん。あんなもんいらんと正直な騒音被害を聞いていました。とても普通でいられるような状態ではありませんでした。

 三尾川は小さな集落ですが、その場所により被害の差がかなりあることも分りました。別荘に住んでいると話しました。地域の人の又聞きですが、区費の1万円をタダにしてもらっているので文句は言えないそうです。あるいは有力者というのがいて、何か言っても強い言葉で押さえ込まれるそうです。
 この地域に1OO年生きたとしても、100万円で、何でこんな被害を受けて物もいえんの。何で辛抱せなあかんの。たいそう怒ったものです。この感覚はおかしいですか。私は被害者として地域の住民として当たり前の感覚、気持ちだと思います。 他所から来た人が見ると、何と奇異に見えることでしょう。

  私は、東京と大阪で長くサラリーマンをしていました。それで別荘の人や他所の人とも自由に通じ合えるのだと思います。一生懸命に働いて得た金で念願の別荘を建てた。別荘を建てるのと同時に大きな風車が目の前に山の上にできていた。
 資産価値、土地の評価は、勿論下がります。低周波被害があることを住んでいる本人が分っています。地域の人もこの事情を話してくれました。これは社会問題だと思いませんか。住みよい町づくりを目標にしている由良町の方針と矛盾しませんか。

 11月18日、和歌山市に住む汐見文隆医師と1時間ほど風力発電の低周波被害の話をしました。汐見先生は、長年、低周波被害に取り組んでこられた知る人ぞ知る日本有数の識者です。
  この日も40人ほどが低周波被害の状況を把握し、理解するために集まりました。1 O月の初め頃、丁度、2 1基の風力発電が全て停止した日が一週間ほどありました。   私は、汐見医師の低周波測定器、NA-18Aをもって、由良町内で数箇所で測定しました。

  風車が止まっているといってもナセル内の運転音、直径8 0 メートルの羽、80メートルですよ。巨大なものです。ブレードが振動して低周波は高いレベルで発生しています。しかし、止まっている時、そして、動いている時では、明らかに大きな数値の差異がありました。我が家でも超低周波といわれる1ヘルツ、2ヘルツ周辺で60デシベル前後の高い数値を示しました。
 2・3秒ごとに約20デシベルの差異で激しく数値が変動しました。このことは、空気が2・3秒ごとに振動していることを示しています。この空気が振動しているということです。風力発電が動くことにより、1ヘルツ、2ヘルツ周辺の低周波が自然状態には無い高い数値を示すこと。そして、その数値は一定ではなく、激しく変動し、強い、弱い、強い、弱いという衝撃波、空気振動となって被害を起こしていることを示しています。

 汐見医師は、誰が見ても明らかな現象であるのにどうしてこの測定の事実を認めないのか。医師でもないものがどうして健康に影響はないと説明できるのか。医師法違反ではないか。私に懇々と説明をしました。日本気象協会などが低周波の測定をしました。誰もが知っている有名なブランド業者です。このブランド業者の説明を由良谷の住民たちは納得して聞いていたのでしょうか。
 恐らく低周波があって苦しんでいる人々がいる事実、公害を認めたうえでの調査と事実かどうかを明らかにするための加害者側の調査では、心構えからして違ってしまっているということです。低周波被害の会全国会の窪田泰氏は、これまで業者が測定して報告したもの、由良町で測定報告したものは全て握造、でっち上げであると断言しています。

 被害がないんだから原因となるものもないという考え方です。モラルが無いと思いませんか。明らかに特定の政策や企業の利益のために由良町民が被害者となっています。住民の生活を守る行政が、政治が一方的に関連が分からない。通常、考えられないなどと言って無視を繰り返すことのこの罪は、あまりに大きいと思いませんか。苦しんでいる人がいます。誰の目にも明らかです。

  今や地域の住民のほとんどは風力発電により、騒音や低周波、シャド一ブリッカー、太陽の光をパラパラと点滅させてですね。気持ち悪くする現象があることを知っています。また、風景主義の観点から美しい山々の風景が壊されていることに心を、胸を痛めている人々がいます。風力発電による被害はないなどと言っているのは、由良町役場に努めている人だけです。なぜでしょうか。誰もが変だと思っています。奇異なことだと思ってるんです。

  私は、1年前の12月から風力発電による甚大な被害があるので、何とか対策を講じでもらいたいと訴え続けてきました。地域の住民の協力を得て、要望書を提出しています。誠実に対応してもらいたいのですが、どうでしょうか。また、由良町と日高町の間の山々に風力発電の建設計画があります。

  地域の住民は、非常な不安、危機感を持っています。新たな風力発電建設に対しても地域の住民の協力を得て、建設反対の要望書を提出しています。これ以上、被害を拡大させないでもらいたいと地域の人々は切に願っています。由良町の住民を守るんだという立場から、是非、風力発電建設に反対してもらいたいと考えます。明確な答弁を求めます。

質間に対する執行部の答弁 (町長)

  由良議員の一般質問にお答えをさせていただきます。まず、質間の中で有力者が押さえ込んでいる。あるいはまた測定結果は、提造ででっち上げだと、また、風力発電の被害がないと言っているのは、役場職員だけだと、こういう根拠の明らかでないものは、あるように見受けられます。
 議員の質間内容について、全て正しいという認識は持っておりませんので、ご承知願いたいと思います。さて、風力発電に関する間題についてでありますけども、新たな風力発電、いわゆる日高町との境界のところの発電の建設につきましては、先程、川出議員の一般質問にもお答えしたとおり、当然、住民の皆さん方の意見を尊重した上で、町として法等に基づいて客観的ひこうを考えた上で、対応をさせていただきますということで答弁させていただいたとおりでございます。

 次に、既存の風力発電についてであります。これにつきましても、これまでお答えしてきたとおりでございます。特に、由良議員については、自宅で低周波の測定等も行っております。先程、答弁いたしましたように、低周波が身体に与える影響については、畏敬をいたしておりません。
 ただ、測定結果のところ、稼動による増というのはあまりない。それと同時に一般的な生活環境におけるレベルとそう変わらないんだよということで、いわゆる因果関係というのは、極めて低いという調査結果がでておる。これについては由良議員もご承知のことだと思います。
 従いまして、こういう因果関係がハッキリしないもの、それを事業者に停止を求める。特にまあ停止等につきましては、町の権限はございませんので、電気事業法に基づく停止ということになぜてこようと思いますので、国が対応するんではないかなというふ うに思っております。
 そういう中で、権限もありませんので、そういうこと は町として致しかねるというふうに思っております。

 騒音問題につきましては現在、畑区と事業者で協議を進めておるところでございまして、町といたしまして、これまでと同様に畑区、あるいはまた事業者等のなかだちとして、よりよい解決策を探っていきたいというふうに考えております。
 以上で答弁を終わらせていただきます。

 (議 長))

  先程、由良議員の質間内容で、不本当と思われる発言がありましたので、後日調査をして善処いたしたいと思います。

(由良守生)

  この1年を振り返ってですね。私つくづく思うことは、この小さな町にたくさんの隣立した風力発電が建設されて、それで魅力ある町になったかということです。由良町に長く住んでいると分からないことですが、景観資源、心和む風景という概念があります。景色の間題です。由良町に別荘を建てて住む人は、釣りが楽しみで住んでいるだけではありません。やはり風景がいいんです。
 山並みか、稜線が自然なのがいいんです。騒音被害がある。低周波被害がある。目の前で直径80メートルの巨大な風車がたくさん回っている。この風力発電により、由良町の評価は、上がったんでしょうか。 

 先日、環境省のホームページを見ていますと、総合環境政策局のぺ一ジには、明確に風力発電の騒音、低周波の苦情が発生している事例を報告しています。平成23年6月の検討会報告書です。シャドーフリッカーの対策などには、カーテンや植樹により視覚的なさえぎる措置などが明記されています。太陽の光を取り入れるための窓をですね。カーテンで締め切って対応しろというんです。乱暴なことが書かれてあります。
 農業している人ですと、今、高齢化が進んでいます。長年、精魂を込めて作ってきたみかん畑、山田がですね。低周波や騒音で仕事にならないという言葉を何度も聞きます。耕作放棄地が問題になる昨今、最近ですね。更に迫い討ちを掛けて農作業を困難にしています。低周波の被害で作業が、仕事がつらいんですよ。地域を疲弊させて、過疎、そして、結局はですね。人の立ち入れない地域にしています。
 この風力発電の建設は、地域にとって大きな間違いであると考えます。私は、そう思います。是非、地域住民のために風力発電を止めて下さい。年寄りもまだ人なんですよ。

質間に対する執行部の答弁 (町長)

  お答えいたします。先程も言いましたように、町で止める権限はございません。それと同時に、自然、これも大事なことであります。
 これらについては、また、別途の法律、自然公園法等によって規制をされておりますので、それ以外のところ、森林については、当然、開発する事業者があれば森林法の規定に基づいて開発していく。これについては、何らそれを止める町としても根拠はございません。以上です。

(由良守生)

 もう一つ質問することがあります。少し先のことになるんですが、最近、話題になっている洋上風力発電、海岸や海上にですね。巨大な風力発電を建設しようとする計画です。由良町の海岸に、あるいは隣接する町の海岸に洋上風力発電を建設するような計画はありませんか。

 別荘に住む人に聞いたことですが、せっかく風光明媚な海岸部にですね。念願の別荘を建てたものが山には巨大風車、海岸にも洋上風力発電の風車ができるということになると、とても我慢のできることではないと、非常な危惧を言葉にしていました。

 私は、それを聞きました。彼らとて多額の費用を費やして由良町に生活を築いている人々です。よそ者だからといって無視するわけにはいきません。
 人としての生活環境を補償する行政の責任があると思いますが、どうでしょうか。一般の住民の方もですね。海岸に巨大な風車ができると困ると思いますが、どうなんでしょうか。

質間に対する執行部の答弁 (町長)

  特に、そういう事案については、聞いておりません。

                                   以上